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闇と鎖と一つの焔

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  • 11/21/14:25

しばらく冬眠

こちらも冬眠します。
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6日目

海老の殻で作ったデコイを周囲に放ち、警戒しながら休む。
あの牢を出て以来久々の休息を取った。


夢を見た。
夢に出てきたのは緋色の翼。
焔の様に美しい。


焦げたような褐色の肌の色も
金色に光る眼も
何もかもが美しい。


欲しいと思った。
あれが欲しい。


あれを俺のモノにしたい。
あれは俺だけのモノだ。


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5日目

ようやく力が戻ってきた。

喰った海老に息吹を吹き込む。
もう少しで人形の出来上がり。

目の前にはもう一体の海老。
この海老も食らってしまおう。

そして・・・・そして・・・・
壁はいくらあっても足りない。

新しい餌が必要だ。



そろそろ移動するか。

そう考えていた時に、ふと、どこからか香ってきたる。
それは花の香り。



こんなさびしい場所で?

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4日目

目の前にうまそうなものが現れた。
海老だ。

草にはもう飽きた。

パリッ
パリッ

草賊を食いちぎりながら、目の前のブラックタイガーを睨む。

そろそろ力も戻ってきた。
食い散らかした後で気を集めて壁にすることぐらいはできるかもしれない。

まずは喰う。
食らうところから始める。



・・・・・どこからか爽やかな香りがする。
ブラックタイガーではない。

爽やかで爽やかで・・・口元からよだれが溢れそうになるのを拭う。

前にもあった。
どこかにある。
この世界のどこかに。




無理はしない。
時間をかけて力を整える。
まずは目の前のこいつからだ。

3日目

パリッ
パリッ
パキッ

意外と堅い
うまいものではない

一種の野菜のようなものか・・・草賊というのは


もっと芳醇なものを
もっとうまいものを食いたい
もっと香り高く
もっとコクがあり
もっとやわらかく
もっとジューシーで
そしてうまいものを食いたい


だが、目の前には草、草、草


平原を抜けよう
そう決意するのにそれほど時間は必要ではなかった


うっとりするほどの香りがどこかにある
食いたい
食いたい
食いたい



・・・・・・やわらかくジューシーな鴨肉にも惹かれるが、もっとうまいものを得るために耐えることも必要だ
何年も我慢してきた
今更少しぐらいの我慢をしても大した苦痛ではない

あの香りを見つけられるなら・・



チャリッ



腕の鎖が鳴る
うっとうしい
鎖に縛られて縛られて・・・・鎖はきれても最後の輪はまだ腕に残り続ける

自由に
もっと自由に


そして、あの香りをなんとしてでも食ってみせる

2日目

目の前に草賊がいる。
名乗ったわけではない。
この世界の世界律が目の前に立ちはだかるモノの名を教えてくれる。
便利なものだ。


食ってもいいらしい。

ジュル

そう考えるだけでよだれが溢れそうになる。
だが・・・・鎖は未だ俺を縛っている。

喰いたい
喰いたい

力が欲しい。
この鎖をはじくほどの力が欲しい。



かすかにどこかから香りが漂う。
目の前の草賊ではなさそうだ。
この世界のどこかに美味いものがある。

ジュル

手で拭っても溢れそうな・・・
どこかに芳醇なものがいる。



気が散らないというと嘘になる。
それだけ惹かれるものがどこかにいる。



かすかな香りを追うにも力がいる。
力を取り戻すためには目の前にあるものを喰うしかないだろう。
気を散らしては足元をすくわれる。
まずは目の前のこいつを喰う。

そこから始めよう。

1日目

強烈な飢えに支配される。
照りつけるというほどではないが、闇になれた眼には世界が明るい。

崩れかけた町で考えるのは何かを喰いたいということだけだ。

金が必要?
笑える。

だが・・・

「チャリ」

腕にはまだ銀色の鎖が絡みついている。
ここではまだ忍ぶ。


喰いたい。
喰いたい。
人のいないところへ。
そこで出会った何かを貪り食おう。


それまでは・・・・闇を食らって。
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