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闇と鎖と一つの焔

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  • 11/23/16:02

ファンタジー・ア・ラ・カルト(4)




いつからここにいるのかわからない。

ただ、気がついた時にはここにいた。

背の高い草に覆われた小さな島

自分の背よりも高い草の中、息を潜めて誰かを待つ。

先が折れ短くなった槍

槍としては終わっているそれも、潜むときにはかえって好都合。

何も持たないでいるのは心もとない。

ただの棒であっても、相手を叩き伏せるのには役立つ。



時に息を潜め、隠れ、やり過ごす。

自分がどこへ行こうとしているのか、なぜ隠れているのかはわからない。

ただ、誰かを待っている。

はよぉ、早ぉして・・・と祈りながら息を潜める。



待つ時間は長く辛い。

隠れていてもいつか見つかる。

そう。

たったいま彼女の肩が叩かれたように。

いつまでも隠れていられないとわかっていた。

見つかったのだ。

覚悟を決めて振り返り・・・・




まぶしい!

「みかんさん、おはよう。朝だよ。」

カーテンが開かれる。

今日も良い天気の一日が始まろうとしている。

けだるさを感じながらベッドの上に起きて・・そして気がつく。

首も耳も胸元も背中もぐっしょりと汗で濡れている。

夢だったはず。

なのに妙にリアルな夢。



大陸を、島を、様々な地を歩いて冒険してきた自分

だが、あんな島には憶えがない。

『あんなもん、ただの夢やぁねぇ』

そう片付けたいのに、なぜか妙に胸騒ぎ。

振り返った自分が畏れた者。

あれは誰?



聞いたこともない名もなき島。

ただの夢に出てきた幻想

なのに、何かに突き動かされる。

八房を取り、腕を磨く。

その日、そのとき動けるように。

切っ先の折れた棒であっても、目の前に立ちはだかる者を打ち倒せるように。



名もなき島 : 伏姫みかん(1353)さん








  To be continued   ・・・・と書いておきます。
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