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16thday
まさか・・・・・・・
だが、見間違いではなかった。
移動していつものように合流したあと、すぐそばに居た者達と練習試合をする。
いつものように練習試合をしないかと声をかけたら・・・・
帰ってきた声はいつものメンバー
闇の翼 白虎隊
これで3度目の対戦だ。
確かに気配を探ると、俺たち以外にはこのエリアにほとんど人はいない。
見知らぬ気配は・・・・二人・・・・いや三人だろうか?
正直やりにくい。
だが、仕方ないだろう。
そして、その向こうにいる次回の対峙者・・・
それは
「・・・・ウォルフ?」
─────────違う!
間髪居れずに華煉の声が届く。
そう・・・違う。ただの狼だ。
だが、ウォルフに似たものと戦うのは辛かった。
ウォルフ・・・・・俺の戦友
焔にまかれた俺の友
今も俺は狼を見てはウォルフを思い出してしまう。
昔は人に対して心を開いていなかった。
だから、俺と共にいて、一緒に戦うあの誇り高い狼にどれほど心を預けていたか・・・
俺は知らず物思いにふけってしまった。
だから、気がつかなかった。
はっきりと華煉の声が聞こえたということ、その異質さに。
─────────現実世界との境界が曖昧になっている?
昨日マナがこの空間とあの島をつないだ。
そして、華煉は顕現した。
あまりにもあっさりと。
あの島は・・・・異質だ。
こんな風に簡単に空間がつながるなんて出来すぎている。
聖霊からもらった薬の影響も確かにあるだろう。
火喰い鳥の民であるマナのブーストも影響しているだろう。
だが・・・・こんな風につながるなど、他の精霊から聞いたことがない。
こんな風に声があっさりと届くなど・・・
─────────何かの・・・魔力磁場につかまった?
華煉は空間ごと縛られた可能性に思い当たって、自らの空間領域を確認し始めた。
何気なくはじめたそれは長い長い作業になった。
華煉の空間には見逃せない変化が生じていた。
このまま放置しては華煉の力はすべて失われてしまう。
華煉は変化を元に戻すことに全力を尽くし始めた。
「くっ!!」
白虎隊との対戦の前にちょっとした模擬戦をやった。
こちらは俺とベアとシク
相手はミーティアと一夜とトーキチロー
戦力的に大差があるとは思わない。
だが、本当に久しぶりに・・・ベアが落ち、俺が落ちる光景を目にした。
「すまん・・・・あとは頼む」
とだけ、言い残して俺は倒れた。
暗い。
昨日も暗かった。
だが、昨日の暗さは華煉が顕現してこの場に居なかったからだ。
そして、今日も暗い
今日の暗さも同じだ。
華煉がこの場にいない。
だが・・・・一体どこに?
これだけ暗いと何も出来ない。
華煉の空間では華煉以外は焔をあやつることが出来ない。
だから、翼を出しても無駄なのに。
それがわかっていたのに。
だが、暗いと感じた俺は条件反射で翼を広げてしまった。
そして俺は驚くことになる。
この空間なのに俺の翼は盛大に焔を舞い上げたから。
「華煉?」
何かが起こっている。
華煉がいないのに焔をあげる俺の翼。
今までになかったことだ。
華煉が俺の焔をこの空間で許したことなどなかったのに・・・
ダメ・・・・ダメよ!消えないで!
だが、華煉の目の前であっさりと“それ”は崩壊した。
油断した。
マナが来たことに気づかないぐらい没頭していた。
あれだけ修復したのに、マナが焔を呼んだ。
そして空間はまた変化した。華煉の予想もしない方向に。
──────このままでは、この流れをとどめることはできない。
──────でも、あの島とつながることだけは避けなければ!
華煉は・・・・流れを断ち切るための最後の抵抗を行った。
そして・・・・・・空間は固定された。
もう戻すことはできない。
華煉の空間はマナの“火喰い鳥のナイフ”の紅瑪瑙石と精霊界とつながる形で保持されていた。
だが、あの島に華煉が顕現したことで空間は歪み始めた。
精霊界から遠のき、現実世界のあの島に引きずられそうになった。
華煉は懸命に島とのつながりを断ち切った。
精霊界とのつながりを強くした。
もう少しで空間は元に戻るはずだった。
だが、島の中にその肉体を置くマナがあの島の焔の欠片を呼んでしまった。
空間は焔の力で島と強くつながる。
華煉の作った“それ”・・・島に引きずられないための防御壁はあっさりと崩壊した。
空間は精霊界から離れる。
島に引きずられる。
あの島は異質。
あの島は危険。
華煉は精霊界とのつながりを残すことに全力を投入すると同時に・・
現実世界とのつながりを一旦すべて切り離そうとした。
だが、華煉の空間にはマナがいる。
つながりを断ち切ることはマナの精神と肉体を切り離すことになる。
現実世界にある、島ではない“何か”に空間を固定する必要があった。
火喰い鳥のナイフの紅瑪瑙石よりもこの空間に対して強い引力を生むもの。
あの島よりもこの空間に対して強い引力を生むもの。
マナがブーストしたあの島の焔以上に華煉の空間と親和する強い魔力媒体。
華煉は・・・・・・・・・自らの空間を直接マナの肉体に接続した。
そして・・・・華煉の空間は固定された。
精霊界とのつながりを残し、そして、現実世界のマナの肉体につながる形で。
マナの肉体以上に華煉の空間と親和する物など、現時点ではありえない。
マナの胸の刺青以上に華煉の力を縛る物など現実世界にはありえない。
マナの命がなくなるまでは。
華煉は深いため息をついた。
最初からマナの肉体に接続してあれば、こんな風に他の魔力媒体に引きずられることはない。
だが、火喰い鳥の民につく守護精霊達は必ず宝石を媒体にしてきた。
火喰い鳥の民の肉体は良質の魔力媒体。
直接肉体につながるほうが、力は振るいやすいに決まっている。
だが・・・・・それ以上に大きな大きなデメリットがあるのだ。
もちろん、華煉も守護精霊の1人として何が起こるかを知っている。
数百年ぶりに庇護者の肉体に直接つながった守護精霊。
もう戻ることはできない。
もう引き返せない。
華煉は強く唇をかんだ。
自らの空間に戻らなくては。
そこにはマナがいる。
私に耐えられる?
マナに耐えられる?
華煉は唇をかんでいる。
唇から血がにじむ。
話すべきか・・・それとも話さざるべきか・・・・
だが、見間違いではなかった。
移動していつものように合流したあと、すぐそばに居た者達と練習試合をする。
いつものように練習試合をしないかと声をかけたら・・・・
帰ってきた声はいつものメンバー
闇の翼 白虎隊
これで3度目の対戦だ。
確かに気配を探ると、俺たち以外にはこのエリアにほとんど人はいない。
見知らぬ気配は・・・・二人・・・・いや三人だろうか?
正直やりにくい。
だが、仕方ないだろう。
そして、その向こうにいる次回の対峙者・・・
それは
「・・・・ウォルフ?」
─────────違う!
間髪居れずに華煉の声が届く。
そう・・・違う。ただの狼だ。
だが、ウォルフに似たものと戦うのは辛かった。
ウォルフ・・・・・俺の戦友
焔にまかれた俺の友
今も俺は狼を見てはウォルフを思い出してしまう。
昔は人に対して心を開いていなかった。
だから、俺と共にいて、一緒に戦うあの誇り高い狼にどれほど心を預けていたか・・・
俺は知らず物思いにふけってしまった。
だから、気がつかなかった。
はっきりと華煉の声が聞こえたということ、その異質さに。
◆ ◆ ◆
─────────現実世界との境界が曖昧になっている?
昨日マナがこの空間とあの島をつないだ。
そして、華煉は顕現した。
あまりにもあっさりと。
あの島は・・・・異質だ。
こんな風に簡単に空間がつながるなんて出来すぎている。
聖霊からもらった薬の影響も確かにあるだろう。
火喰い鳥の民であるマナのブーストも影響しているだろう。
だが・・・・こんな風につながるなど、他の精霊から聞いたことがない。
こんな風に声があっさりと届くなど・・・
─────────何かの・・・魔力磁場につかまった?
華煉は空間ごと縛られた可能性に思い当たって、自らの空間領域を確認し始めた。
何気なくはじめたそれは長い長い作業になった。
華煉の空間には見逃せない変化が生じていた。
このまま放置しては華煉の力はすべて失われてしまう。
華煉は変化を元に戻すことに全力を尽くし始めた。
◆ ◆ ◆
「くっ!!」
白虎隊との対戦の前にちょっとした模擬戦をやった。
こちらは俺とベアとシク
相手はミーティアと一夜とトーキチロー
戦力的に大差があるとは思わない。
だが、本当に久しぶりに・・・ベアが落ち、俺が落ちる光景を目にした。
「すまん・・・・あとは頼む」
とだけ、言い残して俺は倒れた。
◆ ◆ ◆
暗い。
昨日も暗かった。
だが、昨日の暗さは華煉が顕現してこの場に居なかったからだ。
そして、今日も暗い
今日の暗さも同じだ。
華煉がこの場にいない。
だが・・・・一体どこに?
これだけ暗いと何も出来ない。
華煉の空間では華煉以外は焔をあやつることが出来ない。
だから、翼を出しても無駄なのに。
それがわかっていたのに。
だが、暗いと感じた俺は条件反射で翼を広げてしまった。
そして俺は驚くことになる。
この空間なのに俺の翼は盛大に焔を舞い上げたから。
「華煉?」
何かが起こっている。
華煉がいないのに焔をあげる俺の翼。
今までになかったことだ。
華煉が俺の焔をこの空間で許したことなどなかったのに・・・
◆ ◆ ◆
ダメ・・・・ダメよ!消えないで!
だが、華煉の目の前であっさりと“それ”は崩壊した。
油断した。
マナが来たことに気づかないぐらい没頭していた。
あれだけ修復したのに、マナが焔を呼んだ。
そして空間はまた変化した。華煉の予想もしない方向に。
──────このままでは、この流れをとどめることはできない。
──────でも、あの島とつながることだけは避けなければ!
華煉は・・・・流れを断ち切るための最後の抵抗を行った。
そして・・・・・・空間は固定された。
もう戻すことはできない。
◆ ◆ ◆
華煉の空間はマナの“火喰い鳥のナイフ”の紅瑪瑙石と精霊界とつながる形で保持されていた。
だが、あの島に華煉が顕現したことで空間は歪み始めた。
精霊界から遠のき、現実世界のあの島に引きずられそうになった。
華煉は懸命に島とのつながりを断ち切った。
精霊界とのつながりを強くした。
もう少しで空間は元に戻るはずだった。
だが、島の中にその肉体を置くマナがあの島の焔の欠片を呼んでしまった。
空間は焔の力で島と強くつながる。
華煉の作った“それ”・・・島に引きずられないための防御壁はあっさりと崩壊した。
空間は精霊界から離れる。
島に引きずられる。
あの島は異質。
あの島は危険。
華煉は精霊界とのつながりを残すことに全力を投入すると同時に・・
現実世界とのつながりを一旦すべて切り離そうとした。
だが、華煉の空間にはマナがいる。
つながりを断ち切ることはマナの精神と肉体を切り離すことになる。
現実世界にある、島ではない“何か”に空間を固定する必要があった。
火喰い鳥のナイフの紅瑪瑙石よりもこの空間に対して強い引力を生むもの。
あの島よりもこの空間に対して強い引力を生むもの。
マナがブーストしたあの島の焔以上に華煉の空間と親和する強い魔力媒体。
華煉は・・・・・・・・・自らの空間を直接マナの肉体に接続した。
そして・・・・華煉の空間は固定された。
精霊界とのつながりを残し、そして、現実世界のマナの肉体につながる形で。
マナの肉体以上に華煉の空間と親和する物など、現時点ではありえない。
マナの胸の刺青以上に華煉の力を縛る物など現実世界にはありえない。
マナの命がなくなるまでは。
華煉は深いため息をついた。
最初からマナの肉体に接続してあれば、こんな風に他の魔力媒体に引きずられることはない。
だが、火喰い鳥の民につく守護精霊達は必ず宝石を媒体にしてきた。
火喰い鳥の民の肉体は良質の魔力媒体。
直接肉体につながるほうが、力は振るいやすいに決まっている。
だが・・・・・それ以上に大きな大きなデメリットがあるのだ。
もちろん、華煉も守護精霊の1人として何が起こるかを知っている。
数百年ぶりに庇護者の肉体に直接つながった守護精霊。
もう戻ることはできない。
もう引き返せない。
華煉は強く唇をかんだ。
自らの空間に戻らなくては。
そこにはマナがいる。
私に耐えられる?
マナに耐えられる?
華煉は唇をかんでいる。
唇から血がにじむ。
話すべきか・・・それとも話さざるべきか・・・・
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