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21th day
遺跡外にいった時にちょっとした小屋を借りてきた。
たいした広さじゃないが、荷物を置くのには十分だ。
華煉も喜んでいる。
固定の場所が決まると結界を強化しやすいらしい。
どうやら日々俺の隠れ家に行っているようだ。
俺は昨日のことを思い出した。
華煉に殴られて、闘技大会の相手にとんでもない伝言を頼まれかけて・・・俺は今までの悩みを一瞬忘れていた。
これも華煉の気遣いだったのかもしれない。
そんな華煉に俺は聞きたくて聞けないことがあった。
「なぁ、華煉」
「何?」
俺は思い切って聞いてみた。
「火喰い鳥のナイフを手放して新しい剣に紅瑪瑙石を移植したいんだが・・」
華煉は驚いた顔をしていた。
だが、俺はまじめにそう考えていた。
ずっと里を出るときから持っていたナイフ
今もこのナイフを強くする手段を俺は持っていないわけではない。
この島に来てからも何度となく強化してきた。
だが、ここに来て俺はもっともっと強い武器を欲していた。
みんなを守るため
そして俺自身が強くなるため
そのためには強い特性を有する武器が必要なのだ。
シクの持っている技術は様々な武防具に新しい特性をつけることが出来る。
俺はこの島に来て七日目にシクに頼んでこのナイフに新しい特性をつけた。
俺が火喰い鳥のナイフに選んだのは攻撃力を高める特性
長く使うこの武器にぴったりだと思ったからだ。
物理攻撃力も魔法攻撃力も上がるこの特性。
魔法技も憶える俺にぴったりだと。
だが・・・・それでも今となっては弱い。
今の俺の力は物理攻撃力に偏っている。
華煉の助言もあった。
魔法を媒体としやすい火喰い鳥の民であっても魔法を生み出す力は強くない。
以前のような化け物に襲われた時・・・魑魅魍魎の結界に引きずり込まれたとき
結界内で魔法の発動が許されるはずがない。
最後に抵抗する力は自分の肉体の力しかないと。
だから、俺は魔法の力を鍛えるのをやめて、自らの肉体をずっと鍛えている。
最後の最後の力を蓄えるために。
そんな今の俺にとっては、この弱い攻撃特性は意味を成さなくなっている。
前にミーティアにもらった山査子
これをシクに手渡せばより強い効果が得られる。
その効果は物理攻撃力のみを格段に向上させる。
火喰い鳥のナイフについた効果を除くことも考えた。
この島にいるある種の術者には一度ついた特性をかき消す力があるらしい。
実はシクもその力を有する一人だ。
いずれシクなら一度ついたこの特性をかき消してくれるだろう。
だが・・・それでもまだ足りないのだ。
後からつける特性だけではなく、それぞれの武器には元々何かの特性が秘められている。
火喰い鳥のナイフには元々弱い防御効果がついていた。
その効果は何度も重ねた強化によって、今は俺の体を癒す特性になっている。
その効果は弱い効果であっても便利な物だ。
だが、その結果として、次にこのナイフを強化するのが難しくなってしまった。
武器に元々ついている特性は強化をするたびに変化していく。
あまりにも便利な特性をつけてしまったために、これの強化が難しくなってしまったのだ。
今となっては火喰い鳥のナイフを強化する手段を俺は思いつかず、
俺は新しい武器への紅瑪瑙石の移植を考え始めた。
だが、華煉の了解なくできることではない。
ずっと里を出てからこのナイフに宿ってきた華煉
移植がどういう影響をもたらすのか俺にはわからない。
それにこの島にいることで華煉には負担をかけている。
いまここでそんなことをしてはまずいのではないか?
最近考えていたことを華煉に話した。
そして島にいることで負担をかけているという話をしたとたん
ばっちーーん!!
「いてっ!」
「まだ、そんなくだらないことで悩んでるの?あきれた・・・」
昨日に続いてまた華煉にびんたされた。
殴られて言葉に詰まった俺。
そんな俺を見て華煉はあっさりとこういった。
「いいんじゃない?」
◆ ◆ ◆
マナがまだうだうだと悩んでいたのには驚いた。
これって優しいんじゃなくて弱いんじゃないの?
自分で道を選んだ以上、そのデメリットも丸ごと抱え込むぐらいの度量がなくっちゃダメよね。
どんな選択をしても、何かしらの問題が発生する今の状況
島に残っても、島に残らなくても、それなりに問題が起こる。
島に残ることは華煉にとって負担 それはマナにとって精神的な負担となる。
だが、島を出ることはマナが苦しむこと それは華煉にとって精神的な負担となる。
どちらを選択しても問題が残るということは、・・実のところどちらを選んでも大差がない。
この島は特異な結界内になる。
この中にいる間にマナの肉体が狙われるような危険が発生するとは限らない。
むしろ島を出ることで、マナが華煉との関係に不自由さを感じたり、疎ましく感じるようになったら、そのほうが華煉にとってのデメリットは大きい。
今のマナは華煉に負担をかけているという罪悪感を感じていて、華煉に配慮してくれている。
この関係のほうが華煉にとっては力を発揮しやすい関係といえる。
島を出たところで危険がなくなるわけではない。
それなら、力を振るいやすい関係を維持することも悪くない。
どちらが良いのかは何年か後に振り返った時に決まる。
だから・・・・マナが島に残るという選択をしても華煉は何も言わなかった。
今、華煉がマナに望むこと。
それは自らの選択の結果発生するメリットもデメリットもすべてを抱え込んでくれること。
それだけを願っている。
それなのに・・・
「まだ、そんなくだらないことで悩んでるの?あきれた・・・」
心底あきれた。
これではだめだ。
これでは島を出るのと同様重荷になっている。
もう少し何か考えないとダメね。
そんなことを考えながら
「いいんじゃない」
とあっさり答えた。
火喰い鳥のナイフ
火喰い鳥の里で作られたこのナイフに特殊な効果がないわけじゃない。
華煉の媒体だった紅瑪瑙石を安定させる技術が並みではないのだ。
精霊の力の媒体である紅瑪瑙石
それが戦闘中にナイフから零れ落ちては大変なことになる。
ことその点に対しては火喰い鳥の里の武器職人達は最高水準の域に達している。
だから、別の剣に移植されることに不安がないといったら嘘になる。
少し前なら嫌がったかもしれない。
だが・・・今となっては紅瑪瑙石は何の媒体にもなっていない。
華煉の力の媒体となっているのはマナの肉体そのものだ。
むしろ弱い武器で体を害されるよりは、強い武器に持ち替えてもらう方がいい。
紅瑪瑙石の移植すら現時点では不要だ。
この島を出た時に華煉はマナの肉体ではない新たな媒体を探すだろう。
もちろんそのときに火喰い鳥のナイフがあれば紅瑪瑙石を媒体にしてもいい。
だが、一度媒体でなくなった以上、なんでもいいのだ。
石に限らない。
実は火喰い鳥のナイフであっても構わない。
華煉の媒体として紅瑪瑙石を選んだのは火喰い鳥の里の高僧だが、あまり意味はない。
あえて言うならナイフは壊れる危険があるが、宝石は誰の手に渡ったとしても大事にされやすい。
ただそれだけだ。
それが通例となり、石を守る鍛冶技術が発達したから、今となっては石以外を媒体に選ぶことがなくなっただけで・・・
そんな話をマナにしたらマナは頭を抱えてしまった。
すでに紅瑪瑙石を移す座を掘り込んだ剣をベアに頼んでしまったという。
「いいじゃない。飾りとして綺麗だし。移植すれば?
それとマナ。私からも提案があるんだけど・・・」
首をかしげるマナに私はこう提案した。
「火喰い鳥のナイフに、その吹き矢を合成してくれないかしら?」
と。
◆ ◆ ◆
驚いた。
華煉がこの吹き矢を嫌っていたのを俺は知っている。
凍結の吹き矢
絶対に華煉のさわれない武器。
華煉がこれをさわらずに砕きたいと思っていたことに俺はうすうす気づいていた。
「なぜ?」
「今の私の媒体はマナの身体。だから、マナの身体にその凍結の吹き矢が触れることすら苦痛なの。
その吹き矢を処分して欲しい。
火喰い鳥のナイフとあわせても構わない。
あれは今は私と遠い物だし。
火喰い鳥のナイフと混ぜるなら凍結の効果も消えるでしょう?」
確かに消える・・・・
そしておそらく残る効果は 命中を少しあげる力と・・・・・・・・治癒?
悪い話ではない。
だが火喰い鳥のナイフとこれ?
「いいのか?凍結が苦手なんだろう?この吹き矢を捨ててもいいんだぞ。」
吹き矢は新しく作ればいいのだ。
それもベアの吹き矢作りの腕が上がった頃に。
だが・・・・
「それはダメ」
◆ ◆ ◆
それは出来ない。
この吹き矢はマナが練習に使い、そしてこの前も練習試合で一度使っている。
この吹き矢にはマナの力の残滓が残っている。
これを捨てて・・・・そしてそれを何者かが利用したら?
マナの力の残滓は華煉の結界に対する穴になる。
結界に空いた穴はマナを危険に晒す。
マナの使った道具は奪われてはいけないのだ。
今までにマナの使った物はすべて華煉が処分してきた。
だが、あの吹き矢だけはダメなのだ。
疎ましい凍結の力・・・
こうしている間にもあの身につけている吹き矢にどんどんマナの力の残滓が蓄積されている。
そしてマナには伝えていないが・・・・・・・・華煉はあの凍結の吹き矢で害されている。
これ以上看過できない。
「・・・・あの吹き矢を私が処分しやすくするために、火喰い鳥のナイフと合成して」
火喰い鳥のナイフと合成さえすればいつでも処分できる。
新しいあの家に収納しておいても構わない。
火喰い鳥のナイフを処分することを考えると少しつらい。
使われなくなるのと処分するのは全然違う。
出来ることならそんな日が来ないことを祈りつつ
・・・・もう二度とマナには作らせない。
あの青い宝石で武器は作らせない。
華煉は青い宝石が嫌いになりそうだった。
(読み返したらグダグダだったので書きなおしました)
たいした広さじゃないが、荷物を置くのには十分だ。
華煉も喜んでいる。
固定の場所が決まると結界を強化しやすいらしい。
どうやら日々俺の隠れ家に行っているようだ。
俺は昨日のことを思い出した。
華煉に殴られて、闘技大会の相手にとんでもない伝言を頼まれかけて・・・俺は今までの悩みを一瞬忘れていた。
これも華煉の気遣いだったのかもしれない。
そんな華煉に俺は聞きたくて聞けないことがあった。
「なぁ、華煉」
「何?」
俺は思い切って聞いてみた。
「火喰い鳥のナイフを手放して新しい剣に紅瑪瑙石を移植したいんだが・・」
華煉は驚いた顔をしていた。
だが、俺はまじめにそう考えていた。
ずっと里を出るときから持っていたナイフ
今もこのナイフを強くする手段を俺は持っていないわけではない。
この島に来てからも何度となく強化してきた。
だが、ここに来て俺はもっともっと強い武器を欲していた。
みんなを守るため
そして俺自身が強くなるため
そのためには強い特性を有する武器が必要なのだ。
シクの持っている技術は様々な武防具に新しい特性をつけることが出来る。
俺はこの島に来て七日目にシクに頼んでこのナイフに新しい特性をつけた。
俺が火喰い鳥のナイフに選んだのは攻撃力を高める特性
長く使うこの武器にぴったりだと思ったからだ。
物理攻撃力も魔法攻撃力も上がるこの特性。
魔法技も憶える俺にぴったりだと。
だが・・・・それでも今となっては弱い。
今の俺の力は物理攻撃力に偏っている。
華煉の助言もあった。
魔法を媒体としやすい火喰い鳥の民であっても魔法を生み出す力は強くない。
以前のような化け物に襲われた時・・・魑魅魍魎の結界に引きずり込まれたとき
結界内で魔法の発動が許されるはずがない。
最後に抵抗する力は自分の肉体の力しかないと。
だから、俺は魔法の力を鍛えるのをやめて、自らの肉体をずっと鍛えている。
最後の最後の力を蓄えるために。
そんな今の俺にとっては、この弱い攻撃特性は意味を成さなくなっている。
前にミーティアにもらった山査子
これをシクに手渡せばより強い効果が得られる。
その効果は物理攻撃力のみを格段に向上させる。
火喰い鳥のナイフについた効果を除くことも考えた。
この島にいるある種の術者には一度ついた特性をかき消す力があるらしい。
実はシクもその力を有する一人だ。
いずれシクなら一度ついたこの特性をかき消してくれるだろう。
だが・・・それでもまだ足りないのだ。
後からつける特性だけではなく、それぞれの武器には元々何かの特性が秘められている。
火喰い鳥のナイフには元々弱い防御効果がついていた。
その効果は何度も重ねた強化によって、今は俺の体を癒す特性になっている。
その効果は弱い効果であっても便利な物だ。
だが、その結果として、次にこのナイフを強化するのが難しくなってしまった。
武器に元々ついている特性は強化をするたびに変化していく。
あまりにも便利な特性をつけてしまったために、これの強化が難しくなってしまったのだ。
今となっては火喰い鳥のナイフを強化する手段を俺は思いつかず、
俺は新しい武器への紅瑪瑙石の移植を考え始めた。
だが、華煉の了解なくできることではない。
ずっと里を出てからこのナイフに宿ってきた華煉
移植がどういう影響をもたらすのか俺にはわからない。
それにこの島にいることで華煉には負担をかけている。
いまここでそんなことをしてはまずいのではないか?
最近考えていたことを華煉に話した。
そして島にいることで負担をかけているという話をしたとたん
ばっちーーん!!
「いてっ!」
「まだ、そんなくだらないことで悩んでるの?あきれた・・・」
昨日に続いてまた華煉にびんたされた。
殴られて言葉に詰まった俺。
そんな俺を見て華煉はあっさりとこういった。
「いいんじゃない?」
◆ ◆ ◆
マナがまだうだうだと悩んでいたのには驚いた。
これって優しいんじゃなくて弱いんじゃないの?
自分で道を選んだ以上、そのデメリットも丸ごと抱え込むぐらいの度量がなくっちゃダメよね。
どんな選択をしても、何かしらの問題が発生する今の状況
島に残っても、島に残らなくても、それなりに問題が起こる。
島に残ることは華煉にとって負担 それはマナにとって精神的な負担となる。
だが、島を出ることはマナが苦しむこと それは華煉にとって精神的な負担となる。
どちらを選択しても問題が残るということは、・・実のところどちらを選んでも大差がない。
この島は特異な結界内になる。
この中にいる間にマナの肉体が狙われるような危険が発生するとは限らない。
むしろ島を出ることで、マナが華煉との関係に不自由さを感じたり、疎ましく感じるようになったら、そのほうが華煉にとってのデメリットは大きい。
今のマナは華煉に負担をかけているという罪悪感を感じていて、華煉に配慮してくれている。
この関係のほうが華煉にとっては力を発揮しやすい関係といえる。
島を出たところで危険がなくなるわけではない。
それなら、力を振るいやすい関係を維持することも悪くない。
どちらが良いのかは何年か後に振り返った時に決まる。
だから・・・・マナが島に残るという選択をしても華煉は何も言わなかった。
今、華煉がマナに望むこと。
それは自らの選択の結果発生するメリットもデメリットもすべてを抱え込んでくれること。
それだけを願っている。
それなのに・・・
「まだ、そんなくだらないことで悩んでるの?あきれた・・・」
心底あきれた。
これではだめだ。
これでは島を出るのと同様重荷になっている。
もう少し何か考えないとダメね。
そんなことを考えながら
「いいんじゃない」
とあっさり答えた。
火喰い鳥のナイフ
火喰い鳥の里で作られたこのナイフに特殊な効果がないわけじゃない。
華煉の媒体だった紅瑪瑙石を安定させる技術が並みではないのだ。
精霊の力の媒体である紅瑪瑙石
それが戦闘中にナイフから零れ落ちては大変なことになる。
ことその点に対しては火喰い鳥の里の武器職人達は最高水準の域に達している。
だから、別の剣に移植されることに不安がないといったら嘘になる。
少し前なら嫌がったかもしれない。
だが・・・今となっては紅瑪瑙石は何の媒体にもなっていない。
華煉の力の媒体となっているのはマナの肉体そのものだ。
むしろ弱い武器で体を害されるよりは、強い武器に持ち替えてもらう方がいい。
紅瑪瑙石の移植すら現時点では不要だ。
この島を出た時に華煉はマナの肉体ではない新たな媒体を探すだろう。
もちろんそのときに火喰い鳥のナイフがあれば紅瑪瑙石を媒体にしてもいい。
だが、一度媒体でなくなった以上、なんでもいいのだ。
石に限らない。
実は火喰い鳥のナイフであっても構わない。
華煉の媒体として紅瑪瑙石を選んだのは火喰い鳥の里の高僧だが、あまり意味はない。
あえて言うならナイフは壊れる危険があるが、宝石は誰の手に渡ったとしても大事にされやすい。
ただそれだけだ。
それが通例となり、石を守る鍛冶技術が発達したから、今となっては石以外を媒体に選ぶことがなくなっただけで・・・
そんな話をマナにしたらマナは頭を抱えてしまった。
すでに紅瑪瑙石を移す座を掘り込んだ剣をベアに頼んでしまったという。
「いいじゃない。飾りとして綺麗だし。移植すれば?
それとマナ。私からも提案があるんだけど・・・」
首をかしげるマナに私はこう提案した。
「火喰い鳥のナイフに、その吹き矢を合成してくれないかしら?」
と。
◆ ◆ ◆
驚いた。
華煉がこの吹き矢を嫌っていたのを俺は知っている。
凍結の吹き矢
絶対に華煉のさわれない武器。
華煉がこれをさわらずに砕きたいと思っていたことに俺はうすうす気づいていた。
「なぜ?」
「今の私の媒体はマナの身体。だから、マナの身体にその凍結の吹き矢が触れることすら苦痛なの。
その吹き矢を処分して欲しい。
火喰い鳥のナイフとあわせても構わない。
あれは今は私と遠い物だし。
火喰い鳥のナイフと混ぜるなら凍結の効果も消えるでしょう?」
確かに消える・・・・
そしておそらく残る効果は 命中を少しあげる力と・・・・・・・・治癒?
悪い話ではない。
だが火喰い鳥のナイフとこれ?
「いいのか?凍結が苦手なんだろう?この吹き矢を捨ててもいいんだぞ。」
吹き矢は新しく作ればいいのだ。
それもベアの吹き矢作りの腕が上がった頃に。
だが・・・・
「それはダメ」
◆ ◆ ◆
それは出来ない。
この吹き矢はマナが練習に使い、そしてこの前も練習試合で一度使っている。
この吹き矢にはマナの力の残滓が残っている。
これを捨てて・・・・そしてそれを何者かが利用したら?
マナの力の残滓は華煉の結界に対する穴になる。
結界に空いた穴はマナを危険に晒す。
マナの使った道具は奪われてはいけないのだ。
今までにマナの使った物はすべて華煉が処分してきた。
だが、あの吹き矢だけはダメなのだ。
疎ましい凍結の力・・・
こうしている間にもあの身につけている吹き矢にどんどんマナの力の残滓が蓄積されている。
そしてマナには伝えていないが・・・・・・・・華煉はあの凍結の吹き矢で害されている。
これ以上看過できない。
「・・・・あの吹き矢を私が処分しやすくするために、火喰い鳥のナイフと合成して」
火喰い鳥のナイフと合成さえすればいつでも処分できる。
新しいあの家に収納しておいても構わない。
火喰い鳥のナイフを処分することを考えると少しつらい。
使われなくなるのと処分するのは全然違う。
出来ることならそんな日が来ないことを祈りつつ
・・・・もう二度とマナには作らせない。
あの青い宝石で武器は作らせない。
華煉は青い宝石が嫌いになりそうだった。
(読み返したらグダグダだったので書きなおしました)
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