NEW ENTRY
[PR]
27日目の日記
文書を書くのが好きなんです・・・下手だけど コミュイベント
冬の夜長に文章を読もう
「初雪」
枯れた大地
茶色くなった草木に霜が降りる。
吐く息も白く、肌が切れそうなぐらい研ぎ澄まされた冷たい冬の朝。
ぎゅっ・・・ぎゅっ・・・
霜を踏みしめる音。
凍てつく大地に一人立つ男はふと何かに気づいたように天を仰ぐ。
空から舞い落ちる一片の雪
この冬最初の雪が降る。
てのひらで雪をそっと受け止めると男は微笑む。
彼はいつも自然体。
美しい物を美しいと誉めたたえ、
うれしいときには素直に喜ぶ。
決して感情を持たない人間ではない。
また、力に溺れる尊大な人間でもない。
だからこそ、彼の行いに人は恐怖する。
あまりにも自然に、あまりにも当然のように、
決して傲慢ではなく、決して相手を見下すことなく、
彼はただ楽しんで、「こと」をなす。
雪が降る。冷たい大地にはらはらと雪が降る。
彼はふと遠くを見る。
何を考えているのか。
国を腐敗させた僧職者たちをこの静かで清冽な雪と見比べて思いをはせているのか
それとも遠い国に残した妻子のことを考えているのか・・・・
妻子と共に雪を見た。
あれはもう何年前のことだろうか・・・・
彼の隊の者は知っている。
彼の荷物の中には妻子の写真。
彼が持ってきたわけではない。
妻がいたずら心で荷物に忍び込ませた。
彼はそれを見つけたとき微笑んだ。ごく自然に。
仲間たちに見られないように隠すようなことはしない。
写真を見て彼をからかう者などいない。
彼はごく自然に荷物にしまい、その写真を持ち歩いている。
家族を愛する気持ちを彼は持っている。
そう・・・豊かな感情を持ちながら、彼はいつも「こと」を仕掛ける
遠くを見つめる目。
しかし、それもほんの一瞬のこと。
聞こえるではないか。
霜を踏みしめる音が。
彼の隊のものではない。
彼の隊のものであれば霜を踏みしめる音を立てるようなことはしない。
あぁ・・・・闇が・・・・闇が微笑む。
先ほどから目に入っていたはずだ。
あまりにも自然にその男はそこに立っていたから。
遠くのほうからでもよく見えていた。
真っ白い世界に一人立つ黒い男。
そう・・・・見えていたし、目にも入っていた。
だが、あまりにも・・あまりにも自然で危険だと感じなかったのに。
闇が彼のほうを見る。
なぜ気がつかなかったのか。
これほど危険な男がそこにいることに。
目を合わせるまで気がつかなかった。あまりにも自然で。
目を合わせた時にはすでに遅かった。危険はすぐそばに。
もう遅い。
危険は彼だけではない。
見えなくても気配を感じる。
そこにいる。
彼の部隊の者に完全に囲まれている。
もう、何も出来ない。戦うこと以外は・・・
枯れた草木、降りる霜、舞い散る雪
白い白い世界に一人立つ闇
無防備な冒険者たちの前に翼を広げる一羽の鴉
闇が・・・うれしそうに微笑む。
「さぁ、ゲームをはじめようか。」
白い白い世界にひとときの喧騒
やがて訪れる静謐な時
白い白い世界
霜が降り、雪が降る
白い白い世界に・・・・・・・・ただひとすじ・・・・紅
ENo.212 ユーグ・F・アイヒベルガー様 お借りしました。ありがとうございました。
「あっ・・・」
華煉が小さく声をあげる。
「どうした?」
「ううん・・・・なんでもない」
華煉はまだ様子がおかしいようだ。
あぁ・・・・消える。消えてしまう。
ううん、かすかに残る・・・残っている・・・・・・残滓
彼の意思
彼の心
あぁ・・・・彼女が継ぐのね。
華煉はそっとマナに見えないように涙を拭いた。
涙を流すのはこれっきり。
彼女は本来の姿に戻っただけ。
だけど・・・
華煉は腕輪にそっと触れる。
いつか・・・・自分も今のままでいられなくなるかもしれない。
少しずつ進む堕精。
そのときに華煉のことを憶えていてくれる人はいるだろうか。
華煉の意思を継ぐ者は?
自分が消えることへの恐怖
彼はどうやって乗り越えたの?
強い人。
優しい人。
そして哀しい人
だから、私は忘れない。
私がこうしてある限り・・・・・・・・。
冬の夜長に文章を読もう
「初雪」
枯れた大地
茶色くなった草木に霜が降りる。
吐く息も白く、肌が切れそうなぐらい研ぎ澄まされた冷たい冬の朝。
ぎゅっ・・・ぎゅっ・・・
霜を踏みしめる音。
凍てつく大地に一人立つ男はふと何かに気づいたように天を仰ぐ。
空から舞い落ちる一片の雪
この冬最初の雪が降る。
てのひらで雪をそっと受け止めると男は微笑む。
彼はいつも自然体。
美しい物を美しいと誉めたたえ、
うれしいときには素直に喜ぶ。
決して感情を持たない人間ではない。
また、力に溺れる尊大な人間でもない。
だからこそ、彼の行いに人は恐怖する。
あまりにも自然に、あまりにも当然のように、
決して傲慢ではなく、決して相手を見下すことなく、
彼はただ楽しんで、「こと」をなす。
雪が降る。冷たい大地にはらはらと雪が降る。
彼はふと遠くを見る。
何を考えているのか。
国を腐敗させた僧職者たちをこの静かで清冽な雪と見比べて思いをはせているのか
それとも遠い国に残した妻子のことを考えているのか・・・・
妻子と共に雪を見た。
あれはもう何年前のことだろうか・・・・
彼の隊の者は知っている。
彼の荷物の中には妻子の写真。
彼が持ってきたわけではない。
妻がいたずら心で荷物に忍び込ませた。
彼はそれを見つけたとき微笑んだ。ごく自然に。
仲間たちに見られないように隠すようなことはしない。
写真を見て彼をからかう者などいない。
彼はごく自然に荷物にしまい、その写真を持ち歩いている。
家族を愛する気持ちを彼は持っている。
そう・・・豊かな感情を持ちながら、彼はいつも「こと」を仕掛ける
遠くを見つめる目。
しかし、それもほんの一瞬のこと。
聞こえるではないか。
霜を踏みしめる音が。
彼の隊のものではない。
彼の隊のものであれば霜を踏みしめる音を立てるようなことはしない。
あぁ・・・・闇が・・・・闇が微笑む。
先ほどから目に入っていたはずだ。
あまりにも自然にその男はそこに立っていたから。
遠くのほうからでもよく見えていた。
真っ白い世界に一人立つ黒い男。
そう・・・・見えていたし、目にも入っていた。
だが、あまりにも・・あまりにも自然で危険だと感じなかったのに。
闇が彼のほうを見る。
なぜ気がつかなかったのか。
これほど危険な男がそこにいることに。
目を合わせるまで気がつかなかった。あまりにも自然で。
目を合わせた時にはすでに遅かった。危険はすぐそばに。
もう遅い。
危険は彼だけではない。
見えなくても気配を感じる。
そこにいる。
彼の部隊の者に完全に囲まれている。
もう、何も出来ない。戦うこと以外は・・・
枯れた草木、降りる霜、舞い散る雪
白い白い世界に一人立つ闇
無防備な冒険者たちの前に翼を広げる一羽の鴉
闇が・・・うれしそうに微笑む。
「さぁ、ゲームをはじめようか。」
白い白い世界にひとときの喧騒
やがて訪れる静謐な時
白い白い世界
霜が降り、雪が降る
白い白い世界に・・・・・・・・ただひとすじ・・・・紅
ENo.212 ユーグ・F・アイヒベルガー様 お借りしました。ありがとうございました。
「あっ・・・」
華煉が小さく声をあげる。
「どうした?」
「ううん・・・・なんでもない」
華煉はまだ様子がおかしいようだ。
あぁ・・・・消える。消えてしまう。
ううん、かすかに残る・・・残っている・・・・・・残滓
彼の意思
彼の心
あぁ・・・・彼女が継ぐのね。
華煉はそっとマナに見えないように涙を拭いた。
涙を流すのはこれっきり。
彼女は本来の姿に戻っただけ。
だけど・・・
華煉は腕輪にそっと触れる。
いつか・・・・自分も今のままでいられなくなるかもしれない。
少しずつ進む堕精。
そのときに華煉のことを憶えていてくれる人はいるだろうか。
華煉の意思を継ぐ者は?
自分が消えることへの恐怖
彼はどうやって乗り越えたの?
強い人。
優しい人。
そして哀しい人
だから、私は忘れない。
私がこうしてある限り・・・・・・・・。
PR
- トラックバックURLはこちら