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4th day
「練習試合は惜しかったな」
「ウッキー」
ベアとトーキチローの言うとおり、練習試合は僅差で敗北した。
だが、彼ら相手にあれだけ出来れば良いほうだ。
むしろ問題はそのあとだ。
練習試合のあと息を整えてエーテル状の霧が晴れるのを待つ。
予想通り目の前には歩行雑草の大集団がいた。
『モッサァァァァァァァッ!!』
正直言って、おれはこのグロテスクな雑草は嫌いだ。
だが、まだこの遺跡の中で火の力を存分に振るうことが出来ない。
焼き払うことが出来ない以上、なぎ払うしかあるまい。
「俺にそんなに料理されたいのか?」
そういうと俺たち3人に向かってきた雑草に対峙する。
やつらはトーキチローに魅了されているようだが、
・・・・なぜか気持ちの悪い雑草が俺のほうにも擦り寄ってくる。
俺の名に潜む魅了の力は遺跡に入る前に厳重に封印したはずだ。
こんな雑草にこんなに擦り寄られる憶えはない。
まとわりついて来る雑草を払いのけている隙にマジックミサイルやストレートパンチを何発か食らってしまった。
最後の気力を振り絞ったが道連れに出来たのは2体まで。
あとの1体は死にそうになりながらもまだ立っている。
「あとを頼む」
それだけ言い残すので精一杯で、俺は戦闘から離脱した。
霧に包まれた空間を俺は漂っていた。
倒れる前にとっさに遺跡の陰に隠れたのも憶えている。
周りでいくつか戦闘が行われたようだが、もうそれも終盤で、雑草はほとんど倒されていたのを憶えている。
少しぐらい意識を失っても大丈夫だと心のどこかで安堵したのかもしれない。
そんなとき俺は必ず俺の内なる世界に引きずり込まれる。
今回もまたここにきてしまったようだ。
いつも霧がかかり、周りはよく見渡せない。少し進んだ先に・・・・あいつがいる。
「よぉ」
俺はあいつに声をかけた。
焔のような赤い髪、燃えるような目をした・・・・あいつがそこにいた。
『だらしないわね。不甲斐ないといったほうがいいかしら?』
相変わらず容赦のない声に俺は苦笑するしかなかった。
だらしないのも事実。
不甲斐ないのもまた事実。
「手厳しいな。だが、久々の戦闘だし許してくれよ。これでも一体はとどめを刺したんだぜ。」
『見ていたからわかっているわよ。歩行雑草Bという奴ね。あれは確かに貴方がとどめをさしていたわ。でも、その歩行雑草Bの最後のマジックミサイルでやられたのは誉められたものではないわね』
「まったくだ。道連れにしたと言うより、道連れにされたというほうが正しいな。」
『仕方ないわね。私もまだ十分に貴方を守る力を発揮できないのだから。
ねぇ、マナ。いつか私も貴方の力になれるかしら?貴方をかばったウォルフのように・・・』
ウォルフか・・・。
確かにウォルフは良い友だった。俺とともに旅した最高の仲間の狼。
思い出すだけでもまだ心が痛む。
だが・・・
「お前以上に俺を守ってくれるものなどいないさ。華煉」
そういって華煉の手にそっと口づける。
髪にそっと口づける。
そして・・・
そして俺は気がついた。
手に握っていた剣は少し熱を帯びていたが、刃こぼれ一つしていないようだ。
一通り確かめて、そっと鞘に戻す。
ちょうどベアとトーキチローが最後に残った敵を倒したところだった。
落ち着いたところで、遺跡内を探索しながら、ベアとトーキチローと今日の戦闘を振り返った。
二人とも俺を気遣ってか、前述の通り、雑草戦の話を避けて練習試合の話をしてくれる。
だが、雑草戦も振り返らないわけにはいくまい。
「すまなかったな。二人とも。次回はもう少し前で立っていられるように頑張るよ。」
そして、俺が次回の戦闘へと思いを馳せたとき、霧の晴れたその場所でようやく舞華たちと合流した。
「みんな、無事みたいやねぇ」
どうやら全員無事。
俺以外は体力もまだまだありそうだ。
俺は少し恥じ入った。まだまだ力が足りないようだ。
「マナ、料理作ってくれないか?」
「あ、私もお願いしてもいいかな。」
戦闘で気落ちしている俺を気遣ったのかベアとハーカが料理をお願いしてきた。
「任せとけ。こんな遺跡の中だが、そこそこの物を作ってやるよ」
翼の先からそっと焔を導き出すと俺は早速料理に取り掛かった。
隣のほうではどうやらトーキチローが怪しげな料理を作っている。
いや、パンくずを混ぜて、どうしようもない物体を作っていたようだ。
シクが心配そうに眺めていると、なにやらパウダーを取り出してまともな料理を始めたらしい。
料理が終わる頃には周りをまたエーテル状の物体が包みはじめている。
「舞華、次はどっちに移動するんだ?」
ベアとハーカに料理を手渡し、舞華に声をかけた。
「ん~~近くに魔法陣があるみたいね。そこを経由でいっちゃいま~す☆」
西へ移動して魔法陣を踏んだら北に移動壁が見えてきたらひたすら西へ移動。
行き先を確認するのを確かめるかのように、霧がどんどん濃くなっていく。
「また、向こうで落ち合おう。合言葉を忘れるなよ」
このエーテル状の霧の中では翼を出して飛ぶ方が移動しやすいようだ。
俺は翼を広げ西へ飛び立った。
しばらくして、自分の体に異変が起こる。
こんなことは元服のとき以来だ。
自分の体に何かが刻み込まれる感じがする。だが、刺青が増えているわけでもない。
心と体に何かが刻み込まれる。その場所の位置が記憶される。
『これが次の魔法陣』
俺は風の力を感じた。
魔法陣 風の流れ
新たな力が俺に刻み込まれた。
予定通りに霧の中を抜けて、またこの前のように合言葉を頭なのかで強く念じる。
『XXXXXXXXXXXXXXX』
ベアの位置、トーキチローの位置がわかる。
俺は二人のところへと合流した。
だが、二人とも落ち着きがない。
「何かあったのか?」
この場所、なぜかえたいが知れない。
練習をするにも回りに誰もいない。ヒトと蟲の気配は強く感じるのに、誰も見えない。
俺は意識を集中して気配を辿った。
舞華・・・いる。どこかわからないが同じエリアに。
一夜・・・・いる。
ハーカ・・・・いる。
白虎隊は全員いる。だが、近くにはいない。
シク・・・いる。
シヴェル・ルイ・・・いる。
ミーティア・・・・・・・・
「ミーティアの気配がない?まさか!」
魔法陣を体に刻み込んだおかげで離れていても魔法陣周辺の気配は感じ取ることが出来る。
先ほどまでいた場所は魔法陣の少し東のエリアのはず。そこに・・。
「あの、猫娘・・・・」
ベアとトーキチローの落ち着きがなかった意味を俺も理解した。
人が多くいるはずのエリアで俺たちは孤立。しかも複合PTメンバーは1人が欠けている。
「今日も苦しい戦いになりそうだな。」
俺はため息をついた。
風月隊はシヴェルがいれば数で有利になれる。きっと二人でも勝てるだろう。
「ミーティア、追いついて来いよ。」
霧が晴れる。今日も戦闘が始まろうとしていた。
「ウッキー」
ベアとトーキチローの言うとおり、練習試合は僅差で敗北した。
だが、彼ら相手にあれだけ出来れば良いほうだ。
むしろ問題はそのあとだ。
練習試合のあと息を整えてエーテル状の霧が晴れるのを待つ。
予想通り目の前には歩行雑草の大集団がいた。
『モッサァァァァァァァッ!!』
正直言って、おれはこのグロテスクな雑草は嫌いだ。
だが、まだこの遺跡の中で火の力を存分に振るうことが出来ない。
焼き払うことが出来ない以上、なぎ払うしかあるまい。
「俺にそんなに料理されたいのか?」
そういうと俺たち3人に向かってきた雑草に対峙する。
やつらはトーキチローに魅了されているようだが、
・・・・なぜか気持ちの悪い雑草が俺のほうにも擦り寄ってくる。
俺の名に潜む魅了の力は遺跡に入る前に厳重に封印したはずだ。
こんな雑草にこんなに擦り寄られる憶えはない。
まとわりついて来る雑草を払いのけている隙にマジックミサイルやストレートパンチを何発か食らってしまった。
最後の気力を振り絞ったが道連れに出来たのは2体まで。
あとの1体は死にそうになりながらもまだ立っている。
「あとを頼む」
それだけ言い残すので精一杯で、俺は戦闘から離脱した。
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霧に包まれた空間を俺は漂っていた。
倒れる前にとっさに遺跡の陰に隠れたのも憶えている。
周りでいくつか戦闘が行われたようだが、もうそれも終盤で、雑草はほとんど倒されていたのを憶えている。
少しぐらい意識を失っても大丈夫だと心のどこかで安堵したのかもしれない。
そんなとき俺は必ず俺の内なる世界に引きずり込まれる。
今回もまたここにきてしまったようだ。
いつも霧がかかり、周りはよく見渡せない。少し進んだ先に・・・・あいつがいる。
「よぉ」
俺はあいつに声をかけた。
焔のような赤い髪、燃えるような目をした・・・・あいつがそこにいた。
『だらしないわね。不甲斐ないといったほうがいいかしら?』
相変わらず容赦のない声に俺は苦笑するしかなかった。
だらしないのも事実。
不甲斐ないのもまた事実。
「手厳しいな。だが、久々の戦闘だし許してくれよ。これでも一体はとどめを刺したんだぜ。」
『見ていたからわかっているわよ。歩行雑草Bという奴ね。あれは確かに貴方がとどめをさしていたわ。でも、その歩行雑草Bの最後のマジックミサイルでやられたのは誉められたものではないわね』
「まったくだ。道連れにしたと言うより、道連れにされたというほうが正しいな。」
『仕方ないわね。私もまだ十分に貴方を守る力を発揮できないのだから。
ねぇ、マナ。いつか私も貴方の力になれるかしら?貴方をかばったウォルフのように・・・』
ウォルフか・・・。
確かにウォルフは良い友だった。俺とともに旅した最高の仲間の狼。
思い出すだけでもまだ心が痛む。
だが・・・
「お前以上に俺を守ってくれるものなどいないさ。華煉」
そういって華煉の手にそっと口づける。
髪にそっと口づける。
そして・・・
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そして俺は気がついた。
手に握っていた剣は少し熱を帯びていたが、刃こぼれ一つしていないようだ。
一通り確かめて、そっと鞘に戻す。
ちょうどベアとトーキチローが最後に残った敵を倒したところだった。
落ち着いたところで、遺跡内を探索しながら、ベアとトーキチローと今日の戦闘を振り返った。
二人とも俺を気遣ってか、前述の通り、雑草戦の話を避けて練習試合の話をしてくれる。
だが、雑草戦も振り返らないわけにはいくまい。
「すまなかったな。二人とも。次回はもう少し前で立っていられるように頑張るよ。」
そして、俺が次回の戦闘へと思いを馳せたとき、霧の晴れたその場所でようやく舞華たちと合流した。
「みんな、無事みたいやねぇ」
どうやら全員無事。
俺以外は体力もまだまだありそうだ。
俺は少し恥じ入った。まだまだ力が足りないようだ。
「マナ、料理作ってくれないか?」
「あ、私もお願いしてもいいかな。」
戦闘で気落ちしている俺を気遣ったのかベアとハーカが料理をお願いしてきた。
「任せとけ。こんな遺跡の中だが、そこそこの物を作ってやるよ」
翼の先からそっと焔を導き出すと俺は早速料理に取り掛かった。
隣のほうではどうやらトーキチローが怪しげな料理を作っている。
いや、パンくずを混ぜて、どうしようもない物体を作っていたようだ。
シクが心配そうに眺めていると、なにやらパウダーを取り出してまともな料理を始めたらしい。
料理が終わる頃には周りをまたエーテル状の物体が包みはじめている。
「舞華、次はどっちに移動するんだ?」
ベアとハーカに料理を手渡し、舞華に声をかけた。
「ん~~近くに魔法陣があるみたいね。そこを経由でいっちゃいま~す☆」
西へ移動して魔法陣を踏んだら北に移動壁が見えてきたらひたすら西へ移動。
行き先を確認するのを確かめるかのように、霧がどんどん濃くなっていく。
「また、向こうで落ち合おう。合言葉を忘れるなよ」
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このエーテル状の霧の中では翼を出して飛ぶ方が移動しやすいようだ。
俺は翼を広げ西へ飛び立った。
しばらくして、自分の体に異変が起こる。
こんなことは元服のとき以来だ。
自分の体に何かが刻み込まれる感じがする。だが、刺青が増えているわけでもない。
心と体に何かが刻み込まれる。その場所の位置が記憶される。
『これが次の魔法陣』
俺は風の力を感じた。
魔法陣 風の流れ
新たな力が俺に刻み込まれた。
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
予定通りに霧の中を抜けて、またこの前のように合言葉を頭なのかで強く念じる。
『XXXXXXXXXXXXXXX』
ベアの位置、トーキチローの位置がわかる。
俺は二人のところへと合流した。
だが、二人とも落ち着きがない。
「何かあったのか?」
この場所、なぜかえたいが知れない。
練習をするにも回りに誰もいない。ヒトと蟲の気配は強く感じるのに、誰も見えない。
俺は意識を集中して気配を辿った。
舞華・・・いる。どこかわからないが同じエリアに。
一夜・・・・いる。
ハーカ・・・・いる。
白虎隊は全員いる。だが、近くにはいない。
シク・・・いる。
シヴェル・ルイ・・・いる。
ミーティア・・・・・・・・
「ミーティアの気配がない?まさか!」
魔法陣を体に刻み込んだおかげで離れていても魔法陣周辺の気配は感じ取ることが出来る。
先ほどまでいた場所は魔法陣の少し東のエリアのはず。そこに・・。
「あの、猫娘・・・・」
ベアとトーキチローの落ち着きがなかった意味を俺も理解した。
人が多くいるはずのエリアで俺たちは孤立。しかも複合PTメンバーは1人が欠けている。
「今日も苦しい戦いになりそうだな。」
俺はため息をついた。
風月隊はシヴェルがいれば数で有利になれる。きっと二人でも勝てるだろう。
「ミーティア、追いついて来いよ。」
霧が晴れる。今日も戦闘が始まろうとしていた。
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アハト(55)からのメッセージ:
アハト「いきなりバトンとは、なかなかヘビーな物を渡してくれますねw」
アハト「まあ面白そうだから大歓迎ですけどね~。」
ミーティア(866)からのメッセージ:
ミーティア「じゃあ、マナさんよろしくね。料理期待していますー。」
おさる(1041)からのメッセージ:
おさる「巻物でウキャ? 難しい字が多いっキャ!」
バトン続くといいな。
しかし、身内で途切れているのが気になるところ(苦笑
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