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Star-spangled Night
日記で書けなかったSS「だって、クリスマスだもん」
華煉が布を織っている。
どうみても俺の一着分より大きい布。
まさか俺とペアルック?
ちょっとからかいたい気分になった。
「そんなにたくさん織るってことは、俺を太らせる気?」
華煉はにっこり笑う。
「だって、クリスマスだもん。」
華煉は織った布を裁断し始めた。
あれ?これって服じゃない?
「一体、何を作っているんだ?」
華煉はまたもにっこり笑う。
「もうすぐ、クリスマスよね。」
それから華煉は隠れてこそこそ作業を始めた。
俺には決してみせてくれない。
「華煉、ほんとに何やってるんだ?」
華煉は人差し指を唇に当てて小声でいった。
「あと少しで、クリスマスよ。」
クリスマスの日。
パーティの会場を華煉から手渡されたサンタ服で歩く。
ツリーに見立てて飾り付けされた木々。
華煉がそっと火を放つ。
放たれた火は華煉の思いがまま。
木を燃やすことなく、赤く輝く。
遠くからみるとキャンドルを飾ったように見える大樹
夜になるとその周りに子ども達が集まりはじめた。
そして華煉は花火をあげる。
綺麗な花火が上がった後に、何かが空から降ってくる。
華煉の織っていた燃えない布。
花火の中に仕込まれていた、布に包まれたプレゼント。
華煉の力でゆっくりと、ふわりふわりと落ちてくる。
袋の中には子供たちの喜ぶ物がいっぱい。
たくさんの花火、たくさんのプレゼント。
喜ぶ子ども達。
あっけにとられる俺の背中から甘えるような声がする。
「だって、今日はクリスマスだから・・・・」
───クリスマスぐらい・・・いいよね、甘えても。
背中が少し暖かい。
ちょっぴり切ない・・・Merry Christmas・・・
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華煉が人間サイズの実体化をするとマナも華煉も
精神力、体力ともに消費し切って倒れます。
なので、現時点ではこんなことはありえません。
これは Star-spangled Night が見せた一夜の夢。
灯りのともる木のそばに集まってきた
すべての子ども達にpresent for you!
子供たちの夢が叶いますように。Merry Christmas!
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