NEW ENTRY
[PR]
40thday
遺跡の中を進む。
みんなが拾ったのと同じドレスを拾い・・・そしてもうすぐ戻る。
あの湖のそば・・・私たちの家へ。
最近、マナが話をしてくれない。
時々清蘭様の気配を感じるから、二人で何か話しているんだと思う。
そっとナイフを抜いて紅瑪瑙石に触れる。
これでマナには私が話したがっていることがわかるはず。
だけど、応えはない。
少し前なら紅瑪瑙石に触れるだけでマナの方からいろいろ話しかけてくれた。
闇の翼のみんなのこと
剣の揮い方
料理の仕方
お友達の話
服の作り方
遺跡内の様々な動物達の話
魔法陣の話
果ては、遺跡内を移動中に気づいた水場の位置や風の流れまで
だけど・・・・最近応えてくれない。
聞こえていると思うのに。
こんなに近くにいるのに話すことが出来ない。
「マナ・・・・・・・・さみしいよ。」
ポツリとつぶやいた。
こんなに近くにいるのに。
こんなにそばにいて、苦しんでいるのを見ているのに。
今の俺は返す言葉を持っていない。
頭を撫でる腕も
抱きしめて支えてやるような身体ももっていない。
こんなにそばにいて、こんなに俺を必要としてくれているのに。
愛しいと思う気持ちが消えたわけじゃない。
だけど・・・だけど・・・
今の俺のいる場所
紅瑪瑙石の中の小さな空間。
そっと壁に触れる。
この向こうにいるのに。
こんなに近くにいるのに。
身体がなくなっても、心はつながっていると思っていた。
あいつに話す言葉に詰まる日が来るなんて、この島に来た時は考えたこともなかった。
清蘭からあの話を聞くまでは。
あの話を聞いたことを後悔することもある。
聞かなければ幸せでいられたのだろうかと思うことだってある。
何も知らずに介入されていた俺と華煉。
知らないでいる幸せと知ってしまった不幸。
自分のことを知ることがこんなに辛いなんて。
もうすぐ華煉は遺跡外に出るだろう。
食料も少ない。
遺跡外のあの家
湖のそばの俺たちの小屋。
あの場所なら華煉は結界をはれるはず。
もうすぐ、この紅瑪瑙石の中の空間で俺と華煉は会うだろう。
何を話せばいい?
どんな顔をして会えばいい?
知らなければ・・・・何も知らなければ、俺は・・・・。
何も言わずに壁からそっと離れる。
あと少し。
もう少しだけ一人で考えたい。
俺のこと。
華煉のこと。
俺たち二人のことを。
壁に背を向ける。
泣きそうなぐらい寂しい心
一人ぼっちで寂しくて悲鳴をあげている心を知りながら
答えがないというだけで、ナイフで切り裂かれるように傷ついていくあいつの心を知っているのに・・・
きっと何も言わなくても、語らなくても、俺が名前を呼ぶだけで強くなれるあいつ。
全部わかっているのに。
どうして名前すら呼んでやれないんだろう。
俺は自分の心をごまかそうとする。
俺が名前を呼べばあいつは何かを悟ってしまう。
俺たちの絆はそのぐらい強い。
いつどこから何が襲い掛かってくるかわからないこの遺跡内。
気を抜く事の出来ないこの場所で・・・名前を呼ぶことは出来ない。
だから、せめて安全な遺跡外に出るまで。
そのときまで話さずにいよう。
わかっている。
自分でもそれが言い訳に過ぎないことぐらい。
だけど・・・・・・・
俺はそっと身体を横たえる。
身体は疲れていない。
だけど心は疲れきっていた。
意識が眠りに落ちるとき、紅瑪瑙石の中のこの場所が少し暖かくなる。
俺は知っている。
あいつが泣いてる。
涙が石に落ちてここが暖かくなったのだということ。
俺を呼ばないでくれ。
俺は眠い。
眠りたい。
俺は・・・・・
涙が止まらない。
どうして応えてくれないんだろう。
声は届いているはずなのに。
ナイフをそっと頬にあてる。
紅瑪瑙石が涙で濡れる。
気配はない。
「マナぁ・・・・・・・さみしいよぉ・・・・・・・」
どれだけ呼んでも応えはなかった。
******************
●つうかあ参加中●
******************
みんなが拾ったのと同じドレスを拾い・・・そしてもうすぐ戻る。
あの湖のそば・・・私たちの家へ。
最近、マナが話をしてくれない。
時々清蘭様の気配を感じるから、二人で何か話しているんだと思う。
そっとナイフを抜いて紅瑪瑙石に触れる。
これでマナには私が話したがっていることがわかるはず。
だけど、応えはない。
少し前なら紅瑪瑙石に触れるだけでマナの方からいろいろ話しかけてくれた。
闇の翼のみんなのこと
剣の揮い方
料理の仕方
お友達の話
服の作り方
遺跡内の様々な動物達の話
魔法陣の話
果ては、遺跡内を移動中に気づいた水場の位置や風の流れまで
だけど・・・・最近応えてくれない。
聞こえていると思うのに。
こんなに近くにいるのに話すことが出来ない。
「マナ・・・・・・・・さみしいよ。」
ポツリとつぶやいた。
こんなに近くにいるのに。
こんなにそばにいて、苦しんでいるのを見ているのに。
今の俺は返す言葉を持っていない。
頭を撫でる腕も
抱きしめて支えてやるような身体ももっていない。
こんなにそばにいて、こんなに俺を必要としてくれているのに。
愛しいと思う気持ちが消えたわけじゃない。
だけど・・・だけど・・・
今の俺のいる場所
紅瑪瑙石の中の小さな空間。
そっと壁に触れる。
この向こうにいるのに。
こんなに近くにいるのに。
身体がなくなっても、心はつながっていると思っていた。
あいつに話す言葉に詰まる日が来るなんて、この島に来た時は考えたこともなかった。
清蘭からあの話を聞くまでは。
あの話を聞いたことを後悔することもある。
聞かなければ幸せでいられたのだろうかと思うことだってある。
何も知らずに介入されていた俺と華煉。
知らないでいる幸せと知ってしまった不幸。
自分のことを知ることがこんなに辛いなんて。
もうすぐ華煉は遺跡外に出るだろう。
食料も少ない。
遺跡外のあの家
湖のそばの俺たちの小屋。
あの場所なら華煉は結界をはれるはず。
もうすぐ、この紅瑪瑙石の中の空間で俺と華煉は会うだろう。
何を話せばいい?
どんな顔をして会えばいい?
知らなければ・・・・何も知らなければ、俺は・・・・。
何も言わずに壁からそっと離れる。
あと少し。
もう少しだけ一人で考えたい。
俺のこと。
華煉のこと。
俺たち二人のことを。
壁に背を向ける。
泣きそうなぐらい寂しい心
一人ぼっちで寂しくて悲鳴をあげている心を知りながら
答えがないというだけで、ナイフで切り裂かれるように傷ついていくあいつの心を知っているのに・・・
きっと何も言わなくても、語らなくても、俺が名前を呼ぶだけで強くなれるあいつ。
全部わかっているのに。
どうして名前すら呼んでやれないんだろう。
俺は自分の心をごまかそうとする。
俺が名前を呼べばあいつは何かを悟ってしまう。
俺たちの絆はそのぐらい強い。
いつどこから何が襲い掛かってくるかわからないこの遺跡内。
気を抜く事の出来ないこの場所で・・・名前を呼ぶことは出来ない。
だから、せめて安全な遺跡外に出るまで。
そのときまで話さずにいよう。
わかっている。
自分でもそれが言い訳に過ぎないことぐらい。
だけど・・・・・・・
俺はそっと身体を横たえる。
身体は疲れていない。
だけど心は疲れきっていた。
意識が眠りに落ちるとき、紅瑪瑙石の中のこの場所が少し暖かくなる。
俺は知っている。
あいつが泣いてる。
涙が石に落ちてここが暖かくなったのだということ。
俺を呼ばないでくれ。
俺は眠い。
眠りたい。
俺は・・・・・
涙が止まらない。
どうして応えてくれないんだろう。
声は届いているはずなのに。
ナイフをそっと頬にあてる。
紅瑪瑙石が涙で濡れる。
気配はない。
「マナぁ・・・・・・・さみしいよぉ・・・・・・・」
どれだけ呼んでも応えはなかった。
******************
●つうかあ参加中●
******************
PR
- トラックバックURLはこちら