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44日目の日記補完
不気味な笑い声が消える。
目の前に現れたのは表情を消された男
何?これは?
これは冒涜だ。
自然に生まれたのではない生命体。
感情のない・・・・いや、感情を奪われた・・・・生命。
「非道」
思わず声が漏れる。
この島では・・・・目の前に立ちふさがるものを叩くのではだめだ。
救済しなければ。
私に出来る?
今の私には無理だ。
この魂を焼き尽くし転生させることは私には出来ない。
この島は本当に一体何?私を縛りつけた・・・・この島は本当に・・・・・。
◆ ◆ ◆
噂には聞いていた。
俺が対峙するはずだった存在。
造られしもの。
華煉の動揺が伝わってくる。
この島もこういったモノたちも何かの意思で作られたことがわかる。
踊らされている冒険者達。
俺たちもその一組。
元々連撃系ではない俺の戦い方。
噂で聞いたこいつの戦い方から考えて、闇の翼の中でも俺、舞華、ミーティアの前衛3人は苦戦するはずだ。
俺が用意した技は二つ
ワイヤースライスとレーヴァテイン
軽い連撃技が良いと聞いているから、ワイヤースライスの方が向いているだろう。
ただ・・・・・・華煉はおそろしく料理が下手だ。
本当に下手で、俺が見ててアドバイスをしても、華煉の料理を食う人には同情してしまう。
(そういえば、今日はシヴェルが食うらしいな。確かに回復はするが・・・・まぁ、あれならなんとか食えるか?)
その華煉にワイヤースライスが使いこなせるだろうか。
しかも、今華煉が手にしているのは大振りの剣。
あれであの細かい動きが出来るのか・・・・俺には少々疑問だ。
だから、俺が華煉に伝えたことは二つ
一つ。遺跡内の移動先を調整して、万が一敗北した場合でも移動後に再戦闘出来るようにしておくこと。
二つ。移動後までに一つ、華煉に似合うとびきりの技を使いこなせるように訓練しておくこと。
俺は剣を先に訓練した。
だが、華煉の力を十全に出すには火の力を訓練する方がいいはずだ。
華煉の新しい力になるはずの技
Infernal Braze ~地獄の焔~
もし、今日負けたとしても・・・・この技を習得した華煉ならおそらく負けないだろう。
この先華煉の戦い方は自分が倒れるか、相手が倒れるかといったぎりぎりの戦いになるはずだ。
その前に・・・・
「久々だな。」
なじみの金色の狐
二体のペットを連れてやってきた。
俺から頼んだ。
どうせみんな単独行動するなら練習試合をしてやってくれないか?と。
今日の練習試合・・・舞華の作戦は持久戦。
俺の望みに合わせてくれた。
俺が確認したかったことは3つ
・火衣の効果と火霊力の効果
・相手が炎上しているときの攻撃力増加
・華煉が使った時のエターナルフレイムの効果
華煉にも持久戦の作戦は伝えてある。
少し長い練習試合でいろんなことを試してみよう。
もっとも・・・・この島の戦いで持久戦になることなどほとんどないのだけど。
◆ ◆ ◆
舞華さんがやってきた。
今日の練習後には、あの感情をなくしたものを倒さないといけない。
勝てるかどうかわからない。
勝っても救済してあげられない。
考えるとどんどん深みにはまってしまう。
もう・・・・難しいことを考えるのはやめよう。
今は練習試合のことだけを考えて。
「今日はよろしくお願いいたします。」
これでいいのかな?
そう思いながら、剣を握った。
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