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46th day
久々の遺跡外
湖のほとりの小屋で・・・・私はまた儀式を行った。
炎の気をとりこんで、この特殊な場所で・・・私はマナに会う。
息を吸う。
鼓動を感じる。
気の流れに自分を溶け込ませるように。
この場所なら大丈夫。
私は気の流れに身を委ね・・・・そして・・・・・
◆ ◆ ◆
「お主が強靭だと言っても他者の・・・それもあのように感情をなくした者の魂を取り込んで・・・無事でおられるとでも思うっておったのか?」
清蘭の声が聞こえる。
俺が強靭?
買いかぶりすぎだ。
俺は・・・・ただ俺であるだけだ・・・
俺はただの俺・・・・
俺?
俺は・・・・・・・・
「他者の魂なぞ取り込むから・・・
それもこの島を狂わせておる、マナと呼ばれる力の片鱗まで取り込むから
・・・・自我が薄れておるのよ。
もうすぐ華煉が来るじゃろう。今のお主をあの娘には会わせたくないのぉ」
華煉・・・・
あぁ、そうだ。
それは・・・・俺にとって大事な・・・赤い・・・焔。
「おぬしに試したいことがあった。華煉とも話をしておきたかった。
じゃが・・・今日はそれには向かぬのぉ」
そういい残し、清蘭は消えた。
後に残されたのは俺一人。
やがて、闇に焔が浮かび上がるかのように・・・この場に現れたのは・・・
「マ~ナ!」
あぁ、これは華煉の声だ。赤い赤い焔の化身。俺の・・・俺の何だ?
華煉?・・・・・かれん・・・・か・・・れ・・・
◆ ◆ ◆
「マ~ナ!」
久しぶりに会えた。
この特別な場所・・・・
私が力を失う前に結界を張っていたこの場所でなら、紅瑪瑙石の中の空間に転移できる。
焔霊の力をすべて失ったときのために打っておいた布石。
こんな風になると思っていなかった頃に用意した力。
そのおかげで、遺跡外の湖のほとりのマナの住処にいる時だけは、私はマナと同じ空間に立てる。
紅瑪瑙石の中に閉じ込めてしまったマナと。
「マナ、久しぶりに会えた。」
うれしくて、うれしくて・・・最初は気づかなかった。
マナがどこか沈んでいることに。
「マナ?」
まるで心がここにないみたい。
伸ばしかけた腕が止まる。
◆ ◆ ◆
ま・・・な・・・・
ま・・な
マナ・・
マナ!
ホシイ・・・ホシイ・・・・ホシイ・・・・力源・・・・
違う!それは俺の名前!
確かにお前を受け入れた。だが、俺の意識を乗っ取るな!
俺は「俺」だ。
そして・・・
「華煉」
俺のためにすべてを投げ出した俺の守護精霊。
俺は頭を軽く振って意識を覚醒させる。
マナの雫と共に取り込んだ、造られしものの残滓が俺の意識に干渉しようとしているらしい。
だが、まだ譲れない。
まだ変わるわけにはいかない。
いつか・・・俺と彼の残滓は一つに混じりあうのかもしれない。
だが、まだだ。
俺にはやることがあるから。
「華煉、前回の戦いは辛かったな。ゆっくり休むといい。」
華煉に微笑みかける。
帰ってきたのはうれしそうな笑顔。
俺の方に伸ばされる手。
俺がこの場にいることを確認するかのように恐る恐る伸ばされる指
そっとその指にこの手をあわせ、自分に言い聞かせる。
まだだ。まだ、そのときじゃない。
◆ ◆ ◆
「ふぅむ・・・魂への干渉を避けたか。相変わらず強い魂じゃの。
これほどに強いなら・・・耐えられるじゃろうて。
もう少し落ち着いたら頼んでみるかのぉ」
闇に浮かぶ聖霊はそっと呟いた。
見定めてみたい。
華煉とマナ・・・求める者、救うべき者はどちらなのか。
「どちらであったとしても、残る命も救いたいと思うほどに感情移入してしまったようじゃな。
儂も人間くさくなったものじゃ・・・毒されたかのぉ」
清蘭は決意した。
今度、あの男に、マナに会ったときに、頼んでみよう・・・・時間回帰を。
(本日の日記絵は白羽ぴよこ(1414)様にいただきました。ぴぃ、ありがと)
湖のほとりの小屋で・・・・私はまた儀式を行った。
炎の気をとりこんで、この特殊な場所で・・・私はマナに会う。
息を吸う。
鼓動を感じる。
気の流れに自分を溶け込ませるように。
この場所なら大丈夫。
私は気の流れに身を委ね・・・・そして・・・・・
◆ ◆ ◆
「お主が強靭だと言っても他者の・・・それもあのように感情をなくした者の魂を取り込んで・・・無事でおられるとでも思うっておったのか?」
清蘭の声が聞こえる。
俺が強靭?
買いかぶりすぎだ。
俺は・・・・ただ俺であるだけだ・・・
俺はただの俺・・・・
俺?
俺は・・・・・・・・
「他者の魂なぞ取り込むから・・・
それもこの島を狂わせておる、マナと呼ばれる力の片鱗まで取り込むから
・・・・自我が薄れておるのよ。
もうすぐ華煉が来るじゃろう。今のお主をあの娘には会わせたくないのぉ」
華煉・・・・
あぁ、そうだ。
それは・・・・俺にとって大事な・・・赤い・・・焔。
「おぬしに試したいことがあった。華煉とも話をしておきたかった。
じゃが・・・今日はそれには向かぬのぉ」
そういい残し、清蘭は消えた。
後に残されたのは俺一人。
やがて、闇に焔が浮かび上がるかのように・・・この場に現れたのは・・・
「マ~ナ!」
あぁ、これは華煉の声だ。赤い赤い焔の化身。俺の・・・俺の何だ?
華煉?・・・・・かれん・・・・か・・・れ・・・
◆ ◆ ◆
「マ~ナ!」
久しぶりに会えた。
この特別な場所・・・・
私が力を失う前に結界を張っていたこの場所でなら、紅瑪瑙石の中の空間に転移できる。
焔霊の力をすべて失ったときのために打っておいた布石。
こんな風になると思っていなかった頃に用意した力。
そのおかげで、遺跡外の湖のほとりのマナの住処にいる時だけは、私はマナと同じ空間に立てる。
紅瑪瑙石の中に閉じ込めてしまったマナと。
「マナ、久しぶりに会えた。」
うれしくて、うれしくて・・・最初は気づかなかった。
マナがどこか沈んでいることに。
「マナ?」
まるで心がここにないみたい。
伸ばしかけた腕が止まる。
◆ ◆ ◆
ま・・・な・・・・
ま・・な
マナ・・
マナ!
ホシイ・・・ホシイ・・・・ホシイ・・・・力源・・・・
違う!それは俺の名前!
確かにお前を受け入れた。だが、俺の意識を乗っ取るな!
俺は「俺」だ。
そして・・・
「華煉」
俺のためにすべてを投げ出した俺の守護精霊。
俺は頭を軽く振って意識を覚醒させる。
マナの雫と共に取り込んだ、造られしものの残滓が俺の意識に干渉しようとしているらしい。
だが、まだ譲れない。
まだ変わるわけにはいかない。
いつか・・・俺と彼の残滓は一つに混じりあうのかもしれない。
だが、まだだ。
俺にはやることがあるから。
「華煉、前回の戦いは辛かったな。ゆっくり休むといい。」
華煉に微笑みかける。
帰ってきたのはうれしそうな笑顔。
俺の方に伸ばされる手。
俺がこの場にいることを確認するかのように恐る恐る伸ばされる指
そっとその指にこの手をあわせ、自分に言い聞かせる。
まだだ。まだ、そのときじゃない。
◆ ◆ ◆
「ふぅむ・・・魂への干渉を避けたか。相変わらず強い魂じゃの。
これほどに強いなら・・・耐えられるじゃろうて。
もう少し落ち着いたら頼んでみるかのぉ」
闇に浮かぶ聖霊はそっと呟いた。
見定めてみたい。
華煉とマナ・・・求める者、救うべき者はどちらなのか。
「どちらであったとしても、残る命も救いたいと思うほどに感情移入してしまったようじゃな。
儂も人間くさくなったものじゃ・・・毒されたかのぉ」
清蘭は決意した。
今度、あの男に、マナに会ったときに、頼んでみよう・・・・時間回帰を。
(本日の日記絵は白羽ぴよこ(1414)様にいただきました。ぴぃ、ありがと)
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