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闇と鎖と一つの焔

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  • 11/23/00:03

1625

「ふう、終わった! まったく・・・俺を相手にするなら原生生物から進化しなおせ!」


槍を一振りし、獣の血を振り払う。
俺は腰を下ろし、槍を右手に下ろすと、ゴーグルの手入れをはじめた。
戦闘が終わったあとのいつもの習慣。


いつごろからこんな風にゴーグルを装備するようになった?


俺がまだいきがった餓鬼で、戦闘の意味も重みもまだわかっていなかった頃、
あの人がゴーグルの手入れだけは怠るなと教えてくれた。


・・・・・・・俺たち餓鬼の相手をするなんて、今思えば大変だったろうぜ。


ゴーグルを磨きながら、俺は苦笑した。
今ならあの言葉の意味がよくわかる。


砂地での乱戦。
手入れを怠ったゴーグル。
煙る視界の中でただひたすら勘だけを頼りに槍を振るう。


それがどんな結果を生むか、今の俺ならわかっている。


俺だっていつまでも餓鬼じゃない。
ちょっとは考えて戦うようにもなった。
あの頃のような無茶な戦い方は控えている。


・・・・・・・今の俺ならきっとあんたにだって負けないさ。


だから・・・・・・・


「ラナーーーン」
「おぉ!今いく!」


仲間に呼ばれたラナンは思考を中断すると槍を持ってその場を立ち去った。


あとに残るは ・・・・・・・・・・血にまみれた花の記憶。

「花激団」

その名を知るものも今は少ない。
すべては混沌とした人の記憶の彼方・・・・・


一人目のお題 「記憶」  1625 ラナンキュラス
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