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闇と鎖と一つの焔

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  • 04/27/14:25

予告編

これからPLは帰省します。
今年交流いただいた皆さん、ありがとうございました。
また来年もたくさんの方をレンタルすると思いますがよろしくお願いいたします。

それで・・・帰省はこだまの自由席で帰ることにしています。
4時間暇なのでSSを考えてきます。
そのプロローグのみこちらで公開していきます。

少し前にやったファンタジー・ア・ラ・カルトの残りですね。

タイトルは「沈み行く空の国」
思いっきりべったべたなファンタジーで行く予定です。
これでもかっていうぐらいのベタできっと展開が読めます(笑

帰省中に一生懸命考えてきますので、ゆっくりお待ちください。
主役はこちらの方になる予定ですが、予告編のみ別の方の視点でお届けしましょう。


 



「ねぇ、これなんだと思う?」

 

布マフラーをなびかせて走ってきた女性・・・・知人はそういって奇妙な石を見せた。

透明な水色の石

「水の宝玉に似ていますね。」

「あ、フォウトさんもやっぱりそう思う?わたしもそう思ったんですよ。この透明で水色な色の感じがそれっぽいですよね。でも、ちょっと小ぶりだから宝玉とは違いますよね。これ道端で拾ったんですよ。誰かの落し物かな?ひょっとして探している人がいるのかしら?」

首をかしげる彼女。
ちょうど彼女に会いに行くところだった。
微妙な色合いの布地。
緑・・・というより玉虫色。
光に当てると金色に輝いても見える布地を見つけて、彼女にあげたいと思った。
布をマフラーのように巻きつけることを愛用している彼女。
この布地は明るい彼女に似合うと思ったから。

布を取り出そうとしたところで、横から声をかけてきたものがいた。

「ロウヒさ~こんなところにいたんやね~探しとったんよー」
「あーみかんさん、こんにちは~。なになに?何かあったんですか?」

駆け寄ってきたのはこの島でも有数の槍の使い手。
私も名前だけは知っていた。
伏姫みかん嬢

私は思わずロウヒさんから一歩離れ、そしてまさにそれはそのとき起こった。

──────太陽と月と星がそろった。

どこかで声がする。
そしてロウヒさんの右掌の上にあった水色の石が光り・・・

「くっ」

石を中心にすさまじい光と風が撒き起こる。
右腕で目をかばうが、石のほうに近づけない。
だが、後ろにさがることもできない。
巻き起こった風は石を中心に吹き出し、私たちの周囲で円を描き、天を突くように巻きあがって行く。
ロウヒさんを中心に私とみかんさんは竜巻のような円を描く風の渦に取り込まれた。
気を緩めると周囲の風に取り込まれる。
一歩も動くことが出来ない。

「ロウヒさ!その石・・・何?捨てられんかね?」
「だめ、腕が動かない!何これ」

「ロウヒ!」
「フォウト」

この声は・・・・バンガンさんとエニシダさん?

「来てはいけない!巻き込まれます。」

そういっても留まる二人ではないことを私はよく知っていたのだが・・・・
またどこからか声が響いた。

───────大地と風がそろった

その声と共に一瞬風が緩まる。
ロウヒさんはがっくりとひざをついた。
みかんさんとバンガンさんがロウヒさんの元に駆け寄り・・・・

「大丈夫か?フォウト」

不覚にも膝が崩れそうになった私をエニシダさんが支えてくれた。

「何が起こったんだ?」

ここから離れなければ・・・あの石から

そう答える前にまた声が響く。

──────足りない・・・だが、まず太陽と月と星を確保しよう。大地と風もいるならちょうどよい。

そして・・・・あの石はまたすさまじい光と風を発した。
今度は抗うことなどできない。
5人そろって竜巻に巻き上げられた。

天高く浮かぶ地・・・・・あの沈み行く空の国へ・・・・

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