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闇と鎖と一つの焔

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  • 04/27/12:39

38thday

剣を揮った。
肉を切る感触・・・命を絶つ瞬間を・・・私は忘れない。

できれば、もう襲い掛かってこないで欲しい。
彼らはなぜこんなに私たちに敵意を向けてくる?
単に彼らのテリトリーを侵したから?

それだけではない何かを感じる。



道を進む。
みんなが立ち止まる。
何かがここにあるらしい。

でも・・・・何かが導く。
この壁の向こうに・・・そう、何かが。
みんなはここで立ち止まる。
だけど・・・・・

少し後ろを振り返る。
みんなは何かを待っている。
だけど・・・・・・・私は立ち止まってはいられない。
マナを取り戻すためならなんだってする。

壁を押す。
あぁ・・・そうか。ここに「ある」んだね。
この先に何かがあるんだね。

行こう。どんな危険が先に待ち受けていようとも。
私にはやらなければならないことがある。

みんなに気づかれないように私は壁をそっと通り抜ける。
壁の中の異空間へ。

◆          ◆          ◆


「ほほう。隠し通路をみつけたようじゃのぉ」
急に背後から声をかけられて、マナは振り返った。
だが、声を聞いたときから誰がいるのかはわかっていた。

「清蘭・・・・久しいな。」

先日、驚くべきことを告げて、あまりのことに混乱したマナをみて、話の続きはまた別の機会に・・と言い残して去ってしまった清蘭。
一人残されたマナはずっと自分達のことを考えていた。
自分と華煉のことを。

何度転生しても常に対になる二人。
守護精霊と火喰い鳥の民として。
そして必ず守護精霊が堕精するその意味をずっと考えていた。

「清蘭、聞いてもいいか?」
「ふむ・・・大分落ち着いたようじゃの。わかることであれば教えてしんぜよう。」
「俺と華煉を除けば・・・、残る火喰い鳥の民は精霊に戻れるのか?」
「ふむ・・・結論から言うと、お主たち以外は精霊に戻れるだろう。お主たち二人はおそらく最後まで火喰い鳥の民となる魂となるじゃろうな。」

そうだろうとは思っていた。
何度も繰り返す転生の中で自分たちだけが特別だったから、わかったのだろうし。

「イールと燦伽(さんか)の魂の関係がわかってから、火の精霊たちはお前たち二人の魂を他の無垢な魂とは別の物として扱いはじめておる。それでの・・・お主の生まれた時に一つの試みが行われたのじゃ。」
「俺が生まれたとき?」
「そうよ。疑問におもわなんだか?お主の生まれた年にはお主しか卵から孵らなかった。残りの卵はすべて孵らずにそのまま転生した。あれはの、理由があるんじゃよ。」

確かに俺の生まれた年は他の卵がいっさい孵らなかった。
そして俺を生んだ母も体を壊した。
火喰い鳥の民という種族が衰退の時期に入ったのだと言うものもあった。
だが、俺のあとにはまた子どもが生まれ・・・そんな噂もいつしか立ち消えた。

「お主が生まれた時に行われた試み・・・それはの

(このあとのページは破り捨てられている)
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