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闇と鎖と一つの焔

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  • 11/25/04:54

403

「?なんだ?」

ティル坊とセレ兄の様子がおかしい。
何かこそこそして2人で話し合っている。

「何か面白いことでも?」

と声をかけると2人してあわててバタバタと何かを隠す。

「なんでもない!なんでもないよ」
「ああ、大したことはない」

・・・・・・・・・へたくそな演技

ストレートに問い詰めようと思った。
2人が必死になって隠そうとしているので、余計に問い詰めてやろうと思った。

だがそのとき邪魔が入った。


「サグラドはん、いらっしゃる~?」


誰かが尋ねてきたらしい。
舌打ちしてその場を離れ・・・・・・・すっかり忘れていた。






ティル坊とセレ兄の様子がまたおかしい。
そういえば、少し前にも同じようなことがあったのに、聞き損ねていた。

今度こそ2人を問い詰めようと思った。

「何を2人でこそこそと・・」
「危ない!!」

突然後方から歩行小岩が襲い掛かってきた。

「ちぃ!」

──────ぶっ飛ばしてやる!!


そのまま戦闘が始まり・・・・・またも忘れてしまった。






ティル坊とセレ兄の様子がまたおかしい。
今度はふたりで何やら目配せしあっている。
どっちが先に切り出すか押し付けあっているような感じだ。

こういうすっきりしない空気はイライラする。

「ふたりとも私に何か隠してないか?」

問い詰めると二人そろって首を横に振る。

「そんなことないよ」
「隠し事などするわけないじゃないか」

またしてもへたくそな演技。目を見ればバレバレなんだよ。

「あのな・・・」
「あれ?ラズさんだ」

振り返ると旧知の友人がそこに立っている。
遺跡を別々に歩んでいると滅多に会えない。
そんな彼女が来てくれたのに、いつも一緒のPMを責める余裕などない。
またしても、機を逸してしまった。






ティル坊とセレ兄の様子が今日もおかしい。
今日こそは2人にちゃんと話をしよう。

そうおもって私が口を開く前に・・・

「見せたい物があるんだ。」

ティル坊が切り出した。どうやら2人も私に話す気になったらしい。
今まで2人がこそこそ隠していたもの。
上等!見せてもらおうじゃないの!






・・・・見せてもらった。
2人が隠していたもの。

「ティル坊が一生懸命作ったんだ。俺も少し手伝ったけどな」
「どう?」


この2人どこまで本気なんだ。
これはネタか?
あたしは怒るべきなのか?


2人から・・・というか主にはティル坊からのプレゼント。

よくよくみるとティル坊の指は絆創膏でいっぱいだ。
きっと慣れない作業で手をいっぱい怪我したんだろう。


それだけ見ていると、とてもからかうためにやったとは思えない。



だが・・・・・












ハート柄でひらひらのレースがついたピンクのエプロンを眺めながら、あたしは絶句した。



十三人目のお題「演技」   403 ペリィト・サグラド
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