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闇と鎖と一つの焔

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  • 11/25/04:55

1360

櫻岬 五右衛門(サクラザキ ゴエモン) 警察官 52歳


若く見えるが、老獪といったほうがいいベテランの警察官だ。
若く見えるだけあって、体力年齢を測定すると常に20代の若者と判断されるのが自慢だ。



そんな彼の密かな悩みの種はコレステロール値が高いこと。
だが・・
「犯罪者を捕まえるためには強靭な肉体が必要!
 そのためには肉をしっかり食わねばならん!」
と公言する彼のコレステロール値が下がる見込みはまったくない。

また、酒を愛する彼のこと・・・・・肝機能障害も密かな悩みだ。



コルトガバメントに時代遅れの十手、警察手帳にぴかぴかの手錠が彼の大事な道具だ。
(密かに島に警察署を作ろうと画策している彼は、取調室、ミニパト、警察ヘリなども持ち込んでいるらしい)
(だが、「おまわりさん」のイメージとは違い、「警察官」である彼の道具に自転車と言う文字はない)

今日も道具を片手に島のパトロールへと彼は出かける。






今日彼がやってきたのは他でもない。
島でも有数の傷害事件・誘拐未遂事件の多発現場である。
何しろこの場所では怪しい緑の男が、本を持った幼児を片っ端から襲うという怪事件が頻発しているらしい。

彼がエリアにやってきたとき、おりよく子どもの悲鳴が聞こえた。

か弱い幼児を襲うとは・・まったく許せん奴だ!

悪人を逮捕する絶好の好機!
だが、怒っていてもそこは老獪な彼のこと。
悲鳴を聞きつけても冷静に行動を起こした。



彼が現場に駆けつけたとき・・・・
すでに一般の冒険者が緑の怪人を倒して子どもと楽しそうに話していた。

「こらこら!一般人が事件の現場に勝手に出入りしてはいかん!!」
そういう彼のほうを冒険者も子どももきょとんとした目で見つめている。


やがて、子どもは
「・・・あっ!ごめんなさい!つい夢中になっちゃって・・・それじゃ帰るね!ありがとー!」
という言葉を残してその場を立ち去ろうとする。


「いかん、いかん、いかん!いくら子どもとはいえ、まだ事情聴取が終わっとらん!!」

そういって引きとめようとする彼を尻目に

「あ!ここまっすぐ行くと、ショウタイ?っていう偉そうな人達がいるから気をつけてねー!」

という謎の台詞を残して、子どもは立ち去ってしまった。





仕方なく彼は残った冒険者から詳しい事情を聞こうとした。
だが、目端が利く冒険者達はすでにその場から立ち去っていた。







う~~む。詳しい事情の判る者がいなければ事件として成立せんな。
彼は唸った。犯人逮捕の好機を逃したのかもしれない。



だが、5分後、彼はどこかで聞いたような悲鳴を耳にする。
老獪な彼は今度も罠がないかを確認しながら、悲鳴の主の方へと近づいていった。

すると先ほどの子どもがまた別の冒険者に助けられているではないか。

子どもは
「あ!ここまっすぐ行くと、ショウタイ?っていう偉そうな人達がいるから気をつけてねー!」
というどこかで聞いたような台詞を残して立ち去ろうとする。


「こら!ちょっと待ちたまえ!!」

彼は子どもを追おうとするが、緑の草に足を取られて、体勢を崩した。
そのほんの一瞬目を離した隙に・・・・子どもは消えていた。
もちろん今度の冒険者達もさっさと立ち去っている。







う~~む、怪しい。これには何か大事件の匂いがするぞ。
彼はまたも考え込んだ。




だが、彼がこれにはどんな裏があるのか?と考えている間に3度目の悲鳴が聞こえる。
彼の疑問を解明する好機到来だ!!



彼は今度は今までよりは俊敏に動いて現場へと急行した。
だが、今回も素早い冒険者が先に到着しており、ちょうど緑の怪人を倒したところだった。

彼が傍から見ていると、子どもが大きな声で物語について語っている。

その間に緑の怪人はおいしい草をその場に残してそそくさと立ち去って行くではないか!!
冒険者達は子どもの話にひき寄せられて、怪人が立ち去るのに全く気づいていないようだ。

そして、子どもはいつものように
「あ!ここまっすぐ行くと、ショウタイ?っていう偉そうな人達がいるから気をつけてねー!」
という台詞を残して立ち去って行く。
その立ち去る方向は、
ナントナントナント
先ほど緑の怪人たちが去っていった方向と全く同じ方向ではないか!




そして、四度目の悲鳴が聞こえる。





う~~~む。これは狂言誘拐ならぬ、狂言傷害未遂なのではないか?
これが狂言の事件だとすると、あの少年と緑の怪人の目的はなんだ??

彼の長年の勘を持ってしても、この場で起こっている事件の謎はまったくわからない。





うむ・・・こんなときは当事者の逮捕が一番だ!




そして、五度目の悲鳴が響き渡ったとき、彼は自らの体力年齢の限界に挑戦し、どの冒険者たちよりも早く少年の下に駆けつけた。


「お前たち!狂言事件の現行犯で逮捕だ!!」


自慢のコルトガバメントで緑の怪人をなぎ払う。
今度こそ真相を解明する絶好の好機!!これを逃すわけにはいかない!!


だが・・・緑の怪人たちが倒れた瞬間に・・・・

戦闘に勝利した!(イベントフラグが立ちました)

というかすかな音が聞こえた気がした。


彼の経験ではこのあと緑の怪人たちはおいしい草を置いて立ち去るはず。
そこを現行犯逮捕するつもりだったのに、体がそちらを向かない。

PSを獲得
CPを獲得
櫻岬 五右衛門はおいしい草を入手!


よくわからない放送が聞こえ、
そして彼が動けるようになった時には緑の怪人たちはその場から消えていた。



く・・・怪人を逮捕するチャンスをみすみすふいにしたか。
だが・・・まだ事情を知る者が残っている!!

続いて彼は子どもに事情聴取しようとする。
だが、全く声が出せない。

とまどう彼の耳にどこからともなく
「EVENT」
という声が聞こえた。

すると無表情なまま子どもが機関銃のように話し始めた。

 「助けてくれてありがとう!強いし優しいね♪・・・本が無事で良かったぁ。」

 「あ、この本はねー・・・守護者様の物語のひとつ!英雄が女神様や幸星様に助けられて悪い魔王を倒すんだ!」

 「幸星様はいつも元気で英雄達を応援してくれるんだ!一番好きな守護者様♪でも隠者は変な奴で小賢しいことばっかり・・・嫌い!魔王はー・・・」

 「・・・物語はいくつもあるけど、守護者様の登場する順番は決まってるんだよ?英雄は絶対最初に出てくるし、熱血野郎や幸星様は物語の途中で出てくるの。それでー・・・」

 「・・・でも聖人さんだけはいつも物語に入ってこないで物語の書き手とか読み手。他の六人をただ見てるだけみたいなー・・・」

 「・・・あっ!ごめんなさい!つい夢中になっちゃって・・・それじゃ帰るね!ありがとー!」

 「あ!ここまっすぐ行くと、ショウタイ?っていう偉そうな人達がいるから気をつけてねー!」 



話しきって子どもが立ち去るまで・・・彼は全く動けなかった。

そして、先ほどまであれだけ何度も何度も子どもと緑の怪人の現場を押さえられたのに・・・・
彼は二度と狂言事件の場に立ち会うことは出来なくなった。




うーーむ。
この櫻岬五右衛門に狂言を見破られて、悪いことをするのはやめたのであろうか。


だが、あの子供たちと緑の怪人だけで引き起こした事件とは思えない。
きっとこの事件の裏にはもっと巨大な黒幕が隠れているはずだ!!

真相を追及する好機は逃してしまったかもしれない。
この世に悪がある限り!警察官 櫻岬五右衛門は戦いを決してやめない!!
彼は真相の究明を自分のコルトガバメントに誓うのであった。


二十七人目のお題:「好機」 1360 櫻岬 五右衛門

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