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闇と鎖と一つの焔

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  • 04/03/05:32

153

いつも見る夢
それは過去の不幸な記憶


はっとして飛び起きる。
全身に冷や汗をかいている。


もう何度こういう夜を過ごしたことだろう。
だが、凄惨な過去は記憶からなくなってくれない。
この肌と髪の色が元に戻らないように・・・・


もう眠るつもりはなかった。
らぜはベッドから降りると同行者達を起こさないようにそっと部屋から抜け出した。


外に出たとき予感がした。
こういう唐突な予感は当たりやすい。
少し気分がよくなった。

───────今日はきっと素敵な闇鍋が出来そう。








パーティメンバーが起きる頃にはすっかりあたりには怪しげな匂い。
美味そうなのか美味くなさそうなのかよくわからない。
まさしく闇鍋中の闇鍋。


こんな素敵な鍋が作れたんだから、悪夢で飛び起きるのもたまには悪くないわね。
でも・・・・もう少しいい夢が見たいわ。
できれば今晩の夢はこの鍋の夢になりますように・・・・


おたまを片手に、らぜはにこやかに笑った。


「おはよう。さっそくだけど、部屋を暗くして朝食にしよう♪」


パーティメンバーたちの顔が引きつっているのも意に介さず。
らぜはせっせと部屋の中を暗くしはじめた。






それから30分後・・・・・部屋の中からは謎な絶叫が聞こえ・・・

宿に泊まっていたほかの旅人達は
事情を知らぬ者は怪訝そうな顔をし、
事情を知る者は自分達がご相伴に預からなかった幸運を神に感謝した。


八人目のお題「予感」  153 Razels Volciena
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92

襲い掛かってくる狼の勢いを利用してカウンターで技を当てる。


あぁ東方の言葉って舌噛みそうだよ…!  六彩、七音、八卦良し!落ちよ天穹――」
神鳴る力



バスタードソードが唸る。
狼達が悲痛な声をあげる。


ごめんね


心の中で彼らに謝る。
ハーフドッグである彼にとっては親戚といえないこともない相手。
魅惑や魅力の技能を修めていない以上、彼らが牙を引っ込めてくれるはずもない。
ただ、ゴーチェに魅惑されることだけを祈りつつ、彼らの動きを止める。

戦闘後にゴーチェに魅惑され、従順になる狼達を見て、より一層感じる罪悪感

味方になるかもしれないものたちとはいえ、
襲い掛かってくる以上動きを止めるのは前衛である彼の役目。


この役って損かも


そんなことを考えたりもした。







戦闘が終わって、装備の手入れをしたり、料理をする時間。

「あれぇぇえええ??」

ABCDは荷物を確認してすっとんきょうな声をあげた。

「僕のお弁当がない!!」

そう・・・・彼の手荷物には食材がまったくない。


──────これじゃあ、おなかがすいちゃうよ。


彼はチラッと狼たちの方を横目で見た。


──────確か・・・彼らは牙しか持ってないんだよね。


はちみつやお肉でも持っていればいいのに・・・・


さっきまでの罪悪感はどこへやら。
ABCDの頭の中はもう食事のことでいっぱい。

ハーフドッグである彼にとって食事に勝る大事な物があるだろうか?
だからこそ、狼たちのことを ハズレ と思い始めた彼のことを冷たいやつだと思わないで欲しい。

仕方なく彼は1人で狩りに出かけた。









───────やっぱりこのあたりの敵は肉を持ってないや・・・・


いくつかの戦闘を繰り返し、そして失望とともに襲い来る罪悪感。


ごめんね。


彼は心のなかで深く謝った。


だが、・・・・・・・・・・この気持ちもしばらくしたら忘れてしまうだろう。


彼は薄情なわけではない。
彼は過去を憶えていない。憶えられない。

彼は過去に引きずられない。
彼は未来に思いをはせることもない。


過去と罪悪を超越するもの。アーサー・バーナード・クラーク・ダグラス
にこやかな笑顔を持つ、悪気のない子犬はいつも「今」を生きている。


彼が悪いわけではない。
憶えておけるなら、彼だってどれだけ幸せなことだろう。


だが、忘却こそが彼が知らずして犯してしまう一番の罪悪なのかもしれない。


七人目のお題「罪悪」  92 アーサー・バーナード・クラーク・ダグラス(ABCD)

51

「ぷはぁ!!!」

湖の中から少女が顔を出す。
コナトオトグルの力を持ってしても、ヒトである以上長時間水中に留まることはできない。


─────本当にこの遺跡と来たら・・・どうなってるのよ。


遺跡の中にあるとは思えない広大な湖。
そこには確かにサカナも居れば、ハスなどの淡水植物も生えている。
遺跡の中だから作り物の世界のはずなのに・・・。


だが、こんな湖があることはティノにとってはありがたい。
水霊の力を借りれるティノは水の中にいることで回復することができるから・・・。


再び水の中に身を沈める。
透明な水に光が射す。
きらきらと輝く。
ハスの間から射す光は湖の中をスポットライトのように照らしている。


ふと気づいて、水面に浮かび、湖の中央の方へと泳いでいく。
中央あたりではハスの葉もなく、ただひたすらに青い水、水、水・・・・


湖の中央付近、岸からかなり離れた場所でティノは水中へと身を躍らせた。


光射す水中に・・・・・・・遺跡。
神殿のような遺跡がそこにあった。


息を呑むほど美しい神殿の中へと身を泳がせる。
神殿の柱をくぐりぬけたとき、違和感が・・・


───────ここ・・・・息が出来る?


確かに水の中なのに、なぜか息が出来る。
不思議な感覚に導かれるまま、ティノは神殿の奥へ奥へと進んでいった。


神殿の壁のレリーフ
そこに書かれていたのは、楽園のような島の歴史。


昔、この湖の上に小さな島があり、そこには水神の神殿があった。
神殿を中心に人々は町を作り、水神をあがめた。
水神は人々の祈りに答え、畑や森の恵みはすばらしく、湖の魚も大漁だった。
信仰厚い人々の祈りが水神をささえていた。
また祈りに支えられた水神は民の祈りに答え続けた。
楽園のような夢見る都がここにあった。


だが、レリーフは謎な一枚の絵で途切れていた。
そこに描かれていたもの。
それは一枚の裂かれた蓮と崩れる神殿。


ティノがそのレリーフの前に立ち、そっと触れたとき・・・・
ごおっという音とともに神殿の柱が揺らぎ始めた。

あわてて神殿から脱出しようとしたそのとき

───────何、これ!嫌!!

膨大な記憶がティノの中に流れ込んできた。




楽園のような都
その崩壊は一人の乙女を神が欲したときに始まった。
茶色い髪と青い目の美しい少女。
だが、彼女は神の妻となることよりも、1人の若者を選んだ。
神は彼女をあきらめ祝福した。
だが、神を崇める一部の人々は彼女を神にささげようとした。
結果・・・・若者は殺され・・・娘は蓮の満ちた湖に身を投げた。
絶望する神の心が力となって顕現し湖の蓮はずたずたに裂かれ、
神殿は崩壊し、湖は島を飲み込んであとには何もない湖が残った。

だが、蓮の花と葉がずたずたに切り裂かれても地下茎は残った。
蓮は乙女の哀しみを吸収し、哀しい歴史と神殿を隠すかのように湖に広がった。




────────お願い。彼らを解放してあげて。

誰かがティノを呼ぶ。

────────貴女なら出来る。

あたしに何が出来る?

────────蓮の花を一つ燃やして



ふと気がつくと、ティノは湖の岸に横たわっていた。

夢??

だが、服や髪はぐっしょりと濡れている。


少し考えてティノは言われたとおりに行動した。
岸に近い蓮の花を一つナイフで切って摘み、それに火をつけた。

あたりに香のような匂いが広がる。
そして・・・・・・・・・

────────ありがとう

小さな声が聞こえた気がした。


蓮が燃えて煙が出ているにも関わらず、空気が澄んでいく。
炎とともに何かが浄化していく。
やがて燃え尽きる頃、ティノは急激な眠気を覚え、その場に倒れこんだ。


乙女の哀しみを蓮が受け継いだ。乙女の魂は蓮に取り込まれた。
都を崩壊させたあと、その場に残った水神は蓮を愛し・・・・
彼女を永遠とするために、おろかな都人の魂を蓮に縛り付けた。
都人の魂を吸って蓮は成長する。
彼らはこの地に呪縛された。
それと同時に乙女の魂も蓮に縛りつけられた。

────────私たちは輪廻の輪に戻りたかった。
───────私と同じ青い目
──────私と同じ茶色い髪
─────貴女なら出来ると思っていた。
────ありがとう。ありがとう。
───これで私たちは輪廻の輪に還ることが出来る。
──ありがとう。本当にありがとう。
─あなたに加護がありますように・・・・・・・・。
ありがとう・・・・

声がかすかになり、数百の何かが空へと浮かんで消えていった。


ティノが目ざめたとき、あたりはすっかり暗くなっていた。
「っくしゅん」
濡れた服のまま寝てしまったため、身体が妙に冷たい。

ティノは湖に目を向けて驚いた。
あれだけあったハスの葉がなくなっていた。
そこにはただ青い水をたたえる湖があるのみ。
明るい月の光が差し込んでも、神殿のような物は見えなかった。


夢?

───────いや・・・夢じゃないぞ。


コナトオトグルが珍しく答えてくれた。


じゃあ・・・・・・・・あれは本当にあったこと。


夢のような楽園とその崩壊。
呪縛された魂とその開放。


だが、あまりにも急な展開に、なんだかキツネにつままれたような気分。
でもコナトオトグルが言うからには間違いないのだろう。

茶色い髪、青い目・・・ティノと姿かたちは違っていたけど、色はそっくりだった。


「どんな楽園でも縛り付けられるのは嫌よね」


ティノはつぶやいて・・・祈りをささげた。
長く呪縛され、開放された魂が、真の楽園で安らぎを得て、輪廻の輪へと戻れますようにと。


六人目のお題「楽園」  51 ティノーシェル・ブルージンガー

15

白い翼を持った少女が空を舞う。

ここは遺跡の中の一本道。
ひたすら続く床と砂地。
遠く彼方まで続く道を見渡せないかと空に舞う。


遺跡の中に広がる偽の空なのに、時には深い雲で覆われたり、霧で隠れたり・・・・
そんな時は心配してついて来る彼も今日はついて来ない。

今日の空は快晴。
地上からもユーリの姿とユーリに近づく者はすぐに識別できる。


久しぶりに1人で気持ちの良い快晴の空を舞う。
道の先は砂地が続いていて、その先は霧がかかって見えない。

この時点で偵察の役目は終わり。
でも、久しぶりの1人の空。久しぶりに広げる翼。


「くすくす」


ユーリはなんだか楽しい気持ちになった。


──────この空の果てまで届くといいな。


いつしかユーリは歌っていた。


美しい自然に感謝する歌
さわやかな空をたたえる歌
優しい彼への愛を紡ぐ歌
そして、自由への賛歌。


気持ちの良い空。広がる翼。
空に解けるように響く声。
気持ちの良い時間。
心まで空に解けるような、めまいすら起こしそうな気持ちのよさ。


あぁ、今・・・・私は自由だ


普段何かに囚われているわけではない。
なのに空でこうやって歌っていると、自分は本当に自由なんだと感じる。


ユーリはいつまでも歌っていた。





  
そんなユーリの姿を最初は暖かく見守っていたのに・・・
空の上で歌う彼女を見ていたらまるでそのまま空に解けて消えてしまいそうな錯覚に陥る。

手を伸ばしたら、雪のようにはかなくそのまま消えてしまいそうな・・・ 
自分の腕の中からどこか遠くへと飛び立ってしまいそうな錯覚。

「ユーリ!!!」

彼は思わず大きな声で呼んでしまった。




 
「ユーリ!!」

その声にはっと気づく。
心配そうな声。自分を見つめるまなざし。
あわてて地上へと降り立つ。


駆け寄ってくる彼を見ながら、少しずつトランス状態から現実へと還る。
空に解けるような感覚が消え、自分の身体を感じ始める。
自由な感覚が少しずつ薄れていく。

それでも、心配そうな彼を見て、──────囚われてもいいと思った。



「ごめんなさい。心配かけちゃって。」


歌に自分をささげているときほど自由な時間はない。
心からそう思う。

でも、・・・・・・・たとえ自由ではなかったとしても・・・ここがユーリの一番居たい場所。


五人目のお題 「自由」  15 エウリーネ=ファラキス

1902

♪ぱっぴんぽろりんぱっぴんぱらん ぽっぴんぽろりん ぷう♪

「良い子のみんな、今日も一日いいこにしていたかな?」

・・・・・(手を耳に当てて、返事を待つ)

「そうか。みんな今日も一日よく頑張ったね!
それじゃあ、今日はみんなにとっておきのお友達を紹介するよ!

いでよ!おにいさんの愉快な仲間!(ラッパ ぱぷー)」



(そのころ召喚獣の世界ではこんな会話が交わされていた)

歩行雑草1「モォサァァアアアア(ぉぃ、呼ばれたぞ)」
歩行雑草2「モッサアアァアァァァ(呼ばれたのはお前だろ)」
歩行雑草3「モォッサアアアアァァァアア(いや、呼ばれたのはこいつなんじゃないか?」
歩行雑草4「モッサーアアアアアア(ちょっとまて!あれは俺の召喚じゃねぇ)」
歩行雑草5「モッサァァァァアアアア(じゃあ、誰が呼ばれたんだ?)」
歩行雑草6「モォサアアアアーーー(誰でもいいからとにかく行けよ)」
歩行雑草1~5
「モッサアアアアアアア(誰でもいいならお前が行け!)」
「モッサアアアアアアア(誰でもいいならお前が行け!)」
「モッサアアアアアアア(誰でもいいならお前が行け!)」
「モッサアアアアアアア(誰でもいいならお前が行け!)」
「モッサアアアアアアア(誰でもいいならお前が行け!)」

歩行雑草6「モッサァァアアアァァァ(突然だけど・・・俺・・今度の召喚が終わったら結婚するんだ)」
歩行雑草7「モッサアアアーーーー(お前、何で突然死亡フラグ立ててるんだよ)」
歩行雑草8「モッサアァァァァァァァ(あなた。おなかの子どものためにも早く帰ってきてね)」
歩行雑草7「モッサアアアアーーーー!(お前も、何で突然死亡フラグ立ててるんだよ!)」
歩行雑草8「モッサァア(あ、動いた)」
歩行雑草7「モッサーーーーー(種子が動くのかよ!)」

歩行雑草1「モッサアアアアアアアーーー!?(お前彼らがかわいそうだとおもわないのか!?)」
歩行雑草7「モサ?(俺か?)」
歩行雑草2「モッサアアアーーー!(お前が行け!)」
歩行雑草7「モサァ!?(俺かぁ!?)」
歩行雑草3「モッサアアアアアアアーーー(結婚前のカップルを引き裂くのはよくないな!)」
歩行雑草4「モッサアアアーーー(俺もそれがいいと思うな!)」
歩行雑草1~5「モッサアアアアアアアーーー(ここはやっぱりお前が行け!)」




「あれぇ?なかなか召喚されないな?
こういうときはもう一回ラッパを吹いてみよう!
いでよ!おにいさんの陽気な仲間!(ラッパ ぱっぷー)」




歩行雑草1「モッサァァアア(おい、今度は音色が違うぞ)」
歩行雑草2「モッサモッサアアアアア(さっきの音色ならあいつでほぼ決まりだったのにな)」
歩行雑草7「モォッサーーァァァァァアア(いやぁ、実に惜しいが俺じゃないようだな)」
歩行雑草3「モッサアアーーァァア(惜しむならお前でいいんだぜ)」
歩行雑草4「モッサモッサアアアアーー(そうだな。今度からぱっぷーもこいつの呼出しにしようぜ)」
歩行雑草7「モッサア!(結局俺か!)」
歩行雑草1~6「モッサアアアアア(そうだ。お前行け!)」
歩行雑草9「モッサアアァァァアァアアアァァア(なぁ、いっそこういうのはどうだ?ひそひそひそ)」
歩行雑草1~8「モッサアアアア(いいね!それ!)」



「あれぇ?おかしいな?
いでよ!おにいさんの陽気な仲間!(ラッパ ぽっぴんぽろりん ぷう♪)」

萌えろ!!
歩行雑草を召喚!

歩行雑草1「モッサァァァァァァァッ!!(歩行雑草1!見参!!)」
コルツのSPが60減少!


「やっときた。お兄さん、雑草にまでイジラレ役になったかと思ったよ。よかった。よかった。」


だが、なぜか歩行雑草1はラッパを持っている。
「さすが!お兄さんの愉快な仲間。さぁみんなで楽しく音楽の時間だよ~」

コルツはラッパを吹き鳴らす。
歩行雑草もラッパを吹き鳴らす。すると・・・・


萌えろ!!
歩行雑草を召喚!

歩行雑草2「モッサァァァァァァァッ!!(歩行雑草2!推参!!)」
歩行雑草1のSPが60減少!


「あ・・・あれ?おかしいな。お兄さんは呼んでないぞ。」

なぞか歩行雑草2もラッパを持っている!


萌えろ!!
歩行雑草を召喚!

歩行雑草3「モッサァァァァァァァッ!!(歩行雑草3!華麗に登場!!)」
歩行雑草2のSPが60減少!



萌えろ!!
歩行雑草を召喚!

歩行雑草4「モッサァァァァァァァッ!!(歩行雑草4!待たせたな!!)」
歩行雑草3のSPが60減少!



萌えろ!!
歩行雑草を召喚!

歩行雑草5「モッサァァァァァァァッ!!(歩行雑草5!時代は俺を呼んでるぜ!!)」
歩行雑草4のSPが60減少!


あたり一面に広がる緑
ラッパを持った歩行雑草が歩行雑草を呼び、次々連鎖召喚される歩行雑草


「あれ?あれ?あれ?」

コルツにはもう何がなんだかよくわからない。

歩行雑草1~∞「モッサァァァァァァァッ!!(さぁご命令を!)」


だが、コルツは呆然として、もはや口をぱくぱくさせるのみ・・・


歩行雑草1~∞「モッサァァァァァァァッ!!(用がないなら帰る!)」


一声吼えると歩行雑草はすべてその場から消えた。


・・・・・・・・・歩行雑草からもイジラレるのか・・・
コルツはがっくりと肩を落とした。


四人目のお題 「連鎖」  
1902 コルツフット

1783

胸部の情報処理機器が作動を始める。
頭部のアンテナから電波が飛ぶ。
この島の遺跡の地下からでも母船との通信は確保されている。

母船ではこの遺跡の熱量スキャンが行われており、冒険者の移動が常にモニタリングされている。

すでにこの遺跡のいくつかの通路のデータは母船で収集された。
だが、遺跡に元々いる生物のデータは母船にはない。
地上にいた者達にはマーキングできても、元々地下に生息する者達を捕捉することは困難だ。


だからこその潜入探査。


探索型ボディにはこの星での行動に適した生命体であるヒトの形態を採用。
中でもより生命維持能力が高いとされるメス型の形態を選択。
ボディ内部に情報処理機能を搭載。
遺跡での行動に足りるだけの腕力強化チューニング。
外観は地下の行動であることから、この星の太陽光の影響などは一切考慮せず。


完成したのはメタリックな肌を持つ腕力強化型ヒューマノイド
ボディNo.1783 ケイ


母船からの通信で遺跡の構造と人の流れを知る彼女は
 人の多く立ち止まる場所、
 人の滅多に立ち止まらぬ場所、
それぞれの場所で立ち止まり、現れる生命体の情報を収集する。


人の滅多に立ち止まらぬ場所、そこは危険地帯ともいえる。
彼女のボディの耐久性を遥かに超えるダメージを生む生命体すらいるかもしれない。


だが、所詮彼女は母船の端末。
ボディなどいつでも代えが効く。
もしも彼女が失われたら、母船は新たな端末を作り、遺跡へと送り込むだけ。


ボディNo.1783 ケイ


探査ボディが犠牲になろうとも、メインコンピュータに記録は残る。



記録に残らぬ唯一のもの。
ヒューマノイドであるがゆえに獲得された彼女の人格。
敗北すれば悔しく思い、予想外の強敵との戦いに絶望する。
笑って、怒って、叫んで、泣いて・・・・。


その感情すら母船から見れば、動作を不安定にするバグに過ぎない。

いつしか母船は気づくだろう。
人格を持った彼女が危険な場所をさける計算を始めたことに。

偏ったデータは役に立たない。
いつか母船は彼女を誘導するために計算されつくした偽の地図情報を送信するだろう。


False Island


母船と端末のだましあい。
それすら宇宙船・彗星のメインコンピュータにとっては、ただのメンテナンスに過ぎない。


たとえ危険な場所に立ち止まるように仕向けられても、
彼女のボディを上回る強度の敵に出会わないことを祈ろう。

天文学的な確率の偶然で人格を宿した奇跡のヒューマノイド、
流星の落とし子に幸多からんことを。


三人目のお題 「犠牲」  1783 流星の落とし子

1693

彼にあったらきいてごらん?

「あなたはどうしてこの島に?」って。

きっと彼はこう答えてくれる。



「ちょっと面白そうだからきてみたのだ!」

「やっぱり楽しいのが一番なのだ!」



彼はいつもわくわく、どきどき。

いつだって目を輝かせてる。



目の前に強い敵が立ちはだかったら?

「それってとってもわくわくなのだ!」



どうして彼はあんなに楽しそう?

どうしてあんなふうに笑っていられる?


彼はいつでもお祭り気分

見るもの、聞くこと、なんでも楽しみ。

母なる大地も彼の味方。

悪戯な風も彼の友

彼はいつでもわくわく、どきどき


不思議な島の

不思議な遺跡

小さな鬼が遊んでいるよ。



貴方もいつか会えるかも。

山吹色の小さな子鬼。

会えたら訊いてみてごらん。

「何がそんなに面白い?」

そしたらきっと答えてくれる。

大きな目をきらきらと輝かせ・・・・・・・・・山吹童子がそこにいる。


二人目のお題 「理由」  1693 山吹童子
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