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闇と鎖と一つの焔

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  • 11/22/10:16

73rd day

いつの間にか手もとにあった一振りの妖刀。 不思議な物だ。 華煉がレクイエムと名づけたらしい。 言葉の響きが綺麗だからと・・・深く考えずに名づけた刀。 俺の知らない装備がいくつも増えていた。 俺が見知った装備は炎の瑞兆と呼ばれる火印と焔霊の衣ぐらいだ。 この火印も俺が憶えていたのは身を軽くして素早くする羽のような効果をもっていたはずなのに、いつのまに心を安らげる効果を持つ武器になっていたのだろう。 この衣だって、昔はただ力技を防ぐような防具だったはずだったのに・・・いつの間にか魔よけの力をつけている。 「ずいぶん、頑張ったんだな・・・」 俺が最後に握っていた火影の舞姫という剣はもう無い。 少し寂しく思うが、華煉の用意した装備は俺が持っていたものより数段上のものばかりだ。 「たったの35日なのにな・・・」 3本の使い分けの効く剣。 1本の短剣。 そして、剣の力を吸収するのを待っている妖刀。 防具も火衣、白衣、衣装・・・ 装飾もいっぱい・・・ 華煉がどれだけ頑張っていたのか、なんとなくわかる気がする。 あと・・・・18日。 俺は華煉に何を残してやれるだろう?

「あの男と貴女との間に深い縁があることは清蘭様から聞いているでしょう?」 華煉はこくりと頷いた。 ずっと昔から転生を繰り返していた私達。 マナが闇に囚われた時に教えてもらった。 何度も何度も一緒だったと清蘭様に聞いた。 そして何度も何度も死に引き裂かれたと。 「私たちも貴女とあの男、二つの魂が何度も転生を繰り返していると思っていた。だけど・・・違ってた。」 「違うって。それどういうこと?緋魅。」 話したく無いのだろう。 ポツリポツリと断片的にしか口に出さないから・・・・ずいぶん時間が経ってしまった。 それでも少しずつ進む話。 教えて。マナに何があったのか。 私たちに何が起こっているのか。 どうして、マナはあんな風に復活したの? 「貴女とあの男だけじゃなかった。転生を繰り返していた魂がもう一つあったのよ。」
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