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「マスター・フィーア、どうかなされましたか?」
ヘイズが心配そうな声で尋ねてくる。
「ううん、なんでもないよ。そんなに変な顔してたかな?」
にっこり笑ってごまかした。ヘイズに心配かけるわけにはいかない。
今ちょうどユハが料理中。
フィーアは考え事をしながらユハのほうを見ていた。
でも・・・ヘイズが心配そうにたずねてきたと言うことは、
きっと考えていたことが顔に出ていたんだろう。
ヘイズよりも気の利くユハは自分が見られていたことに気づいていたに違いない。
「おまたせ」
にっこり笑ってユハが料理を持ってくる。
ユハ特製の野菜バター炒め
これはいつ食べてもおいしい。
フィーアも大好きだ。
でもついつい言ってしまう・・・・
「どうせなら肉野菜炒めが食べたい」
ユハは困った顔をしている。
そりゃそうよね。この前鳩のお肉で丸焼きを作ってもらったばかり。
あとは保存食といつもの草しかない。
手持ちの食材の中ではベストの料理をしてくれたと思っている。
でもなんとなくユハに八つ当たりしたい気分だったのだ。
ヘイズが戻ってきてから、フィーアはずっとヘイズと一緒。
そのフィーアをかばうように、最近はずっとユハが前に出て戦ってくれている。
より一層気遣ってくれているのもわかる。
でも・・・・
「イタッ! フィーア、何?」
なんだかイライラして、ユハを叩いてしまった。
ユハが私を気遣ってくれるのはわかる。
いろいろ世話をしてくれて、いつもそばにいてくれる。
でも・・・でも・・・・
どんどんイライラして、ふつふつと闘志がわいてきた。
これをこのまま放置することなんて出来ない。
ここは一つ、がつんと言っておかなきゃ!
不穏な気配をかぎつけたのか・・・ヘイズはそ~~っとフィーアから距離をとった。
「ユハ!!」
いきなり怒鳴られてユハはきょとんとしている。
なぜかフィーアはものすごく怒っているようだ。
こんなに燃えているフィーアをみるのは久々だ。
「フィーア・・・何?」
「何じゃないわよ!
いい?
ユハが私のこと気遣ってくれているのはありがたいと思っているわ。
いつだって私の盾になってくれるし。
料理や買出しその他諸々・・・ユハがいてくれるおかげでとってもとっても助かっているわよ!
だけどね!
だけどね!!」
フィーアの顔が真っ赤になっていく。
話しているうちにますます興奮してきたらしい。
こんなに燃えているフィーアをみるのは久しぶりだ。
さすがのユハも思わず、1,2歩後ろへと下がる・・・・
フィーアはものすごい剣幕でびしっと指をさし、こう叫んだ!
「いくら健康にいいからって青汁・ハイパーミックスはどうかと思うの!!!」
食べ物の恨みは恐ろしい。
フィーア=セラフィスト
命が惜しければ、今の彼女に対して「肉なし」は禁句だ
十五人目のお題「闘志」 540 フィーア=セラフィスト(+サブキャラ ユハ&ヘイズ)
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