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12th day
最近、一夜やシヴェルと一緒に闘技大会に出ている。
はじめて他の前衛と組んだわけだが・・・剣の技に大技が多いことにようやく気づいた。
いや・・・剣以外持つ気がなく、調べる気すらなかったので気づくのが遅れたわけだが・・・
大技だけに何度も放つことはできない。
となると
技を放ったら確実に当てるか、
それとも技以外の通常時の攻撃をクリティカルであげていくか・・・・そこが鍵だ。
今の俺では補助となるスキルもこれといったものがなく、正直言うとベアのクリティカルアップなどがうらやましくなっている。
どうも思考がマイナスのスパイラルに入っているようだ。
人のスキルをうらやましく思うことなどないはずで、俺は強い武器で大技を確実に決めていけばいいはずだ。
そろそろトーキチローが魔術を修得してくれる。
今はトーキチローが魅縛して敵の動きを封じてくれて、そこを俺とベアで叩いているが、
そのうちトーキチローが魔法火力に、ベアが足止め役に、俺が物理火力になっていくだろう。
命中率を上げること。それが俺の最大の課題であるはずだ。
クリティカルはその次だ。
俺は四方を見渡すと遺跡の一部で切り株がちょうど机と椅子のようになっている場所を見つけた。
おそらく先人がここでビバークしたのだろう。
俺は切り株に腰を下ろすと、剣の秘伝書を久々に取り出して、命中をあげる策を考え始めた。
今から俺が確実に鍛錬していく技能
剣 火霊 料理 命術 幻術
俺はこれからそれぞれの技能を適度にあげていく予定にしている。
そのレベルも考慮して俺が憶えるであろう技を秘伝書から調べていく。
そこで俺はさらに気づく。
命中やクリティカルをあげる技は一つしかない。
ブレィヴェリス 味方全体:HIT+CRI+SPD上昇 敵単体:物理攻撃 味方単体:HP回復(25%)
これはもちろんすぐに修得する予定だ。
だが・・・これだけでは足りない。大技だけではなく、もっとリーズナブルな技が俺には必要だ。
俺はさらに秘伝書を読み進む。
今の技能だけで無理なら新しい技能を憶えてもいい。
今から憶えるなら、とにかく簡単な技能がいい。
補助的な技能の方がいいだろう。
剣がそのまま使える技で今の俺のスキルと相性の良い技。
そして最初に憶えられる技で命中をあげられる・・・
投擲・・・気象・・・音楽・・・舞踊・・・なかなか良い技能は見つからない。
さらに読み進めようとして、俺は急激に眠気を感じた。
これは・・・・華煉の気配。
俺に何かを伝えたいのだろう。
俺は本を落とさないように、テーブル代わりの切り株に本をおくとそのまま切り株に座ったまま眠ってしまった・・・・。

傍でマナを見る者がいたらきっと驚いたことだろう。
マナはテーブルのような巨大な切り株に突っ伏して眠っている。
その点には疑う余地がない。
なのに、その左手は本のページをめくっていく。
まるで起きているかのような・・・眠っているとは信じられない動き
やがて左手は一つのページを開いて、ある部分を指差すように止まった。
マナはまだ眠っている。
幸か不幸かそのときマナは1人だった。
誰もこの姿を目にすることはなかった。
俺は目ざめた。
珍しく華煉とあった記憶がない。
だが、あれは紛れもなく華煉の気配。
陽の高さで時を計る。
おそらく・・・俺が意識を失っていたのは一刻もないはずだ。
短い時間だったから俺が華煉の空間を意識する前に戻されたのだろう。
俺は左手に目をやる。
秘伝の書はあるページで開かれて、俺の人差し指はそのページのある部分を指差していた。
俺は読み進む。
指差したページにあったもの。
それはまさしく俺が欲していたものだった。
もっとも簡単に憶えられて、命中率が上がる技能。
それは補助技能ではなかった。
だが、この技・・・
俺の記憶が確かなら、彼も同じ技を狙っていたはずだ。
少し考えて・・・・俺はもう一冊の別の秘伝書を引っ張り出していくつか調べものをした。
その結果・・・・
俺は結論を出すのを先延ばしにすることにした。
今は本来俺が憶えるべき技能を延ばす時期。
今すぐこれを寄り道して憶える必要はないだろう。
俺は剣の秘伝書にしおりを挟むとそっと閉じた。
俺は昨日のことと、これから起こることに思いを馳せた。
昨日は白虎隊との練習試合だった。
最後はハーカの魔法でみんななぎ倒されてしまった。
今思い出しても悔しいものだ。
その後、夜には夏祭りのイベントに参加してみんなで花火をして・・・・
ほんの一瞬、安らいだ時間を過ごした。
そして・・・・・今日予定されている練習試合
相手は
闇の翼 風月隊
白虎隊とは2回対戦したが、風月隊とははじめての対戦となる。
シヴェルの召喚
シクの弓
ミーティアの格闘
味方であれば頼もしいが、敵に回すと危険な組み合わせだ。
俺は二冊の秘伝書をしまいこみ、トーキチローとベアと話をするためにその場から立ち去った。
マナの荷物の中に、いくつかの秘伝書が収められている。
料理の秘伝書、武芸の秘伝書、回復術の秘伝書・・
その中の一冊が剣の秘伝書。
剣の秘伝書に挟まれたしおりの位置
そこを開くとこのような記載がある。
「剣の秘伝
146番目の技
アップリフト 味方全体:命中率上昇付加
命中率を上げるこの技は優れたバランス感覚と優れた目を必要とする。
さらに味方全体にこの効果をいきわたらせるためには特殊な剣気を
味方全体にピンポイントで吹き付ける必要がある。
この技を憶えるためには剣と共に吹き矢の技能を伸ばすべし」
よくよくみるとしおりにもいくつか細かい文字が記載されている。
どうやらもう一冊の秘伝書で調べた結果をメモしてあるようだ。
「バンパイアファング 敵単体:物理攻撃 HP+SP奪取+衰弱
ハルシネイション 敵単体:物理攻撃 混乱+HIT+EVA低下
バーストソーン 敵単体:物理攻撃 (火物理攻撃⇒炎上+麻痺)×5
剣から吹き矢への紅瑪瑙石の移植・・・・・困難」
華煉はすべてを見つめていた。
マナがメモした最後の一行の意味。
吹き矢への紅瑪瑙石への移植の検討。
それが出来ないと悟って強力な吹き矢の技を即座に消したこと。
それはどんな武器を使うとしても華煉と共に戦うという意思表示に他ならない。
華煉は暗い紅瑪瑙石の中から密かにマナを見つめる。
マナと共にいる時はマナの庇護欲を湧きたてるような可憐な少女を演じている。
それはマナが潜在的に望んでいること。
火喰い鳥の民の肉体は最高の魔術の媒体。
互いが必要としあうとき、共鳴率はもっとも高くなる。
だから守護精霊は通常相手が潜在的に望む姿形を選ぶ。
華煉の少し怒りっぽくて、我がままで、すぐに拗ねるけれど、いじらしい、
その性格はマナが心の中で望んだ姿。
本来守護精霊に守られるだけの立場である火喰い鳥の民。
だが、ただ守られるだけの立場に甘んじるような性格をマナはしていない。
マナ自身も誰かを守りたいと思っている。
それを巧みに読み取って、華煉は少女を演じ続ける。
マナに甘え、
マナに抱きつき、
ときに拗ねて、
無邪気に笑う。
・・・・マナと共にいる時だけ。
暗い紅瑪瑙石の中から
トーキチローとベアと話すマナを見つめる。
暗い紅瑪瑙石の中で
先ほどの一文を思い出す。
暗い紅瑪瑙石の中・・・・・
「くっくっく。くすくす。ふふ。ふふふ・・」
マナと共にいる時は絶対に見せないような表情で・・・華煉は嘲笑った・・・・・
はじめて他の前衛と組んだわけだが・・・剣の技に大技が多いことにようやく気づいた。
いや・・・剣以外持つ気がなく、調べる気すらなかったので気づくのが遅れたわけだが・・・
大技だけに何度も放つことはできない。
となると
技を放ったら確実に当てるか、
それとも技以外の通常時の攻撃をクリティカルであげていくか・・・・そこが鍵だ。
今の俺では補助となるスキルもこれといったものがなく、正直言うとベアのクリティカルアップなどがうらやましくなっている。
どうも思考がマイナスのスパイラルに入っているようだ。
人のスキルをうらやましく思うことなどないはずで、俺は強い武器で大技を確実に決めていけばいいはずだ。
そろそろトーキチローが魔術を修得してくれる。
今はトーキチローが魅縛して敵の動きを封じてくれて、そこを俺とベアで叩いているが、
そのうちトーキチローが魔法火力に、ベアが足止め役に、俺が物理火力になっていくだろう。
命中率を上げること。それが俺の最大の課題であるはずだ。
クリティカルはその次だ。
俺は四方を見渡すと遺跡の一部で切り株がちょうど机と椅子のようになっている場所を見つけた。
おそらく先人がここでビバークしたのだろう。
俺は切り株に腰を下ろすと、剣の秘伝書を久々に取り出して、命中をあげる策を考え始めた。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
今から俺が確実に鍛錬していく技能
剣 火霊 料理 命術 幻術
俺はこれからそれぞれの技能を適度にあげていく予定にしている。
そのレベルも考慮して俺が憶えるであろう技を秘伝書から調べていく。
そこで俺はさらに気づく。
命中やクリティカルをあげる技は一つしかない。
ブレィヴェリス 味方全体:HIT+CRI+SPD上昇 敵単体:物理攻撃 味方単体:HP回復(25%)
これはもちろんすぐに修得する予定だ。
だが・・・これだけでは足りない。大技だけではなく、もっとリーズナブルな技が俺には必要だ。
俺はさらに秘伝書を読み進む。
今の技能だけで無理なら新しい技能を憶えてもいい。
今から憶えるなら、とにかく簡単な技能がいい。
補助的な技能の方がいいだろう。
剣がそのまま使える技で今の俺のスキルと相性の良い技。
そして最初に憶えられる技で命中をあげられる・・・
投擲・・・気象・・・音楽・・・舞踊・・・なかなか良い技能は見つからない。
さらに読み進めようとして、俺は急激に眠気を感じた。
これは・・・・華煉の気配。
俺に何かを伝えたいのだろう。
俺は本を落とさないように、テーブル代わりの切り株に本をおくとそのまま切り株に座ったまま眠ってしまった・・・・。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
傍でマナを見る者がいたらきっと驚いたことだろう。
マナはテーブルのような巨大な切り株に突っ伏して眠っている。
その点には疑う余地がない。
なのに、その左手は本のページをめくっていく。
まるで起きているかのような・・・眠っているとは信じられない動き
やがて左手は一つのページを開いて、ある部分を指差すように止まった。
マナはまだ眠っている。
幸か不幸かそのときマナは1人だった。
誰もこの姿を目にすることはなかった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
俺は目ざめた。
珍しく華煉とあった記憶がない。
だが、あれは紛れもなく華煉の気配。
陽の高さで時を計る。
おそらく・・・俺が意識を失っていたのは一刻もないはずだ。
短い時間だったから俺が華煉の空間を意識する前に戻されたのだろう。
俺は左手に目をやる。
秘伝の書はあるページで開かれて、俺の人差し指はそのページのある部分を指差していた。
俺は読み進む。
指差したページにあったもの。
それはまさしく俺が欲していたものだった。
もっとも簡単に憶えられて、命中率が上がる技能。
それは補助技能ではなかった。
だが、この技・・・
俺の記憶が確かなら、彼も同じ技を狙っていたはずだ。
少し考えて・・・・俺はもう一冊の別の秘伝書を引っ張り出していくつか調べものをした。
その結果・・・・
俺は結論を出すのを先延ばしにすることにした。
今は本来俺が憶えるべき技能を延ばす時期。
今すぐこれを寄り道して憶える必要はないだろう。
俺は剣の秘伝書にしおりを挟むとそっと閉じた。
俺は昨日のことと、これから起こることに思いを馳せた。
昨日は白虎隊との練習試合だった。
最後はハーカの魔法でみんななぎ倒されてしまった。
今思い出しても悔しいものだ。
その後、夜には夏祭りのイベントに参加してみんなで花火をして・・・・
ほんの一瞬、安らいだ時間を過ごした。
そして・・・・・今日予定されている練習試合
相手は
闇の翼 風月隊
白虎隊とは2回対戦したが、風月隊とははじめての対戦となる。
シヴェルの召喚
シクの弓
ミーティアの格闘
味方であれば頼もしいが、敵に回すと危険な組み合わせだ。
俺は二冊の秘伝書をしまいこみ、トーキチローとベアと話をするためにその場から立ち去った。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
マナの荷物の中に、いくつかの秘伝書が収められている。
料理の秘伝書、武芸の秘伝書、回復術の秘伝書・・
その中の一冊が剣の秘伝書。
剣の秘伝書に挟まれたしおりの位置
そこを開くとこのような記載がある。
「剣の秘伝
146番目の技
アップリフト 味方全体:命中率上昇付加
命中率を上げるこの技は優れたバランス感覚と優れた目を必要とする。
さらに味方全体にこの効果をいきわたらせるためには特殊な剣気を
味方全体にピンポイントで吹き付ける必要がある。
この技を憶えるためには剣と共に吹き矢の技能を伸ばすべし」
よくよくみるとしおりにもいくつか細かい文字が記載されている。
どうやらもう一冊の秘伝書で調べた結果をメモしてあるようだ。
「バンパイアファング 敵単体:物理攻撃 HP+SP奪取+衰弱
ハルシネイション 敵単体:物理攻撃 混乱+HIT+EVA低下
剣から吹き矢への紅瑪瑙石の移植・・・・・困難」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
華煉はすべてを見つめていた。
マナがメモした最後の一行の意味。
吹き矢への紅瑪瑙石への移植の検討。
それが出来ないと悟って強力な吹き矢の技を即座に消したこと。
それはどんな武器を使うとしても華煉と共に戦うという意思表示に他ならない。
華煉は暗い紅瑪瑙石の中から密かにマナを見つめる。
マナと共にいる時はマナの庇護欲を湧きたてるような可憐な少女を演じている。
それはマナが潜在的に望んでいること。
火喰い鳥の民の肉体は最高の魔術の媒体。
互いが必要としあうとき、共鳴率はもっとも高くなる。
だから守護精霊は通常相手が潜在的に望む姿形を選ぶ。
その性格はマナが心の中で望んだ姿。
本来守護精霊に守られるだけの立場である火喰い鳥の民。
だが、ただ守られるだけの立場に甘んじるような性格をマナはしていない。
マナ自身も誰かを守りたいと思っている。
それを巧みに読み取って、華煉は少女を演じ続ける。
マナに甘え、
マナに抱きつき、
ときに拗ねて、
無邪気に笑う。
・・・・マナと共にいる時だけ。
暗い紅瑪瑙石の中から
トーキチローとベアと話すマナを見つめる。
暗い紅瑪瑙石の中で
先ほどの一文を思い出す。
暗い紅瑪瑙石の中・・・・・
「くっくっく。くすくす。ふふ。ふふふ・・」
マナと共にいる時は絶対に見せないような表情で・・・華煉は嘲笑った・・・・・
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