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闇と鎖と一つの焔

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  • 04/27/11:53

61~64日目の日記補完予定地

今更か!>自分

とりあえず

59日目の日記補完

60日目の日記補完

ここまで済み。

残り4日分は全部まとめてここに書くつもり。
そういえば次の土日は用事あるんだった。
まあ、どっかで書くよ、きっと。

日記補完だけで記事立てるのもなんだし・・・
えっと

総獲得CPランキング
第1位  11724

(中略)

第5位
 11444


例えばENo.一番最後の人 ENo.2205の方ですね
CP 3512 3376 2410 2151 (11449)
 


まぁ、だからなんだといわれても困るけど、1位~4位の人を応援してますってことで。


61日目
闇の翼の複合パーティ

過去にもボス戦で駒落ちがあったことはあった。

だけど、こんなに勝率が落ちているなんて・・・・

森の中で再戦に向けてみんなが準備を始めてる。

私は一人彷徨っていた。

いつの間にか皆と離れて・・・・

ふと気がつくと1:3で練習試合。

「え・・・・どうして?いつのまに?」

剣を構えて・・・・少し考えてみても活路は無い。

「ふぅ・・・・技を少し試させてもらうしかないみたいね。」

剣を抜く。

あとには獰猛なハリネズミが待ち構えている。

あとでシヴェルに赤い水晶を精製してもらう約束をしているのに・・・・。

「早めに済ませましょう。今は時間が無いの。」


◆             ◆             ◆             ◆


「今は時間が無いの・・・・ごめんなさい、マナ。」

そういうと剣を装備してカレンは行ってしまった。
あの日から5日間カレンは消えていた。
そして本当に不意にこの里の結界内に現れた。

カレンが戻った瞬間に俺も橙輝もその気配を察知した。
だが、あまりにも突然な出現。
カレンは里の結界を打ち破ることなく、その結界の内に本当に突然に現れた。
それは、俺にも橙輝にもつかめないほど緻密な結界を編める者・・・・高位の精霊がカレンに干渉していたことを意味する。
当然、俺はカレンをすぐに捕まえて何があったかを問い詰めた。
緋魅が何度か介入しようとしたが、今回に限り俺は一切の手加減をしなかった。
不思議なことに人の器に堕ちたにも関わらず、俺の焔霊としての力はさらに高まっているらしい。
一切の手加減をしなかった俺の力は緋魅の力をも一時的に弾き飛ばすほどの強固な結界を張ることが出来た。
小さな俺とカレンの家
その外壁に沿って俺が作った結界。
緋魅も橙輝も干渉できないわずかな時間。

「何があった?」

問い詰める俺の前に最後に立ちはだかった壁はカレンだった。
カレンは頑として口を開かなかった。
問い詰めると・・・・・・ただ、涙を浮かべた。
静かに静かに声もあげずに・・・・ただぽろぽろと涙を流した。

守護精霊を2体相手にして、その力の干渉を受けないほどの結界を作れる力を持っていても・・・
哀しそうにただ泣くカレンに俺は何も言えなくなった。

頬を流れる涙を指で拭いながら

「わかった・・・今じゃなくていい。でも・・・・いつか話してくれるか?」

と問うた。

そして俺はまた驚かされることになる。
時が来たらきっと話してくれると思った。
どんなことであっても、今は何か事情があったとしても・・・・カレンは俺に話してくれると、
俺に隠しごとをする方が辛いはずだからいつかは話してくれると、そう思っていた。
このときまで。

俺の言葉を聞いて、カレンはうなだれ、そしてさらに涙を流した。

「カレン、もういい。話せないなら話さなくていいから。だから、もう泣くな。」

あまりにも静かに泣くから。
それ以上聞けなかった。
俺が両腕と翼でそっとカレンを包み込んだとき、カレンの体が一瞬だけびくっとした。
体が強張っている。
まるで俺を畏れるかのように。

聞きたかった。何が起こったのかこれほど聞きたいことは無かった。
俺に触れられることを畏れるなんて・・・・いったい何があったのか聞きたかった。
だけど、声に出しては聞けない。
細い身体を抱き寄せて、そっと髪に口づける。そっと額に口づける。
そっとまぶたに口づけて、やさしく髪を撫でる。
そうして、もう一度カレンの額の刺青に口づける。
最初に髪に口づけた時に、一瞬だけカレンの身体が跳ねそうになった。
怯えている。
だけど、カレンは少しずつ力を抜いて、俺に身体を委ねてくれた。
髪を撫でて額に口づけた時には、緊張がほぐれて俺の背中にそっと手を回してきた。

愛しくて愛しくて、ぎゅっと抱きしめたとき・・・・

「カレンから離れなさい!この焔霊くずれ!!」
「緋魅ちょ・・ちょっとまて!いくらなんでもやりすぎ!」

結界が緩んで、緋魅と橙輝が乱入してきた。
緋魅が火の力を投げつけてくるのを橙輝が必死で逸らそうとしているが止めきれない。
俺は小屋全体にはっていた結界を再構築して俺とカレンの前に防壁を作るが、力を削りきれない。

「くっ!」

俺は緋魅の力に背を向ける。
腕の中にいるカレンにだけは当てさせない。

そのとき

「だめ・・・・緋魅・・」

俺の腕の中から漏れる小さな声。
そして俺の背にまわった小さな手。

バシュッ!!

その手が緋魅の力を弾き散らす。力と力がぶつかり合って相殺した。


緋魅も・・・・橙輝も・・・・そして俺も・・・・驚いて、今起こった現実を信じられないような顔をしていたと思う。
カレンは生まれつきの火喰い鳥の民だ。
多少の火は扱えても、焔霊である緋魅の火の力を撥ね退けるほどの力は無い。
ましてや、橙輝と俺の二人がかりですら抑えられなかったほどの力を相殺するなど・・・。

「マナ、痛い。お願い・・・・力を緩めて」

その声に気づいた。
俺は無意識のうちに俺の知っているカレンがどこかへ行ってしまうかのような錯覚に囚われて、カレンを強く抱きしめていた。逃がさないように。俺から離れないように・・・。

腕の力を緩めるとカレンがふうっと息を吐く。

これは誰だ?
カレンだ。
俺の最愛の・・・・焔霊の力を失うぐらい愛した、最愛の人。
カレンに間違いないのに・・・・。

「カレン・・・」

俺はそのまま二の句が継げなくなった。
カレンは俺の方を向いて少し寂しそうに笑う。

「マナ・・・・私行かなきゃ・・」

そういって剣を握って家を出て行った。
緋魅の気配も消える。
守護精霊としてカレンについていったのだろう。
だけど、俺は一歩も動けなかった。

アレは誰だ。
アレは誰だ。
アレは誰だ。
アレはカレンだ。カレンのはずなのに・・・・・なぜ?

 

そして、あの日から毎日カレンは剣を持って出かける。出かける途中でいつも消えてしまう。

カレンに突然現れた力の意味。
その意味するところを理解したくなかった。

力を持たない火喰い鳥の民が焔霊の力を撥ね退ける。
それには高位の守護者が必要だ。

高位の守護者がつくことがないわけではない。
カレンの持つ刺青の紋様。あれは高位の守護者の力を呼び出す鍵だ。
その鍵が開くのは・・・・

一つは守護精霊が死んだとき。
火喰い鳥の民を守護する最後の防波堤が刺青とその文様に相当する高位精霊。
守護精霊との契約の証である胸の刺青が消えると同時に額の刺青から守りの力が召喚される。

俺の力が失われたあの日、カレンの胸の刺青が一度消えたとき、高位の精霊が召喚されたはずだ。
だけど、今は緋魅がいる。
カレンの胸の刺青はもう一度彫られている。
だから、高位の守護者が今もついているはずがない。

もう一つのケースは・・・・・本当にレアケースだが・・・・
俺はそれを考えたくなかった。




62日目

深い森の中・・・・

古い本を見つけた。

この本はあとでトーキチローさんに渡すつもり。あめだまのお礼に。

「みんなは大丈夫かな?」

ぽつりと呟いた。

みんなは戻ってもう一度地の守護者にあっているはず。

今この森にいるのは私とシクさん、それにトーキチローさんだけ。

みんなの勝利を信じて・・・・私達は今日遺跡外に出る。

私の前に立つのは一つ目の竜

この竜の不死の力はとても強いと聞いている。

勝てるのかな?私で。

でも負けられない。私は。

「私には進まなければならない道がある。もう・・・・戻れません。行きます。」


◆             ◆             ◆             ◆


「私・・・・・・もう・・・・戻れません。」

小屋の中の空気は重い。
俺とカレンと橙輝(トキ)と緋魅(ヒミ)・・・・・誰がこんなことを予想した?
俺とカレンは二人ともただの火喰い鳥の民ではなくなってしまった。
元焔霊の俺の力はいや増すばかり。
もはや橙輝と緋魅の力は俺に干渉できないぐらい。
そして・・・・・生まれついての火喰い鳥の民であったはずのカレンの力はその俺の力すら凌駕していた。

「何があった?」

その質問にカレンは決して答えようとしない。

ここまでになる前に力を揮ってカレンの記憶を覗くことも出来た。
だが、俺は躊躇した。
力ずくではなく、カレンから話して欲しかったから。

だが、カレンは決して答えることはなかった。

もう戻れないとカレンは言った。
これだけの力を持っていて、元に戻れるなんて俺だって思ってはいない。
それに何より俺の力が失われていないことだって不思議だった。
俺とカレンは確実に高位の精霊の干渉を受けている。
カレンは誰に干渉されているのか知っているようだが答えようとしない。

そして・・・・・

「わかった。守護契約の解除に応じよう。」

緋魅が答える。
カレンが望んだのは緋魅との契約の解除。

カレンがぺこりと頭を下げる。

────今まで守ってもらったのに、何も返せなくてごめんね。

前に俺が堕精したときにカレンが最初に言った言葉。
そのあと人間の生活に俺が慣れるまで、俺を手伝うたびに「こんなことしか出来なくてごめん」、と何度も謝った。
それを緋魅もそばで見ていた。
そんなに謝ることはないのだと、俺と緋魅は声をそろえてカレンに言い続けた。

今回・・・カレンは何も言わない。
緋魅はもうわかっている。
カレンに万が一のことがあったとして、緋魅に何が出来る?
自分よりもはるかに強い力を持った者をどうやって守護する?
足手まといになるだけだ。
カレンに守られさえするかもしれない。
それがわかっているから、緋魅はあえて何も言わずに契約解除に応じた。
プライドの高い緋魅にはヒトに守られるなど考えられないことなのだろう。
ここでカレンが下手に謝っては、緋魅に対する侮辱になる。

ただ、静かに緋魅がカレンの胸の刺青に手を添え、そして手を引いたとき刺青は綺麗になくなっていた。

「私はもう行く。ここに留まる理由はない。」

そう言って、緋魅は消えた。

あとに残された3人に重い沈黙がのしかかる。
どうしてこんなことになったのか、知っているカレンは何も言わない。

「・・・・・俺も去るべきなのかな?」

振り返ると所在なさげにしている橙輝。

「お前は・・・俺を継いでくれるんだろ?嫌になったのか?」

「そうじゃないけど・・・マナは元が元だから、俺より強くても仕方ないと思っているし、周りにいろいろ言われるのも慣れた。けど・・・・・やっぱり緋魅見てると考えさせられる。守護者が火喰い鳥の民より弱いなんて・・・」

周りにいろいろ言われる・・・か。
そうだろうな。
俺とカレンは異常だ。
火喰い鳥の民というのは火霊の異端者だ。その中に現れた更なる異端の者。
受け入れることは難しいはず。
忌避するのが普通。

緋魅が俺たちを忌避したとは思わないが、おそらく畏怖を感じていたはずだ。
当人である俺が何よりも今のこの事態を畏れているのだから。

小屋の中は暖かい。
それなのにどこか寒々しい。
重い空気を振り切るかのようにカレンは食事を作り始めた。
ごく普通の日常の続きを演じるかのように。

野菜を下準備して、肉を焼き、肉汁の出たところでスープを注ぎ・・・

「あ・・・・・」

胡椒で味を整えて、料理がそろそろ終わりかけた頃。
まだぎこちない重い空気の中で小さな声が上がる。

「行かなきゃ・・・・・私・・・・」

エプロンを置いて、料理など忘れたかのようにすっと小屋を出て行く。
何者かに呼ばれるように、いつも、いつも・・・。
あとをつけてもいつも撒かれた。

だが・・・・・

俺は静かに席を立った。
火にかかった鍋を下ろし、そして小屋を出る。
何も言わず橙輝は俺を見送った。
橙輝がいてはダメなのだ。
どうしても気配を読まれてしまう。
緋魅がいてもダメだった。
俺があとをつけても攪乱されてしまう。

だが、もう緋魅はいない。
何より、緋魅自身もカレンが何をしているのかを気にしていた。
だから、契約が解除された以上、きっと・・・・

『本当にお前は嫌な奴だね。協力してやるよ。眞那。』

異端である俺たちの動向を知りたがっているものは多い。
今までは緋魅と橙輝に遠慮があった。
俺たちの力も畏れていた。
だが、その緋魅がカレンの守護から外れた。
外れた緋魅がこのまま黙って引き下がるはずがない。
なんとしても今起こっている事の端緒だけでも掴みたいに決まっている。

カレンが見える。
いつもの場所で姿を消す。
守護する緋魅は契約にしばられ、いつも途中であきらめ、カレンを追うことが出来なかった。
ついて来ることをカレンが望まなかったから。
時にはあとをつける俺の妨害もせねばならず、緋魅自身葛藤していたことを俺は知っている。
だが、もう契約はない。
ずっとカレンの守護をしてきた俺と緋魅。
カレンがどれほど気配を消そうとも、どれほど高位の精霊が噛んでいようと、二人を撒くことは出来ない。

カレンの軌跡が見える。
はっきりと。
どうしてこんなにもはっきり見えるのか・・・・俺は疑うべきだったんだ。
緋魅は途中でおかしいと思ったらしい。
だが、俺にそれを伝えることは出来なかった。

どうしてそのことに気づかなかったのだろう。
どれほど強大な力を持っていても、カレンは火喰い鳥の民なのだ。
だから、守護者は全体に必要で・・・緋魅との契約が切れたと言うことは・・・・
その場でカレンが高位守護者の守護下に入ったということ。

どうして、カレンは守護契約を打ち切ったのか。
どうして、俺たちは契約の打ち切りを「すべてを知る好機」と思ったのか。
どうして、疑問に思わなかった?あまりにもたやすくあとを追うことが出来たことを。

すべては何ものかの手のうち。
踊らされたのは俺。
餌にされたのはカレン。
道化は緋魅と橙輝。

追いついた俺は知らなくて良いことを知ってしまった。
淡い光の描く円柱。
光の輪の中・・・地面に横たわるカレン。
何も身に纏わず、そのしなやかな裸体を晒し、光の中に身を委ねる。
空から降りてくる光・・・・いや、焔がひらひらと降り注ぐ。カレンのお腹の上に。

緋魅が息を飲む。
そして、俺も気づいてしまった。
カレンが力を持ったのではない。
力を持ったのは・・・・力を持ったのは・・・・・カレンの腹の中にいる子供だ。

「俺の・・・・・俺とカレンの子ども?」

ドクン

空気が震える。

ドクン

何かが目覚めようとしている。

ドクン

『違う・・・・あれが火喰い鳥の民の子どもであるはずがない』

ドクン

カレンが微笑みながら下腹を撫でている。

ドクン

『あんな・・・・あんな・・・・あれは・・・』

ドクン

大きな鼓動の音がして、光が消える。
違う。光が喰われた。

ビクッ

カレンの下腹部が跳ねる。
痙攣している。
顔は恐怖に引きつり、口を半開きにし、背を弓反らして、痙攣している。

ドクン

また鼓動の音が聞こえる。

ドクン

また光が降りてくる。

ドクン

カレンは顔に恐怖の表情を張りつかせ、それでも・・・それでも、守るように震える手で下腹をおさえる。

ドクン

降りてくる光を闇が食らう。

ドクン

光を食らうたびに、下腹が大きくなる。

ドクン

「あ・・・・あ・・・・あ・・・あああああああああああああああああ」

カレンが絶叫する。

苦悶の声を上げ、地面に爪を立て、目をむいて、涙を流しながら、苦痛に顔を歪ませる。


どれぐらいそうしていたのだろう。
あまりのことに凍りついた俺と緋魅の目の前で・・・・・・カレンは卵を産んだ。
真っ黒い卵を・・・・。
卵を眺め、涙する。
黒い卵は死産の証だ。
卵の中の子どもは生きていない。

やがて、舞い落ちる炎が卵を燃やし尽くす。
あとには何も残らない。
俺と緋魅は動けないまま呆然と立ちつくしていた。そのとき

モ・ウ・イ・チ・ド・・・・

どこからか声が聞こえた。
カレンが顔をあげ、おびえた表情を見せる。
いったい、この声は誰だ?

ヒ・ト・リ・デ・ハ・ム・リ・・・・
・・・・・ヒ・ト・リ・デ・ハ・ム・リ・・・・
・・・・・・・・・・・・・ヒ・ト・リ・デ・ハ・ム・リ・・・・

・・・・・・・ダ・ガ・・・・・・フ・タ・リ・ナ・ラ・・

不意に俺は何かにつき飛ばされた。
強い力につき動かされる。
とどめようとする緋魅がより強い力で拘束される。

「マナ!」

抵抗する間もなく俺も光の輪の中へ・・・・
光の中に入った瞬間、俺の意識は逆に闇に沈む。真っ暗だ。

「約束が違うわ!私さえ協力すればマナには手を出さないと言ったじゃない!だから・・・だから・・・」

闇の中、闇より深い闇が俺の頭に手を伸ばしてくる。これはなんだ!
やめろ!お前は誰だ!俺の中に入ってくるな!俺は・・・

「やめて・・・・こっちへこないで!いや!」

やめろ!俺の体でカレンに何をするんだ!やめろ!やめろ!やめるんだ!

ダ・ガ・・・・・・フ・タ・リ・ナ・ラ・・・・・

こいつが何者かは知らない。だが、何をしようとしているかはわかった。
必死で抵抗するが、もはや身体は俺の意思で動こうとしない。

「いやあああああああああ」

フ・タ・リ・ナ・ラ・・・・・コ・ン・ド・コ・ソ・・・・・・
ワ・レ・ワ・レ・ニ・ハ・・・・・ヒ・ツ・ヨ・ウ・ナ・ノ・ダ・・・ ・・・・・ガ。

何?今なんといった?何が必要だと?
俺の意識が闇に飲まれる・・・・俺の体は俺の意思に反してゆるゆると動きながらもカレンを押し倒したようだ。
もはや一刻の猶予もならない。
俺は最後の力で呼んだ。

─────橙輝

「眞那!」

火喰い鳥の民とその守護精霊の契約の絆。
何よりも強いその力は、時に精神体である高位精霊の干渉をも打ち破る。
俺の切り札。
俺の中に入り込んでいた何者かが追い出される。

俺は体が自由になった瞬間、カレンから飛び退る。
拘束の解けた緋魅がカレンを守る。

もう守護契約は解けたというのに・・・・習慣って恐ろしいな。

俺はそんなことを考えながら、橙輝に自分の身を委ねた。

「眞那」
「・・・・・・・・・・・った」
「え?眞那、今なんていった?」
「・・・・・お前なら大丈夫だといっただろう。俺の思ったとおりだった」

そして、ブラックアウト。俺は意識を失った。
 

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