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闇と鎖と一つの焔

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  • 04/02/13:39

886

今日もデストミー様は絶好調だ。
中にいる面々の気も知らず・・・・

今日のデストミー様のお言葉はこの発言から始まった。

『世の中にはおもしろい技があるみたいじゃな』

「はぁ?面白い技ですか?」
【技?】
「ぐぱー?」

『我が偉大になるためにもっともふさわしい技があるではないか。
ヌシら、知っておったのならなぜ黙っておった?』

「・・・恐れながら、てりぼーぅ・デストミー様」

『なんじゃ?』

「その技とはどのようなものでしょうか?」

『ヌシら、その程度のこともわからんのか?それでは我が教えてやろう』

 デストミー様は紙にさらさらと技を書き始めた。
 同じ体に棲まっているため、紙に書いてもらえばすぐに通じる。

『これじゃ』

 ・下僕となれ
 ・いろいろ貢ぎなさい
 ・美はすべてを支配する
 ・スポットライトを私に

『極めつけはこれじゃ』

 ・私に従えないというのか

『これほどに我にふさわしい技があろうか?
 ヌシ等、知っておったのならなぜに言わぬのだ?』

「あいたたたたた」
『何か痛いのか?』
【どうするべ。】
「くぽーー」

「デストミーさまの偉大さはそのような技に頼らなくとも認めさせることなどたやすいことです。
 そのような技を使用するのは技に頼らないと偉大さを表現できない未熟者の行いに過ぎません」

『そういうものか?』

「もちろんでございます。
そのような技に頼るのは、かえって偉大でもなんでもないことをひけらかすようなことにございます。
例えるなら、力なき者が力のなさを補うために魔法に頼るように。
偉大でない者が、偉大でないことを補うために、そのような技に走るのです。」

【・・・・うまい】

『うむ・・・・そうまでいうのならこれらの技はあきらめよう』


 デストミー様は肌蹴かけた着物を直しつつ考え込まれたようだ。


『では、ヌシ等に問う。我の偉大さをもっとも華麗に表現する技は?』

「・・・・・」
【・・・・・・】
「・・・・・・・くぽ」









デストミー様は先ほどから歌を歌い続けている。
その歌は・・・・・・決して旨くない・・・・・。
むしろ、騒・・・ry

別に音楽を憶えようとしているわけではない。



【なんであんなこといっちまったんだ】
「・・・・ごめん。あたしが悪かった」
「くぴー」





──デストミーさまの偉大さや華麗さを表現する方法を技に頼る必要はございません。
すでに身に備わった空気が偉大さや華麗さを十二分に引き立てておられます。
時には親しみやすさを表現することにより、デストミー様の身に纏う偉大さが強調されることになりましょう。
ですから・・・もっとも苦手とされている部分を表に出されてはいかがでしょうか?






それが歌とはおもっていなかった。
しかも・・・・・・これほどとは思っていなかった。
体を共有しているため、嫌でも耳に入ってくる。


このときほど変な魔法に巻き込まれて体を共有していることを呪ったことはなかった。

トミーの父親があんな馬鹿なことを思いつくから・・・

今すぐこの状態が解けるなら、どんな代償でも支払うのに・・・と誰もが考えたが、
今となってはデストミー様以外は魔力の欠片ももたない身。
魔法など揮えるわけもなく、悲痛な願いに答える神も悪魔もいなかったようだ。




その苦痛の時間はデストミー様が食事をとるために歌をやめるまで続いたのだった。

二十一人目のお題「魔法」  886 猫極堂ガトー
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814

槍や薙刀はどちらも歩兵が騎兵に対抗するために作られた武器
その動作は両手を使った攻防一体の動作であることが多い。
薙ぎ・・・払い・・・そして突く。
だが、だからこそ、騎兵に対抗しうるだけの鋭い足捌きが必要となる。
前後への直線的な動きの多い騎兵に対抗する左右への俊敏な動作
流れるような足捌きこそが槍術を支える。



その槍術の中にあって、異質な術式

牙蹄流槍術



片手で手綱を片手で剣を扱う騎兵と異なり、
槍騎兵は片手で手綱を扱い、片手でランスと呼ばれる串刺しするのに適した槍を装備するのが基本だ。
戦場においては片手で手綱を片手で車輪のように槍を回転させ敵をなぎ払うこともある。


だが、それでは真の槍の力を発揮できない。
長槍術の技である薙ぎ、払い、突きを生かすにはどうしても両手での槍の扱いが必須となる。


強靭な足腰の力だけで馬を操り、両手で槍を操る。
槍術を極めた者のなかで、優れたバランス感覚と強靭な下半身を有する者だけが極めることを出来る術式


それが牙蹄流の槍術







霧生 透は優れたバランス感覚を有する少年だった。
友人に勧められた槍術。
リーチが長く、剣道よりも面白いと感じた。


彼は朝も学校帰りも道場に通った。


古武術の多くの例に漏れず、槍術の師範も礼儀にうるさい方だった。
朝、道場についてまず一礼。


最初にやるのは掃除。
道場の床を綺麗に磨き清める。
この掃除も足腰の鍛錬の一つなのだ。


掃除が終わると槍のチェックを行う。
稽古の時には鞘に入れたままの槍を使用する。
鞘を抜いて試合うのは、師範と師範代の模範試合のときのみだ。
だからこそ、鞘がすっぽ抜けることなど許されない。
また、長尺の武器だからこそ、自分の体に見合った重さの武器を選ばなければならない。
毎朝の手入れはこれからの鍛錬に問題がないことを確認する大切な時間だ。


多くの初心者はその重要性を理解せず、稽古の時間のみを楽しみにする。
だが、透はこういった一つ一つの所作も怠ることがなかった。






そして朝の鍛錬。
ここでは軽く型の確認を行う。


朝の鍛錬ののちに道場に飛び散った汗を清掃して、その後学校に行く。


学校が終われば道場に戻り、また一礼。
そして型の確認の後に、実戦的な試合形式の鍛錬が行われる。


夕刻、鍛錬が終了すると再び槍の手入れ。
柄についた汗を丁寧にぬぐう。
鞘止めを確認し、槍を仕舞う。


その後道場の清掃を行い、一礼してから道場を後にし、家路につく。


家に帰ればごくごく普通の学生らしく、テレビを見たり、ネットで遊んだり、携帯でメールをしたり・・
そんな生活がずっと続くと思っていた。








あるとき彼は牙蹄流と言う槍術の流派があることを知る。
正直、おもしろくないとおもった。
彼は槍術の流れるような足捌きを楽しいと思っていたから。
だから、馬術の訓練もそれほど気が入っておらず・・・
一応手綱をあやつって馬に乗れる程度の訓練はしたが、騎乗戦闘の訓練はしなかった。


彼は馬術に対しては礼を払わなかった。
あくまで槍に対してのみ心を砕き、礼を重んじた。


どれほど優れた資質があっても、礼を持たぬ者に開かれる扉はなし。
牙蹄流の門は彼に対して二度と開かれることはなかった。










「あぁ!ちくしょう!!もっと、まじめにやっておけばよかったぜ!!」


見渡す限りの砂地
見渡す限りの平原の続く広大な遺跡。


騎乗戦闘をこなし、すばやく隣接する戦場へと移動する人々を見ながら、透は後悔していた。


あの頃・・・もっとちゃんと馬術も極めておけばよかったと。


開かれた門をくぐるも閉ざすも本人次第。
だが、機会は多く訪れるわけではない。
一度閉ざされた門が都合よく開かれることもなし。


彼は彼に見合った力でこの島での戦闘をくぐりぬけることとなる。



二十人目のお題「礼儀」  814 霧生 透

※言うまでもなく・・・牙蹄流などという流派はありません。フィクションです。

749

ジルがこの島に来てすでに10日過ぎた。

両親が旅行に行っている間、家の改装のために無理やり追い出されてこの島に送り込まれた。
まだ、たった9歳の少女。
誰が聞いても同情したくなるような境遇。

最初のうちこそ拗ねてもいた。
萎縮したり・・・・、仲間に遠慮もあった。
だが、元々は適応力の高い少女であったジルは、着実にこの遺跡での生活になじみ始めた。

慣れにより、本来の自分を存分に発揮できるようになって来たこと。
そして、厳しい遺跡の中の日々の生活
心身ともに鍛えられる修行のような日々

生来持っているある能力を引き出すための条件が整おうとしていた。





ある日の日記
「今日、散歩をしていたら、なんとなくうり坊に会う気がした。
 なんとなくお肉が固そうだと思った」



ある日の日記
「今日、遺跡を歩いていたら、なんとなく子猫に会う気がした。
 なんとなくお肉が小さい気がした」



ある日の日記
「今日、遺跡を歩いていたら、なんとなく変な人に会う気がした。
 香りの良い香水みたいな草を拾いそうだと思った」





日記を読めば気づいた者がいるかもしれない。
ジルはこの先で会うであろう敵とその敵から奪うアイテムを直感的に知っていた。

彼女の能力は直感力とシンクロ
その二つの能力は今まさに開花しようとしていた。

どうやらジルには少し先を行く冒険者たちの動きが見えるらしい。
もちろん少し先を行く冒険者達と同じ敵と戦うとは限らない。
シンクロして少し先にいる敵が見えたとしても、
実際にジルたちがその場を通るときに何と当たるかは直観力が決め手となる。

その直観力の当たる確率は5割程度。
だからこそ、不用意に漏らしてPTのみんなに嘘つき呼ばわりはされたくないと思った。
ジルはその能力の確度が上がるまでみんなには内緒にしておこうと決めた。





あるときジルはまたも白日夢のように、少し先のブロック、または近くのブロックにいる誰かとシンクロした。
そして・・・・・そのままジルは卒倒した。




ジルが見たもの。
それは9歳の少女にはあまりにも刺激的な内容だった。


そのままパーティメンバーに遺跡外に連れ出された。
あまりの衝撃にジルの脳はそのときのことを記憶するのを拒絶した。


だから、ジルは知らない。
自分が何を見たのかを。

心配するパーティメンバーも憶えていないものは訊きようがない。
だから、ヒントはジルがうわごとのようにつぶやいた言葉だけ。

パーティメンバーには何のことだかさっぱりわからない。
もちろんジルにもさっぱりわからない。
謎の言葉が残った。



9歳の少女の脳に残ることを拒絶された謎



「・・・・ピンクの・・・・」


一体何を彼女が見たのか・・・それはご想像にお任せします。
ただ、あまりのトラウマのために、開花しかけた彼女の能力は数日間復帰しなかったと言う。


十九人目のお題「開花」  749 ジリアン・アマーリア

701

なんじゃ?変な顔をしおって。
この程度のことで震えておるのか?

こんな木っ端モンスターに囲まれたぐらいで何を震えておるのじゃ?
度胸がないのぉ、お主。

この程度のこと、もっと楽観視出来んのか?
仕方がないのぉ
儂が一つ昔がたりをしてやろう。




周りを一角獣やスケルトンが取り囲み、今にも飛び掛ってきそうだというのに、
玖狼は胡坐をかいて、杯に酒を注ぎ、ぐびぐび飲みながら昔話を始めた。





昔のぉ・・・まだ儂が若かったときのことよ。
同じように周りを敵に囲まれたことがあってのぉ。

そのころの儂はまだ思うように人型をとることができんでな。
巨大狼じゃっちゅうて、棒を持った人に囲まれたんよ。

それもまぁ・・仕方のないことじゃて・・。
あのころ儂の仲間の一頭が人を懲らしめんといかんっちゅうてな、人里をおそっとったんよ。

儂ゃぁ、人を襲うのには反対じゃった。
確かに人の輩(やから)が森で傍若無人に振舞う様には儂も眉をひそめとった。
けどなぁ、人にも人の都合っちゅうもんがありそうじゃった。
年貢じゃとかいうて、せっかく作った米も取り上げられてのぉ・・・
ひどい世の中じゃった。
じゃけん・・・しゃあないと思うとった。

じゃが、儂はどうも変わりもんじゃったらしくてのぉ。
仲間は少しずつ人の輩(やから)を敵視していったんよ。
仲間が変わっていくのは寂しかったのぉ

あるときのぉ・・・年端もいかぬ赤ん坊っちゃあ、攫ってきおって・・・・
哀しむ母親の目の前で食い殺しよった。
ほんまに誇り高い狼の一族のもんが、弱い赤ん坊をかみ殺すなんぞ・・・・末代までの恥じゃ。

それまでは狼じゃあ言うたかて、それほど嫌われておらんじゃったよ。
せやけど、そっからあとはあかんかった。
人の輩(やから)と儂等狼の族(うから)は互いに憎しみあうようになったんじゃ。




儂が人の輩に取り囲まれたんは、そういう時代よ。
人々はおっそろしい形相で儂を睨んじょった。
ありゃあ、ニ、三十人はおったかのぉ。

あのときは儂も恐ろしかったよ。
何よりも儂が恐れたんはのぉ・・・・・人を殺すことよ。

なんのかんの言うても狼は一頭一頭が自分の王よ。
自分がよければそれでええっちゅうところがある。

せやけど、人の輩は違う。
なんでかしらんけど、奴らは仲間をものすごぅ大事にしよる。
あのとき儂が誰か1人でも殺しよったら、人の輩は狼を根絶やしにすることを辞さなかったやろ。

だからこそ、儂ゃあ、誰も殺しちゃあならんと思うた。

儂もあの頃は若かったからのぉ。
血の匂いを嗅いだら我慢できんやろうとおもうた。
せやからな、二、三十人に囲まれて、そこから儂は誰一人怪我させず、自分も血を流さずに脱出せにゃあならんかった。
ありゃあ、さすがにきつかったのぅ。
今でもどうやって逃げたのか、よぉ憶えてない。




何?かっこわるいじゃと?
お主、この程度のモンスターに囲まれてぶるぶる震えとるのに、よぉ言うのぉ。

なんじゃと?武者震いじゃと。
あっはっはっはっは。
お主、なかなか言いおるのぉ。


じゃがな、あのとき人と全面的に対決せんでよかったと儂は今でも思っちょるよ。
・・・なによりこんな風に昔を思い出したときに酒がまずくなるじゃろうが。
後悔はしたらあかん。
いつでも美味い酒が呑めるように生きるのが儂の生き方じゃよ。



何?
何でそんな風に人に囲まれたじゃと?
訊きたいか?
ふ~む。
まぁよかろうよ。

あのときはな、儂に縁(ゆかり)の狼にはじめての仔がおったのよ。
人の輩がな、その巣に気づきおった。
せやからな、儂が囮になったのよ。

あぁ、狼は一頭一頭が自分の王で他のもんは知らんと確かに言うたな。
だがな、儂は玖狼の神よ。
儂には儂に繋がる族を守る義務がある。
そんじょそこらの狼と一緒にしてもらっては困るのぉ

さて、酒が尽きた。そろそろ本気で行くかいの。





この昔語りの間・・・・玖狼はずっと右手に酒瓶、左手に杯を持ち、あぐらをかいたままで・・
時折右手の人差し指から出した鬼火でモンスターたちを牽制していた。

囲まれても平然として楽観していたのは、経験に裏打ちされた実力が伴うからだ。

昔語りを終え、すっくと立ち上がった玖狼が周りを囲むモンスターをなぎ倒すのにかかった時間はほんの一瞬のことだった。



  倒してもいいなら、この十倍の敵に囲まれても儂ぁなんとでもなるでよ。
  相手を倒さずに、自分も傷つかずに引く。
  そのほうが何倍も難しいことを儂は知っとるからな。


そういい残すと、誇り高い狼神は遺跡の中へと消えていった。



十八人目のお題「楽観」    701 玖狼

641

「ママ、お帰りなさい♪」

熱を出して寝てたママ。
ようやく戻ってきてくれた。

でも兄弟たちはみんな不満みたい。
ウィレムは特にママが好きだから。

ママがお熱をだしたとき、ウィレムももっともっとお熱を出してたんだって。
でもウィレムはうれしそうだった。ママと一緒だったから。
ママがお城を出るときみんな寂しそうだった。


「マーマ、もうだいじょうぶ?」

ママはにっこり笑ってくれた。

「ねぇ、ママ。
 クロトね、パパに手伝ってもらってちゃんと宿題やったよ。
 だから、ママもやくそく守ってね!」

「約束?」

「そう!宿題したらクロトをちゃんと冒険につれていってくれるんだよね!」

「え、えぇ。そうね。クロトも一緒に行きましょうね」







ドキッとした。
クロトに約束といわれて・・・・。

高熱を出して寝込んでいたと聞かされたとき・・・・怖かった。
熱のせいでまた記憶を失ってしまったんじゃないかと・・・。
息子たちのこと、娘たちのこと、ただでさえ失われている記憶。
もうこれ以上失いたくなかった。

怖かった。本当は大丈夫なんかじゃなかった。
でも・・・・もう心配させたくないから。

だから・・・・クロウは小さな嘘をつく。
本当はわかっていないけど、わかった振りをする。
本当は大丈夫じゃないけど、大丈夫な振りをする。


「ママはもう大丈夫よ。一緒に行きましょうね」


と微笑んだ。







ママは大丈夫っていった。
だけど、クロトは気づいてしまった。
「やくそく」といったときママがちょっとだけ動揺したこと。
「一緒に行きましょうね」と笑ってくれたけど、心から喜んでなさそうなこと。

きっと、ママは本当はクロトが宿題をおわらせるのに、もっともっと時間がかかるとおもったんだ。
今回はクロトをつれていきたくなかったんだ。
クロトはいっしょうけんめい宿題やったのに・・・・


『そりゃ・・・・ちょっとだけパパにてつだってもらったけど』


マーマ・・・・

クロトはうっすらと涙を浮かべた。


「クロト?」

背後から声をかけられて振り向いた。あわてて服の袖で涙をぬぐう。

「パパ」

「どうかしたのか?」

パパはクロトの頭をわしわしって撫でてくれた。








いつもだったら頭を撫でると嫌がるクロトがしょんぼりしている。

「パパ」

「どうした?元気が無いな。ひょっとしてクロトも風邪引いたのか?」

「違うよー!クロトは元気だもん!・・・・・・・パパも・・クロトがいると邪魔なの?」

そういうと珍しく目から大粒の涙をぽろぽろ流した。
いつも強気なクロトが涙を流すなど、そうそうあることじゃない。

エドがひざをついて手を広げ、おいで、というと泣きながら抱きついてきた。
抱き上げて頭をさらにわしわしっと撫でても泣き止まない。


『パパも』

といった。ということは・・・・?

クロウがクロトを拒絶するはずが無い。
だが、クロトはクロウに拒絶されたと思っている?

クロトが泣きながら語った言葉。
クロウが何を考えていたのか、なんとなくわかってしまった。

クロウのことも気にかかる。
だけど、今すぐにやらないといけないことはたった一つ。

クロトは鋭敏な子だ。
嘘をついてもすぐに見分ける。
だから、・・・・・嘘のない、真実の言葉をあげよう。

エドはクロトをぎゅっと抱きしめると小さな耳にこうつぶやいた。


「クロト、パパはクロトのことが大好きだよ」




一つの些細な嘘で傷ついた心。癒すために必要なのは心からの言葉。

いつか、こんなこともあったね、とみんなで思いだせる日が来るといい。

『ママ、あのとき嘘ついてたでしょ!ちゃんとわかってたんだから!』

そんな風にクロトがクロウに言って、

『あの時クロトはわんわん泣いたんだよな。』

と俺が話して・・・・家族みんなで笑える日が来るといい。

いつかそんな風にみんなで笑える日がくるといい。



十七人目のお題「虚偽」
 641 クローヴィス・S・フェンデル (+ 1023 エドヴァン・S・フェンデル + ご家族の皆さん)

604

兎がいっぱい
ふわふわした兎が、ここにも、そこにも、あそこにも・・・

あまりにも兎がいっぱいでかわいくて、いつまでもここに居たいような・・・


「・・・・」


うさぎが一羽ぴょこんと僕のひざに乗ってきた。
また別の兎は僕のふくらはぎに頭をすりすりしている。

幸せだなぁ・・・


      「・・・!」


すぐそこにいる兎は顔を洗って、耳掃除を始めた。
兎の耳掃除のときの仕草には胸がキューンとする。
かわいい。
あまりのかわいらしさに思わず写真を撮っておきたい気分になる。


      「・・・ゆ・・ん!!」


隣にもう一羽兎がやってきて、目の前で二羽の兎が耳掃除
ずっとこの時間が続けば・・・


      「・・わゆ・・はん!」


誰?誰かが呼んでる。
あぁ、でもまた・・・
別の一羽が僕のひざの上に上ろうとして僕の太ももをつんつん突付き始めた。
かわいい。
思わずその兎を抱き上げようとする。


      「淡雪はん!起きなはれ!」


その瞬間兎が消える。
暗い・・・・暗い・・・・・誰かが体をゆすってる。
誰・・・

ゆっくり目を開ける。
心配そうに覗き込んでいる・・・・・吹雪?








戦闘中・・よりにもよって尾田はんが避けたせいで、敵の攻撃が淡雪はんを直撃しはった。
あわててフォローに入って、敵を倒したまではよかったが、淡雪はんはその場に倒れこみ・・・
尾田はんを半殺しにする(確定)のは後回しにして、あわてて抱き上げる。

「淡雪はん!しっかりしぃや!」

「・・・・・ぎ・・・・」

「淡雪はん!」

「・・・・さぎ・・・・・ぱい」

「大丈夫かいな。しっかりしぃ」

「・・・うさぎ・・・いっぱいいたのに・・・吹雪の莫迦」




・・・・莫迦?


人を莫迦呼ばわりした人騒がせな連れは、そのまますぅすぅと寝てしまった。
どうやらたいした怪我はしていないらしい。

こんな風に人の腕の中で安心しきった顔をして眠るんじゃねぇよ。莫迦。
人がどれだけ心配したと思っているんだ・・・





結論:全部尾田が悪い。








(このあと起こったことは非常にバイオレンスなため、掲載を控えさせていただきます)








次の日の朝、淡雪が目ざめたとき、あたりにはいつものいい匂い。
吹雪が料理をしているらしい。

昨日の戦闘途中から記憶が無い。
きっと戦闘中にドジってしまったんだろう。

ちゃんと食べないからだって言われそう。
また、目いっぱいの朝御飯が用意されているんだろうな。

すこしだけ憂鬱な気分になる。

それにしても昨日はなんだか幸せな夢を見た気がする。
どんな夢か憶えてないけど、まぁいいか。




結局、淡雪は吹雪を莫迦呼ばわりしたことはまったく憶えておらず、
八つ当たりの矛先は当然のように・・・・・



十六人目のお題「結論」   604 佐藤 淡雪 (+605 焔 吹雪) 

花火の途中

半分きました。
華煉は次々花火が出来て楽しそうです。
マナはあっちで吹き矢のトレーニングをしています。
PLは腱鞘炎でペースダウン中です。

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