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1428
その約束はおらの絶対。
─────────赤埴 やゑ
今朝も起きたらえぇ匂いがした。
アイボリーさんが料理をしてはる匂い
「アイボリーさん、メイちゃん、おはよー!!」
今日も朝から元気に挨拶。
「おはよう」
「やゑちゃんおはよう」
二人から返事をもらってやゑはにっこり笑った。
「なぁ、今日はどこへ行くん?」
「今日はね、シャルロットっていう人がこの先の道を封鎖しているみたいだから、
その道を解放しに行くの」
「封鎖??」
「通せんぼしてるってこと」
メイちゃんからは少し聞きたいことと違う答えが帰ってきた。
「なんで通せんぼしよるん?」
「さぁねぇ。よくわからないわ。」
そんな会話をしていると、お台所から声が・・・
「おい、朝御飯出来たぞ!」
「はーい」「はーい」
メイちゃんにわからないことが、わたすにわかるわけがない。
それなら深く考えなくてえぇじゃろ。
考え込むのはやめにして、アイボリーさんの作ってくれた朝ごはんをいただくことにする。
「いっただっきまーす!!」
今日も元気にごはんを食べる。
アイボリーさんの料理はいつも上手。
毎朝、毎朝、お百姓さんとアイボリーさんに感謝しながらやゑは御飯をいただく。
「美味しい!!」
にっこり笑うとアイボリーさんもちょっとだけうれしそうな顔になった。
美味しい御飯と美味しいお味噌汁。
今日も一日頑張ろうと思った。
遺跡の中を一日歩いて、襲い掛かってくる敵を3人で倒す。
アイボリーさんが作戦を立てて、言われるままにやゑも槌を振るう。
メイちゃんの魔力が敵を直撃する。敵がふらついたところにやゑが槌を叩きこむ。
やゑが槌を大きく振るった隙に懐に入り込もうとした姑息な敵は・・・
やゑの見えないところでアイボリーさんのナイフでずたずたにされているらしい。
今日も3人の連携は完璧で、向かってくる敵をすべて叩きのめせた。
「今日は疲れたねー」
そういいながら一日を振り返って眠りにつく。
明日も良い一日になりますように。
心からやゑのことを思ってくれた月舟さん。
きっと月舟さんとの約束ならやゑは絶対に守るとわかっていたんだろう。
月舟さんの優しい優しい気持ちがいっぱいこもった約束。
それはこの島に来る前も来てからも、やゑの絶対。
「毎日元気におはようってあいさつすること」
「朝御飯をちゃんと食べること」
そして・・・
「どんなに大変でも毎日ちゃんと眠ること」
二十八人目のお題:「約束」 1428 赤埴やゑ
1360
櫻岬 五右衛門(サクラザキ ゴエモン) 警察官 52歳
若く見えるが、老獪といったほうがいいベテランの警察官だ。
若く見えるだけあって、体力年齢を測定すると常に20代の若者と判断されるのが自慢だ。
そんな彼の密かな悩みの種はコレステロール値が高いこと。
だが・・
「犯罪者を捕まえるためには強靭な肉体が必要!
そのためには肉をしっかり食わねばならん!」
と公言する彼のコレステロール値が下がる見込みはまったくない。
また、酒を愛する彼のこと・・・・・肝機能障害も密かな悩みだ。
コルトガバメントに時代遅れの十手、警察手帳にぴかぴかの手錠が彼の大事な道具だ。
(密かに島に警察署を作ろうと画策している彼は、取調室、ミニパト、警察ヘリなども持ち込んでいるらしい)
(だが、「おまわりさん」のイメージとは違い、「警察官」である彼の道具に自転車と言う文字はない)
今日も道具を片手に島のパトロールへと彼は出かける。
今日彼がやってきたのは他でもない。
島でも有数の傷害事件・誘拐未遂事件の多発現場である。
何しろこの場所では怪しい緑の男が、本を持った幼児を片っ端から襲うという怪事件が頻発しているらしい。
彼がエリアにやってきたとき、おりよく子どもの悲鳴が聞こえた。
か弱い幼児を襲うとは・・まったく許せん奴だ!
悪人を逮捕する絶好の好機!
だが、怒っていてもそこは老獪な彼のこと。
悲鳴を聞きつけても冷静に行動を起こした。
彼が現場に駆けつけたとき・・・・
すでに一般の冒険者が緑の怪人を倒して子どもと楽しそうに話していた。
「こらこら!一般人が事件の現場に勝手に出入りしてはいかん!!」
そういう彼のほうを冒険者も子どももきょとんとした目で見つめている。
やがて、子どもは
「・・・あっ!ごめんなさい!つい夢中になっちゃって・・・それじゃ帰るね!ありがとー!」
という言葉を残してその場を立ち去ろうとする。
「いかん、いかん、いかん!いくら子どもとはいえ、まだ事情聴取が終わっとらん!!」
そういって引きとめようとする彼を尻目に
「あ!ここまっすぐ行くと、ショウタイ?っていう偉そうな人達がいるから気をつけてねー!」
という謎の台詞を残して、子どもは立ち去ってしまった。
仕方なく彼は残った冒険者から詳しい事情を聞こうとした。
だが、目端が利く冒険者達はすでにその場から立ち去っていた。
う~~む。詳しい事情の判る者がいなければ事件として成立せんな。
彼は唸った。犯人逮捕の好機を逃したのかもしれない。
だが、5分後、彼はどこかで聞いたような悲鳴を耳にする。
老獪な彼は今度も罠がないかを確認しながら、悲鳴の主の方へと近づいていった。
すると先ほどの子どもがまた別の冒険者に助けられているではないか。
子どもは
「あ!ここまっすぐ行くと、ショウタイ?っていう偉そうな人達がいるから気をつけてねー!」
というどこかで聞いたような台詞を残して立ち去ろうとする。
「こら!ちょっと待ちたまえ!!」
彼は子どもを追おうとするが、緑の草に足を取られて、体勢を崩した。
そのほんの一瞬目を離した隙に・・・・子どもは消えていた。
もちろん今度の冒険者達もさっさと立ち去っている。
う~~む、怪しい。これには何か大事件の匂いがするぞ。
彼はまたも考え込んだ。
だが、彼がこれにはどんな裏があるのか?と考えている間に3度目の悲鳴が聞こえる。
彼の疑問を解明する好機到来だ!!
彼は今度は今までよりは俊敏に動いて現場へと急行した。
だが、今回も素早い冒険者が先に到着しており、ちょうど緑の怪人を倒したところだった。
彼が傍から見ていると、子どもが大きな声で物語について語っている。
その間に緑の怪人はおいしい草をその場に残してそそくさと立ち去って行くではないか!!
冒険者達は子どもの話にひき寄せられて、怪人が立ち去るのに全く気づいていないようだ。
そして、子どもはいつものように
「あ!ここまっすぐ行くと、ショウタイ?っていう偉そうな人達がいるから気をつけてねー!」
という台詞を残して立ち去って行く。
その立ち去る方向は、
ナントナントナント
先ほど緑の怪人たちが去っていった方向と全く同じ方向ではないか!
そして、四度目の悲鳴が聞こえる。
う~~~む。これは狂言誘拐ならぬ、狂言傷害未遂なのではないか?
これが狂言の事件だとすると、あの少年と緑の怪人の目的はなんだ??
彼の長年の勘を持ってしても、この場で起こっている事件の謎はまったくわからない。
うむ・・・こんなときは当事者の逮捕が一番だ!
そして、五度目の悲鳴が響き渡ったとき、彼は自らの体力年齢の限界に挑戦し、どの冒険者たちよりも早く少年の下に駆けつけた。
「お前たち!狂言事件の現行犯で逮捕だ!!」
自慢のコルトガバメントで緑の怪人をなぎ払う。
今度こそ真相を解明する絶好の好機!!これを逃すわけにはいかない!!
だが・・・緑の怪人たちが倒れた瞬間に・・・・
戦闘に勝利した!(イベントフラグが立ちました)
というかすかな音が聞こえた気がした。
彼の経験ではこのあと緑の怪人たちはおいしい草を置いて立ち去るはず。
そこを現行犯逮捕するつもりだったのに、体がそちらを向かない。
PSを獲得
CPを獲得
櫻岬 五右衛門はおいしい草を入手!
よくわからない放送が聞こえ、
そして彼が動けるようになった時には緑の怪人たちはその場から消えていた。
く・・・怪人を逮捕するチャンスをみすみすふいにしたか。
だが・・・まだ事情を知る者が残っている!!
続いて彼は子どもに事情聴取しようとする。
だが、全く声が出せない。
とまどう彼の耳にどこからともなく
「EVENT」
という声が聞こえた。
すると無表情なまま子どもが機関銃のように話し始めた。
「助けてくれてありがとう!強いし優しいね♪・・・本が無事で良かったぁ。」
「あ、この本はねー・・・守護者様の物語のひとつ!英雄が女神様や幸星様に助けられて悪い魔王を倒すんだ!」
「幸星様はいつも元気で英雄達を応援してくれるんだ!一番好きな守護者様♪でも隠者は変な奴で小賢しいことばっかり・・・嫌い!魔王はー・・・」
「・・・物語はいくつもあるけど、守護者様の登場する順番は決まってるんだよ?英雄は絶対最初に出てくるし、熱血野郎や幸星様は物語の途中で出てくるの。それでー・・・」
「・・・でも聖人さんだけはいつも物語に入ってこないで物語の書き手とか読み手。他の六人をただ見てるだけみたいなー・・・」
「・・・あっ!ごめんなさい!つい夢中になっちゃって・・・それじゃ帰るね!ありがとー!」
「あ!ここまっすぐ行くと、ショウタイ?っていう偉そうな人達がいるから気をつけてねー!」
話しきって子どもが立ち去るまで・・・彼は全く動けなかった。
そして、先ほどまであれだけ何度も何度も子どもと緑の怪人の現場を押さえられたのに・・・・
彼は二度と狂言事件の場に立ち会うことは出来なくなった。
うーーむ。
この櫻岬五右衛門に狂言を見破られて、悪いことをするのはやめたのであろうか。
だが、あの子供たちと緑の怪人だけで引き起こした事件とは思えない。
きっとこの事件の裏にはもっと巨大な黒幕が隠れているはずだ!!
真相を追及する好機は逃してしまったかもしれない。
この世に悪がある限り!警察官 櫻岬五右衛門は戦いを決してやめない!!
彼は真相の究明を自分のコルトガバメントに誓うのであった。
二十七人目のお題:「好機」 1360 櫻岬 五右衛門
1271
ほんと、何よここ。
だいたいさ~、なんでこんな地下に空とか草原とかあるわけ?
周りの人たち誰もおかしいと思ってないのかしら?
まぁ、ここにいる人たちも相当かわってるしね~。
こりゃ早めにリタイアした方が身のためかな?
でも、タバコもまだまだつきそうにないし、
あとちょっとぐらい探索してみてもいいか。
あんまり『頑張る』って趣味にあわないのよね。
宝玉が出たとかで、妙にみんな目を輝かせちゃってるけどー、
それが本物だってみんな信じ込んでるのかしら?
なんか単純な人が多そう。
1173
いっぱいのクルミ
ポケットにいっぱい
いっぱいの栗
カバンの中には
砂糖漬け
とっても香りの
いい紅茶
忘れちゃいけない
ぜったいに
両手にいっぱい
いっぱいのりんご
オーブンに火を入れて
ケーキを焼こう。
とってもおいしい
カントリーケーキ
ラズベリーを入れよう。
栗を入れよう
レーズンもいれて
ケーキを焼こう。
マフィンも焼こう。
一口マフィン
砕いたクルミを
そっと添えよぅ。
オーブンでケーキを
焼いてるとね。
とってもとっても
いい匂い
お菓子が焼ける
待ち時間
とってもとっても
幸せタイム
ケーキが焼けるよ。
あと少し。
硝子のティーセットを
用意しよう。
とってもとっても
おいしいお紅茶。
オレンジ・ペコを
もらったの。
今日は楽しい
ティーパーティ
みんなで楽しい
ティーパーティ
硝子の器に
入った紅茶
きらきら光って
宝石みたい。
みんなで頬ばる
木の実のケーキ
みんなで頬ばる
クルミのマフィン
とってもとっても
楽しい時間
明日もみんなで
お茶しよう。
今日はとっても
おいしかった。
みんなありがと。
ごちそうさま♪
二十五人目のお題:「硝子」 1173 スグリ
1096
砂地を日除けのマントを纏って歩いていた風屡は強い風の気配を感じた。
いつも一緒にいるライオンも低い唸り声を上げている。
こんな何もない場所で砂嵐に巻き込まれると辛い。
少し離れた場所に石造りの遺跡をみつけ、風屡は走った。
ライオンもぴったりとついてくる。
石造りの壁の影に飛び込んだ瞬間、強い風が吹いた。
サンドストーム
この広大な遺跡の中で何度かこの現象に出合った。
約30分ほどの嵐を、ある者は魔法防壁を作って防ぎ、ある者は地の中にもぐって避けた。
ある者は砂の舞い上がらないほど高い天空で風のみと闘い、
そして風屡のように地を歩む者は遺跡の影に隠れて嵐の過ぎるのをじっと待った。
所詮は遺跡の中の嵐
最初のうちは大したことないだろうと舐めてかかったものもいた。
だが、30分もの間、砂を叩きつけられて立っていられるものなどいない。
砂漠を旅することも多かった風屡は、最初にサンドストームにあった時から油断しなかった。
遺跡の中とはいえ、舞い上がる砂の量が半端ではなかったからだ。
この遺跡は確かに作り物かもしれない。
まがい物かもしれない。
だが、風に舞い上がったあの砂の量は間違いなく真実だ。
風屡のようにそれを見切ったものだけがこの地の最初の洗礼を何事もなく切り抜けた。
見切れずに砂地で強行した者達・・・彼らはサンドストームが去った後、体勢が整う前にモンスターに襲われて、一時的に遺跡外に撤退することすら余儀なくされた。
1021
「ちょ・・・ちょっと待って」
いつものようにラフィーが料理を作ってる。
どうやら今は手が離せないみたい。
とってもいい匂い。
・・・いままでに感じたことのない匂い
肉料理?それとも蟹?タラバ?
ううん、ちがう。
もちろん草やパンくずじゃないことだけは確か。
このやわらかい匂いはカレーでもない。
でも、とってもおいしそう。
『保存食にこんないい匂いのするものあったかしら?』
ラピスは首をかしげた。
覗き込んでみようかとも思ったけど、珍しくラフィーは真剣だ。
細かい作業の邪魔になって、このいい匂いが消えちゃうのはもったいない。
ラピスはうずうずしながらラフィーが返事をしてくれるのを待っていた。
ラフィーはさらにバタバタと動き始めた。
ときどきラピスのほうを振り返って
「ごめんね。もうちょっと待ってて!!」
というのが精一杯みたい。
どうやら料理は佳境のよう。
オーブンに火を入れて、何かよくわからないものをオーブンに入れていた。
オーブンに入れる一瞬、オーブン皿の上に乗っていた物が見えた。
なんだか茶色い塊。
それしかわからない。
─────あんなにいい匂いがしているのに・・・・ちょっと不気味ね。
─────でも、食べるのはきっとラフィーだから・・・いいか。
ラピスはいい匂いに包まれながら、おとなしく待っていた。
ようやくお皿をオーブンに入れてラフィーの手が空いたよう。
ラピスはふわりっとラフィーの前に立ってみた。
ラフィーはなんとなく疲れた顔をしている。
あれだけ、バタバタ走り回っていたら当然だろう。
「ねぇ・・・・何をつくってるの?」
「うん・・・あのね・・」
チンッ!!
「あっ!もう焼きあがっちゃった。ごめん。ラピス。もうちょっと待ってて!!」
うそーーーー!!
だって・・だって・・・まだオーブンにいれて1分も経ってないのよ!
1分も経ってないのに!!
ラピスは目を疑った。
オーブン皿には確かに茶色い物体が乗っていたのだ。
それをオーブンに入れたのだ。
なのに・・・なのに・・・・
出てきたオーブン皿の上に乗っていたものは 『白い』 のだ。
えぇえええええ。嘘ーーーーー!!
ラフィーは魔術師。
いままでだって驚くような技を使うこともあった。
でも、今回のは飛びっきりだ。
その白い塊が・・・ぶるぶると振るえはじめ・・・・
ふわふわしたいい匂いのする塊がパチパチっと目を開けた。
小さな丸い目はなんだか愛らしい。
目の下がもごもごもごっと動いたと思うと、パカッと口を開いた。
「ご命令を。ごちゅじんちゃま」
オーブン皿の上の白い白いふわふわした塊が口を開いた。
ラピスは口をパクパクさせて・・・・・
「ラフィーーーー!!!!」
と絶叫した。
ようやくラフィーが説明してくれた。
さっきからラフィーが作っていたもの。
あんなにいい匂いがしたのに・・・料理なんかじゃなかった。
新しい使い魔
もちろん魔力をもっているのでラピスを視ることもできるらしい。
しかもふわふわしててとってもいい匂い。
手足はないけど、ふわふわと浮き始めた。
最初は驚いたけど、なんだかかわいい。
おまけに・・・・これ・・・・パンくずだけで出来ているらしい。
貴重な保存食や肉を使わずに、余ったもので作ったとか。
「僕とラピスに絶対服従するんだよ。」
「ちょっとラフィー・・・絶対服従ってかわいそうじゃない?」
「こういう使い魔は役割をちゃんと決めてあげる方がアイデンティティがはっきりして、存在が安定するんだ。絶対服従ってしてあげるほうが、この子も長くこの世界に順応できるんだよ。」
そういうものなのかしら?
疑わしげにふわふわと漂う使い魔をみると、目をきらきらと輝かせてラピスの顔を覗き込んでくる。
「ご命令を。ごちゅじんちゃま♪」
か・・・かわいい。
かわいいけど、この子に何が出来るんだろう?
「ラフィー・・」
困ってしまってラフィーに話しかけたものの、ラフィーもなんだか困っている様子。
「うーーん。
まさか一発で成功すると思ってなかったから、このあとのことを考えてなかったんだよね。」
そんな無責任な・・・
でも、あまりにも目をきらきらさせている使い魔を見ると、何も言わないわけにはいかない。
「じゃあ・・・・ラフィーが疲れてるみたいだからラフィーの肩を叩いてあげてくれる?」
「ちょ・・・ちょっとラピス」
「いいじゃない。そのぐらい。」
白いふわふわはにっこり笑うと、
「わかりまちた。ごちゅじんちゃま」
といってふわふわっとラフィーのそばに行き、ラフィーの肩の上で弾み始めた。
ぽーん、ぽーんと弾んでいるものの、元はふわふわのパンくず。
重量がないのでまったく肩叩きになっていないらしい。
どうやら使い魔本人もそれがわかったらしく、一生懸命力んだ顔をしてぽーんぽーんと勢いをつけて弾み始めたが、一向に効果は見えない。
さらに力んだ顔をして、向きになって弾む使い魔。
だんだんペースも速くなる。
ぽーん ぽーん ぽんっぽんっぽんぽんぽんぽぽぽ ぼふっ!!ぷしゅーーーーーーーー!!
突然ぼふっという音がして、そのあと空気の抜けるような音がして、ラフィーとラピスの目の前でパンくずの使い魔は見る見る縮むとそのまま消えてしまった。
「あ・・・・」
「あ・・・・・・」
でも、もう遅い。
二人の目の前から使い魔は消えてしまった。
「ラピスがあんなこと命じるから」
「だって、ラフィーだって止めなかったじゃない」
二人で口げんかをして、それも一通りおさまり・・・・でも、消えた使い魔はもう帰ってこない。
かわいかったのにな・・・・
名前もつけてあげなかったな・・・・・
その後ラフィーがどれだけ再現しようとしても、二度と同じ使い魔を作ることは出来なかったという。
二十三番目のお題「服従」 1021 Rf
950
ぱっと見は華奢な体つき。
巨大な斧に振り回されそうに思うのに、戦闘態勢をみるとそれほどおかしくもない。
傍から見ていると斧が中空なのではないかと思うほど細い体で軽々と斧を操る。
だが、その斧の斬撃を見ればわかる。
あの斧は重量で相手を叩きつぶす豪斧・戦斧であると。
J.J.は素早い動きで相手を捕捉し叩きつぶす。
だが、おかしい。
普通の物理空間では考えられないような動き。
そもそも彼の人にあれほどの斧をもてるはずがないのだ。
違和感。
それが彼の人を見たときに誰もが感じること。
彼の人の周りに小さな光が見える。
よくよくみると小さな草妖精が魔法をつむいで援護している。
そばには一羽の鳥が羽ばたく
軽やかな鳥はときに短剣のごとき爪を剥く
小さなパーティ
この島にいる粗野な冒険者達から見ればあまりにもか弱く見える者たち
だが、彼らに共通して感じる違和感
彼らを侮ってはいけない。
大きさで見くびってはいけない。
熟練の冒険者達は見抜く。
彼の妖精が体に見合わぬ魔力を持ち合わせていること。
彼の鳥が見かけによらぬ鋭い爪を有していること
そして・・・・J.J.
彼の人は垣根を越える者
この世の物理法則は彼の人に適用されないようだ。
ある者は彼らを警戒し、
ある者は面白そうに観察し、
そして、また、ある者は彼らに腕を差し伸べる。
共に奇妙な遺跡を探索する仲間として
この奇異なる者たちと手を組もう。
握手をしよう。
この地にふさわしき者たちと。
彼らもまた時に選ばれし冒険者なのだ。
二十二番目のお題:「握手」 950 ジェニファー・ジャミー +白い花 シルバーベル